今日の市況(2011年)(2011年12月15日)
かたる:いやはや…なかなかユーロからの離脱が出来ずに日本株も引きずられています。もともと主体性が失われている日本株は海外投資家の影響を受けますからね。孤立奮闘している日銀は一昨日、久しぶりにETFを買ったと発表していました。基本的に日銀が強気の姿勢を示せば、株などはすぐに理論価格まで上がるのですね。でも速水さんにはその意思はなく、せいぜいポーズを繰り返すだけです。橋下大阪市長が独裁と呼ばれるほどの改革を実行できるかどうか…、最近ではトーンダウンしているようです。きっと彼は日本中の期待を担っているのでしょう。概ね、みんなは好意的に見ているようです。私もそんな一人です。期待感を持っていますからね。昔、土佐、長州、薩摩藩士の下級武士が主導した明治維新を連想する人もいるのでしょう。地方からの逆襲です。しかし駄目だと考えていた大阪人が選択するとは意外でした。
今日も日経新聞はイタリア国債の利率が一面でしたね。きっと、こうやってマインド・コントロールされていくのでしょう。歴史的な流れは、どんな展開をするのでしょうか? どんな形になるのか…非常に興味がありますね。株屋だった僕だけでしょうかね? こんなことを考えるのは…。私は時間切れを心配していますが、その下準備ともいえる欧州危機です。こうやって人間の心を揺さぶりマインド・コントロールする情報の作り方をするのですね。おそらく日経新聞の記者は…そのことに気付いているかどうか。アングロサクソンの金融指導者は上手いですからね。日本人のように短絡的ではなく世代を超えて仕掛けを考えます。日本は島国なので民族の交流と言う概念が希薄なのでしょうね。だから交渉も下手なのでしょう。株の動きなど見ていると色んな仕掛けが垣間みられます。
時代や:いったい何が言いたいんだよ。お前の薦めた株が下がっている言い訳か?
かたる:過去、日本も今の欧州と同様に、国債が値下がりして大きな評価損を抱えた時に、大蔵省は会計上の特例処置として、満期まで長期保有する目的の国債は評価損を計上しなくても良いと会計上の特権を掲げたことがあるよ。ところがギリシャ国債は評価損を大幅に計上しろと…市場原理主義を採用した。欧州危機の発端の一つがここにある。今度はイタリア国債も市場原理に則って厳格に評価損を計上しなくてはならないと怯え、余裕のある金融機関は損を覚悟で実弾のイタリア国債を売る。買う方もおっかなびっくりで、打診程度の投機マネーしか参入しないから当然不安定な金利水準になるね。
でも考えても分かるが、ECBは利下げを実施し政策金利を1%にしたんだね。信用力ある金融機関なら市場で低利のお金を借りて、イタリア国債を買えば労せずに6%の金利差を儲けられる。例えば日本国がユーロ建ての日本国債を大量に発行し、その資金でイタリア国債を買うと言うアイディアもあるね。簡単でしょう。危機回避など…。それにもかかわらず、何故、リスクを取る人が居ないのか…だね。僕は今回の欧州危機は次に訪れる日本国債が注目される舞台の演出だと考えているね。日本人はイワシ民族だから…ちょっとした刺激で、雪崩のようにコントロールを失い混乱するのだろう。今の政府が満期保有なら評価損を計上しなくても良いと言っても、グローバル化が進んだ現在、誰もいう事をきかないと思うね。
もし欧州が一挙団結して満期保有の国債を保証すれば、新発物は買われ一気に市場金利も戻るだろうね。そう考えると、市場原理主義って、なんだろう? 効率的な仕組みを作る考え方なのに、短期的にはユーロの矛盾を突き付けられ、多くの人々を混乱に陥れている考え方だね。やり過ぎれば必ず戦争などの非合理な事態で収拾するしかなくなる。ドイツが頑固に現状を否定すれば、やがて混乱は広がるだろう。何故、サミットで輸出依存度の話が出ないのだろう。EUは国境がないから輸出依存度が高くても良いのだろうか? 明らかに欧州危機のユーロ安の恩恵を受けているのはドイツなのに、誰もこのことを指摘しないのは何故なのでしょう。
時代や:カタルは欧州危機など日本に影響は軽微だと言っていたが、軽微どころか…世界で一番影響を受けているんじゃないの?
