未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2011年)(2011年12月21日)

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かたる:ドラギ発言に対する市場の誤解があるんじゃないかな?
彼はECBによる国債の直接買い入れを強烈に否定していますが…銀行支援は約束しており、世界の中央銀行はドル資金の供給を大量に行っています。今回のスペインの短期国債の入札が3カ月物利回りは、前回の5.110%から1.735%、6カ月物利回りは5.227%から2.435%に低下したと言いますね。好調だったと言う背景には、充分な資金供給が約束されているかもしれませんね。だって市場金利が1%でいくらでも資金が手に入るならスペインもイタリア国債もおいしい運用先ですね。

市場では、これから大量に償還される国債の乗り換えリスクが市場でささやかれています。下のグラフがその動きです。でもイタリアの2010年の償還は2515億ユーロで、2011年は1922億ユーロ、そうして皆が気にする2012年は1682億ユーロで、再来年の2013年は1004億ユーロで、2014年は891億ユーロなのですね。スペインにしても2010年は765億ユーロ、2011年は840億ユーロ、2012年は612億ユーロ、2013年は515億ユーロ、2014年は468億ユーロなのです。つまり既にピークは越えていますね。まぁ、来年の前半は山場と言えば山場なのですが…。

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ここでオプションの価格推移を考えてください。オプションは同じ行使価格でも時間の経過により理論価格がどんどん変わっていきます。どんどん現実的な価格になっていくのですね。時間が長く残っていればその長い時間の中で変動する確率は高いから価格も時間価値がプラスされますね。しかし限月が近づいていれば…極端な話、明日が権利行使最終日ならもう現実の価格にさや寄せしますね。欧州危機は同じことですね。長くても来年の2月か3月ですね。つまり年内が時間的な価値を有するタイム・リミットですね。

トロ:お前って色んなことを考えるね。つまりその償還リストを調べドラギの発言から既に欧州危機は峠を越したと言う考え方をするんだね。

かたる:そりゃ、掉尾の一振と言うから来年の2月後まで揺れる可能性はあるが…来年になれば僅か数か月のリスクだからね。あえて欧州危機を煽ることが出来るのかな?株を買うときも同じだが…実際の裏付けが乏しい考え方を支持する馬鹿はいないと思うよ。だからあえて国債の償還などの数字を示したんだよね。日経新聞が騒ぐ報道の仕方は少し異常じゃないかと思っていたが…最後のあがきじゃないの?

時代や:つまり劇的に変化すると言うこと?

かたる:僕はBRICsの成長が日本を救う、世界経済を救うデッカプリング論を信じているが、ここに来て好調な米国経済を見ているとやはり当初のQE2成功論が正しんじゃないかと言う気もするね。新規住宅着工数字もその一つ下のグラフだね。本当はQE3を実施して駄目押しを入れた方が、より確かだと思うが…。もしこの考えが正しいとすれば、今、叩きに行っている米国金融株は二番底を入れている最中で、最後の突込み局面になるね。まだハッキリしないがその可能性は濃厚だよ。来年の株式相場は非常に明るい展望が開けることになるね。

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やはり来年早々に、中国の復活と米国の回復が鮮明になりいきなり強気相場が展開すると言う見方も存在するように感じてきたね。

時代や:だって皆は来年、また欧州危機の話が再熱して、欧州が一段と落ち込み、その影響から中国も失速しBIRCs全般から資金が引き上げられ、米国だって財政問題から景気後退が囁かれると言う見方で世界景気が大きく見方があるんじゃないの?カタルの見方と180度違うのはおかしいよ。

かたる:いや、僕は意外だったの。スペインの入札利回りを聞いて…なるほど…もともとドラギ発言の解釈を間違っていたんじゃないかと思ったわけだね。彼はECBが直接動くのは反対しているが、クッションを置く事には反対してなく、むしろ積極的に利下げを実施したり、短期資金が中心だがドルなどを供給してきたね。更に最近は少し長めの資金も大量に供給し始めていたよ。…と言うことは、ある程度ゆとりのある金融機関は市場のお金を調達してスペインやイタリアの国債に投資することも可能だよ。今回の入札の結果はその効果が出ているかもしれないよ。

そうして最近になって好調な米国統計が連発しているよ。遅行指数の雇用や住宅関連まで動き始めているね。つまりようやく昨年始まったQE2の金融政策の効果は市場に出ているとも考えられるよ。中国はCPIが落ち着き、金融政策を転換し始め…インドネシア、タイ、べトナムからインドへ広がるバラ色時代が来る可能性はあるんじゃないのかな?

そんな風に考えていて実際にイタリア国債の償還スケジュールを見れば峠は越えており、日経新聞と言うか市場が騒ぐほどの事でもないように感じてきたね。戦略を練るには時間の概念は重要だよね。もう峠が近いのに…悲観になることはないね。オプションを例に出したのは分かりやすいと思ったからだね。

トロ:つまりかたるはオプションの時間概念などからみても悲観のシナリオを支持できないと言う考え方なんだね。

かたる:うん。おかしいかな?まぁ、水前寺清子の365歩のマーチかな?1日1歩、3日で3歩、3歩進んで2歩下がる、そんな展開の株式相場じゃないの?

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投稿者 kataru : 2011年12月21日 16:12