今日の市況(2011年)(2011年12月01日)
かたる:今日は久しぶりに良いニュースが連発していますね。基本的に日経新聞が報じているように世界の中央銀行が足並みを揃え流動性の供給に踏み切った行動は大きな材料です。世界景気を支援するものですから…文句なしに株高要因です。もともと欧州危機は烏合の衆の集まり、なかなか意見統一などは難しいでしょう。ECBの国債買い入れが実施されれば問題ありませんが、マリオ・ドラギ総裁は何れ実施するかもしれません。何故なら、彼はGSの所属した時期があり市場原理主義者の筈です。ユーロと言う通貨を守る為なら最後は何でもしますからね。欧州危機の発覚からおよそ半年でイタリア国債は2%ほど金利が上がり、経済規模からみてかなりの損失を金融機関は抱えています。時間が余りありませんね。どっちにしても追い込まれて金融システムを維持するか、自発的にやるかどちらかなのです。世界の中央銀行による流動性の供給は基本的には時間稼ぎですが方向性が示されたことに意義があります。この方向性を馬鹿にしてはなりません。
もう少し先かな?とも考えていましたが…11月25日の今日の市況に掲げた浙江省の預金準備率の50ベーシスを引き下げ16%にした政策を、人民銀行も踏襲しました。同じく50ベーシス引き下げて21%にすると日経新聞は報じています。浙江省にきっと実力のある共産党幹部が存在するのでしょう。だから浙江省の経済状態は注目されますね。それは兎も角、2008年12月ですから3年ぶりの政策転換です。CPIもコントロールでき、先月のPMIが50を割れたので実施したのでしょう。同時に建機の受注状況が発表されていますが悪くないですね。株価が下げたほど実体は悪くないから、確実にコマツは上がります。これは何度も指摘している通りです。リスクを冒したくない人はコマツや東レ、日立などが候補の銘柄になります。
同時に財務省は外国為替平衡操作の実施状況を昨日発表し覆面介入を使って、10月28日から11月28日に9兆916億円の介入を実施したと発表しています。基本的に市中への流動性の供給に繋がりデフレ効果を緩和します。あまり話題になっていませんが国家戦略会議と日銀は共同歩調を歩むと報道されています。今後、この方向性は非常に注目されます。基本的にインフラターゲット論を採用すれば日銀はデフレ脱却に向けて舵を切らざる得ませんからね。このようにいくつかの点で株高の要素が出てきました。おそらく中央銀行が協調して流動性を供給すると言うことは事前に分かっていたのでしょう。この1週間の株価の動きは、それを暗示するものでした。オリンパスの反発辺りから、売り指標株が消えましたからね。今度は買われる番ですね。
まだ欧州危機は改善されないとか…弱気筋はいくらでも材料を掲げますが、そんなものは大勢が転換した以上、「カエルの面にしょんべん」ですね。言葉が悪くてごめん。待ちに待った中国の3年ぶりの政策転換は大きいですね。これから月を追うごとに経済が活性されていきます。だからツガミが上がったのですよ。この株は仕手性が強いですが…ただ直ぐに勢いよく株価が上がるわけではありません。熱が完全に冷めており、冷めきった火を起こすのは容易じゃありません。仕手化の新日本理化などが先駆しましたが、やがて材料株に広がり本命筋に大型株に波及します。昨日、米国で先行指標の消費者信頼感指数が発表されています。この数字は雇用統計より先行しますよ。まだ分からないのです。非常に米国の景気回復は弱いことに変わりありません。故に、来年には大統領選挙があるので、おそらくFRBは年内か、来年早々に、景気回復の2番底を回避し確かな景気回復につなげる為に更なる緩和策であるQE3を実施するでしょう。今度は2度目ですから2008年からの回復より腰が強くなりますね。
欧州危機が引き金になり世界景気を加速させる中央銀行による流動性の供給は増え続ける世界人口の70億人の生活を後押しします。さぁ、待ちに待った政策転換のスタートです。
投稿者 kataru : 2011年12月01日 16:38