かたる:日本の市場は懐が広いからね。欧州金融機関の資産売りを吸収しているね。それに円高なので、他の商品に比べて損失も小さいのだろう。僅かな量だと思うけれど影響を受けているね。今日の相場は分岐点だね。そろそろ止まらないと年末年始高が不発に終わる可能性が出て来るよ。例えば日立を見てみよう。こんなイメージで…前回の安値11月25日の392円を下回るようでは相場が消えていることになる。コマツも同様で、その株価水準は1790円。逆にこの手前で止まり反転すれば、チャート上は底入れを確認出来て、年末年始の株高は約束される分岐点に差し掛かってきたね。
でも昨日、一昨日と陽線出現率の銘柄が陰線より多く、かなり整理が進んでいることが窺えるよ。それにソフトバンクやDENAと同様に大きく売られたガイシなどは、このところ、連日、買われているね。つまりそんなに弱い動きでもないとも言えるよ。新日本理化は仕手株らしい動きだね。加藤さんが実際に手掛けているなら、今日は、やはり買う場面だね。存在感をアピールせねばならない環境だからね。本当はこういう相場は、ある意味でチャンスなんだね。方向性を僅かな資金で決定付けることが出来る。弱い環境のとき、強い演出は注目を集めるからね。少ない資金で相場を作る場合は格好の展開だよ。
トロ:まぁ、いつも強気も良いけれど…。イランも心配だし、米中間の貿易戦争の話も懸念材料だよ。かたるは前向きと言うか…景気が回復する事しか考えてないから、預金準備率が引き下げられたら、直ぐに政策転換だ…と言って、株高を考えるが、現状はどんどん悪化し、二番底を取りに行っているね。場合によれば二番底ではなく欧州危機が新規の一番底を形成すると言う混乱を呼び込むかもしれないよ。米国の金融機関も経営基盤は軟弱だよ。欧州危機が米国に波及することは充分考えられるよ。
それにデッカプリングを期待しているカタルには悪いが、欧州危機が長引けば、当然、日経新聞の主張のようにBRICsなどの新興国からの資金の引き上げが続くよ。基本的に日本株が売られるように、リスクを取れないからリスク資産を減らす方向性になり、市場経済から流動性が消えて、実体景気が落ち込むパターンが一番、心配される懸念だよね。カタルのようにその心配を考えないで、楽観的にはなれないよ。当然の動きじゃないの?
かたる:何年もデフレ社会の負け組精神が身に付くと後ろ向きの発想ばかり考えるんだね。日本は既に20年も失われた時代を経過し、橋下さんが既存政党を破り圧倒的な大差で当選するくらいデフレの圧迫感が蔓延しているね。きっとこうやって時代が変化するのだろう。僕もプライマリーバランスの問題があるから、日本株の本格反騰などとは言わないが、せいぜい小山程度の相場が形成されても良いよね。所詮、本格反騰には程遠い、TPPや消費税の引き上げが実行されても、現状では対処療法の一環で何も変わらない。
だからこそ、震災を切っ掛けに未来型社会の創設が望まれるんだね。ユビキタス時代はもうやって来ているよ。スマホのアプリは人間生活を変え始め、生活に溶け込み始めているね。IT革命から既に10年が経過し、本当はソフトバンクに期待していたが…最近は未来型社会への貢献がないね。その為にボーダフォンを買収し、キャリアになったと思ったのに…むしろKDDIの方が最近では積極的に見えるよ。
未来型社会の夢は情報の管理にあり、見える化の効率性だね。国連環境開発会議のCOP17は成果がなかったけれど、震災を切っ掛けに、日本は省エネ化をさらに推進させる規制を設ければいい。規制は技術進化を促進させるためのもので、行動を束縛させるものではない。だいたい下級官僚は権力の意味を間違って捉えているね。規制とは進歩の為に用いるの。例えばLED照明を一般化させるために、一般的な電球の販売を止めさせるとか…。やり方は二通りだね。規制で強引に抑え込むか、補助金をあげて販売を促進させるか?後者の方が自由的だね。
太陽電池も、潮力発電も色んな手段があるが…日本はいっぱい技術があるのに、それを総合的に纏める推進役が存在しない。小さな例では宮城の村井さん、僕はもっと漁港を集約化させ効率的な街づくりをしてほしかった。「独裁と呼ばれるぐらいが、ちょうど良い」と述べた橋下さんも思い切って改革してほしいな。中途半端なやり方は自民党政権の繰り返し、野田さんにも言える。既に民主党は崩壊しており、どうせ壊れるのだから、逆手に取って思い切った政策を推し進めてほしいな。菅さんが示した手法は、ある意味で総理大臣の力を再認識させたね。株が力強く上がるほど、強引な手法を望んでいます。
時代や:アララ…また株の話ではなく決意表明か…全く。しようもない相場だな。
投稿者 kataru : 2011年12月15日 16:20