今日の市況(2011年)(2011年11月28日)
かたる:好調なスタートを切った米国のクリスマス商戦、『小売調査コンサルティング会社ショッパートラックが26日発表した統計によると、感謝祭の翌日にあたる25日の米小売店の売上高は前年同日比6.6%増加し、2007年以降最大の伸びを記録した。「ブラックフライデー(黒字になる金曜日=小売店が黒字になることからこう呼ばれる)」のこの日は米年末商戦の初日で力強い滑り出しとなった』と報じられ、『IBMの調査部門コアメトリックスのデータによると、インターネットを通じたオンライン売上高は24.3%増加した。主力の小売店がネット販売の勢いをさらに取り込もうと積極的に設備投資したことが反映された。』と報じられています。
他に、本日は『イタリア紙が、IMFについてイタリア向けに最大6000億ユーロの金融支援を検討していると報じたことをきっかけに買い戻しが入ったという。』とロイターが報じていました。しかし現在はこの報道は信ぴょう性が低いと判断されています。基本的に色んな戦略は考えられます。例えばECBによる国債買い入れです。現在のECBは1870億ユーロしか保有していませんが、FRBは2兆8670億ドルも買っています。ドラギ総裁はドイツ人気質と言われていますが、ECBがユーロを守ろうとすれば可能でしょう。ドイツの反対がありますが、ユーロ共同債の発行も安定を生みますね。予算権利の介入を条件に共同債の発行もあり得ます。この辺りは株式教室でも触れています。
何故、これほど欧州問題に神経質になるのかな?
日経新聞は連日、煽り報道をしていますね。日本は世界で一番、影響は少ないんじゃないかな? そりゃ欧州は中国、米国に次いで大きな貿易相手国ですが…、米国債と違い欧州の国債を大量に保有している訳じゃないし、むしろ中国の景気状態や米国の消費の行方の方が、景気に対する影響度は大きいでしょう。こんなことは誰が考えても簡単にわかりますが、日経新聞は投資家心理を煽りますね。この姿勢がイワシ民族を育て、我が国固有の終身雇用、年功序列、株式持ち合いなどの古きよき時代の崩壊を促進させました。株式先物導入から日本の仕組みを崩したので、亀井静香は小泉・竹中を、市場原理主義の走狗と毛嫌いをするのですね。郵政民営化は郵便預金などのお金の自由度を財政投融資から奪うものでした。
欧州危機を煽る理由の一つは、やがて来る日本国債の崩壊で、一儲けるための遠大な布石でしょう。少し頭のいい日本の機関投資家の心理に、餌付けするためのパブロフの条件反射の実験ですね。こうやって投資心理を揺さぶるのでしょう。今の円高・金利安は丁度1988年に実質的に株価は天井を付けましたが、その後1年間、日経225の指数銘柄の品薄な値嵩株だけを買い上げて225の指数を真空地帯まで上げ、カラ売り玉を増やしていったやり方に似ていますね。いずれ訪れる波を完成させるための仕掛けを、いろんな形で用意しているのでしょうね。
トロ:相変わらず…だね。所詮、持ち合いが崩れ、金融機関の信用力が失われ、行き着く先は決まっているよ。カタル自身が、何度も言っているように、間もなく時間切れだよ。ギリシャやスペインの状態より、悲惨になるかも知れないね。最近の民主党は年金支給額など説明不足の中で減額し始めているし、負担額の引き上げを行っているよ。この背景は時間が無くなっていることを窺わせるよ。
かたる:橋下さんの「大阪維新の会」は大勝したね。
市長選は75万対52万、知事選は197万対119万だよ。民主を始め自民、公明と共産党などの既存政党支持候補者を大差で破った日本人の判断力は大きな変化を感じるね。「白票でも良いから投票所に行って…」と投票を呼び掛けた橋下さんは正論だが、現実を変えることは大変だよね。選挙結果が現実を変えることがないことを、これから嫌と言うほど知ることになるだろう。日本には様々な既得権力者を守る仕組みが存在し改革を阻んでいるからね。でも頑張って欲しいな。
道州制を背景とする大きな仕組みを変える時期は来ていると思いますね。選挙制度も変化させればいい。インターネットでの投票も認めればいいし…ネットの選挙運動も認めるべきでしょう。野田首相も批判を恐れず、思うことを的確に話せばいい。どうせ烏合の衆である民主党は、いずれ崩壊するだろう。やはり小手先で騙すようなやり方は嫌いだな。TPPも当たり前のことで、反対が多いから大規模農家如く制への支援策も併せて発表すればいい。更に消費税も明確に説明して20%になるまで毎年2%ずつ引き上げればいい。そうすれば消費は促進される。同時に役人の人件費の削減と国会議員の2割程度の削減は絶対に必要不可欠だろう。最高裁の判決もある。
時代や:株屋は株屋らしく…株の話をしようよ。政治はいいよ。今日は大紀アルミや新日本理化が切り返していたね。
かたる:幕間つなぎの動きだね。オリンパスは休み変わって仕手株が上がっている。まぁ、両社とも業績が好調なものが取り上げられているね。でもTDKの動き、今日は陰線だがエルピーダの反発、ソニーでも良いが僅かだが反発しているね。このラインは死守したいところだね。エレクトロンが切り返し…コマツも動いているよ。物色が仕手系に流れているから、相場は弱いがそろそろ買おうとしている動きが至る所で見られるよ。
時代や:つまり全体相場が上昇する兆しなのかな?
トロ:所詮、一時的な現象だよ。欧州危機の根は深いよ。代わって米国も消費者好調だが雇用は伸びないからストが多発している。中国は急速に失速している。カタルはいつも強気な見方をするが外れ続けているね。これだけ議論されても解説策の決定打がうてないのだから駄目だろう。カタルも言っているがなかなか改革は実行できないよ。
かたる:景気と言うのは気持ちなんだね。その気持ちを後押しするのは市場だよ。市場は実体経済を映す鏡で、いつもは受け身だが、市場価格が世の中の実体景気に影響するんだね。今はデフレの後ろ向きな縮小均衡の連鎖だが、スポットを変えればインフレの拡大均等へ向かうよ。メディアは積極的に明るい話題を提供しないとならないね。日経新聞さん、折角、系列の東京テレビが変わりつつあるのだから、そろそろ視点を変えた話題を提供しようね。場合によれば編集員を入れ替えればいい。メディアの姿勢は大切ですよ。
投稿者 kataru : 2011年11月28日 15:07