未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2011年)(2011年12月22日)

「出来高急増銘柄」「株式指標」はここをクリック。

かたる:欧州危機は僕の頭の中では綺麗に払拭され、封印されたのですが…市場の反応は芳しくありませんね。

時代や:いったい、どういう事なの? まだ格付け会社の格下げは、これから行われるんじゃないの?

トロ:きっと、昨日のオペの話しだろう。それにしてもびっくりしたね。かたるはあの発表を事前に知っていたの?

かたる:まさか…ただスペイン国債の利回り低下を見て…何かあると思ったわけだね。まさか大量にオペが実施されるとは考えなかったよ。でも何故、日本株は上がらないのだろう? 昨日も大きな動きはないし、今日もそうだね。

トロ:それだけ…欧州の銀行は追い込まれていたと言う判断じゃないの? つまり考えられている以上に、内容はかなり悪く銀行は追い込まれていたんだよ。

時代や:全然、分からないよ。二人して、なんの話をしているの?

かたる:昨日、ECBは3年物のオペを実施したんだね。つまり世界の中央銀行が協調して資金繰りを支えると、先日は宣言したね。その言質の裏付けだよ。その金額が何と驚くなかれ4891億9000万ユーロだと言うからね。この金額に驚いたの。通常の規模なら、いくらヨーロ全体だと言っても1兆円も供給すれば良いんじゃないかな?

トロ:でも事前の市場予想では3000億ユーロぐらいだったんだよね。それを大きく上回ったから、いろんな憶測を呼んでいるわけだね。

かたる:僕は知らなかったよ。事前予想でも3000億ユーロも予想されていたのか…どこからそんな予想が来たのかな?イタリアの来年初めの国債償還額を全て合計しても1000億ユーロぐらいだよね。弱気筋はトロのように資金繰り悪化説を予想するんだね。しかしドラギ総裁はゴールドマンサックス出身だし、わざわざECBの直接買い入れを否定し、3年物の期間の長いオペを供給したと言うことは…明らかに実質的な量的緩和だね。

4891億ユーロは、日本円に換算すると50兆円規模だよ。非常に大きなお金を一気に市場に投入しているね。FRBの量的緩和の規模も非常に大きく100兆円規模だが(日本は10兆円規模だね。)この違いをどう見るか? 基本的にベースマネーを50兆円も一気に市場投入するのだから、明らかに量的緩和効果が生まれるね。誰が考えても世界景気にはプラスで、欧州の経済減速は緩和させ、場合によれば浮上するよ。僕のように実質的な量的緩和だと言う意見は他に出てないの?

時代や:あったよ。BNYのサイモン・デリックが裏口からの量的緩和だと述べている記事があったよ。でも欧州危機が去ると言う意見は少数派じゃないの?

かたる:確かに問題の解決にはならずに延命策の一つだね。でも量的緩和はドラギも主張しているが、まだ景気回復の効果があるとは証明されてないとされているが、最近の米国の経済指標を見れば、明らかにQE2効果…と言う説もあるよ。

トロ:それは、お前が言っているだけじゃないの?

かたる:先ず、投機資金が物価を押し上げCPIの上昇がみられ、鎮静化し実際に流動性の確保から景気が刺激されている様子が、今の米国の状態じゃないのかな? 僕は既に物価も鎮静化しているので、FRBはQE3の追加策を出すべきかな?とも考えているね。その方が、より確かだよ。金融危機の影響で金融デリバティブが縮小し、実体経済が縮小している。中国の景気後退が深刻なのは…強烈な融資規制の悪影響だね。その為に経済が急速に悪化している様子が至る所で見られるよ。例えば、ものの動きだね。下のグラフは物流の状態を表しているよ。まだ二桁の12.5%増(前年同期比1-11月)だが…月を追って減速しているね。

s20111222a.gif

基本的に金融危機の影響で金融規制が実施されBIS規制が強化される。昨日の日経夕刊にも載っているが、FRBは自己資本の強化案を義務付けるんだね。つまり銀行の融資や投資が制限され流動性がなくなるので、その不足分を補わなくてはならないよ。今は金融デリバティブによるスピード違反の反省期にあたるんだね。政府も含め、財政問題を問われているが、そのために規律を重視し、厳格化すれば景気は失速しちゃうよ。だからそれを補うために量的緩和はやはり必要だね。ようやく米国が均等化するかどうか…と言う局面を迎えた訳だね。昨日掲げた新規住宅着工件数は底這い状態から抜け出すかどうかの戦いを強いられている。だから僕は住宅支援のQE3を…バーナンキ議長は事前予想通り実施すべきだと思っているんだね。

トロ:つまりかたるは量的緩和が、景気を押し上げると考えているわけだね。

かたる:その通り、景気と言うのはバランスなんだね。お金をばら撒けばいいが…そのばら撒き方が問われるよ。今回の欧州危機のように財政問題を発生させても駄目だし、先ごろのようにCPIが上昇すると、中国のような途上国は政情が不安定になるね。日本も以前、トイレット・ペーパーがなくなる狂乱物価の時代があったよ。でも日銀のようにポーズは駄目だね。お金を大切にしてもデフレを招くだけだよ。デフレで自殺者が増えて鬱病患者も増えている。

明らかに政策の失敗だね。円高で低金利なんだから、もっと緩和策を講じて良いんだね。バランスの問題だよ。市場経済とは効果を見ながら政策を変更するだよ。イタリアの経済成長が鈍く金利だけ上がるのは好ましくないね。本当は為替水準などでも調整すべきだが…統合されており、それができない。この矛盾を突かれているのが欧州危機だね。

確かに今回の量的緩和で欧州危機の矛盾が解決されたわけじゃないが、実質的な量的緩和策は効果があるよ。日銀のレベルではなく、なんと一気に50兆円だからね。量とスピードの話だよ。更に来年2月にも更に必要ならオペを実施すると言っているよ。それも3年だよ。3か月ではない。期間と量、全てパーフェクトの演出、クリスマスプレゼントだね。何故、市場は反応しないの?もう外人売りも劇的に減るよ。

時代や:本当かな?カタルの話はいつも法螺ばかりだからな。信用ならないよ。

かたる:自分で考えてみればいいよ。おそらく来年早々にも、FRBもQE3を実施しMBSを大量に購入するはずだね。流動性が供給されれば景気は必ず浮上するよ。それも中央銀行が供給するのはベースマネーだからね。先進国の信用乗数効果がいくら低いと言っても、結構、効果があると思うよ。中国の50兆円は途上国だったから信用乗数効果は、今回の欧州よりかなり高かった。でも今回のECBも、これは第一弾で2回目の3年物オペは来年2月28日に実施すると言うから、欧州危機は完全に、一時、封印されたよ。

トロ:本当に量的緩和は景気にプラスかどうか…まだ証明されてないよ。

かたる:ドラギ総裁がそう発言して、僕もビックリしたが…お金がジャブジャブになれば通常の景気動向なら資産価値が上がるんだね。日本の場合は、既に清貧思想のおかげで、金融機能が崩壊し、貸し出しも伸びないし、株も下がり続けている。でもまだ欧米は機能するんじゃないのかな?その意味で実験だと…米国の事を、以前、解説したんだよ。

時代や:何か面倒な話だな。一般の人はこの話を理解しているのかな?

かたる:きっと市場が反応しないのは、理解してない市場参加者しかいないんだね。これで株高は決定されたよ。米国に続き欧州も量的緩和に乗り出したんだからね。まさに裏口だね。少し分かり辛くしたのは演出効果じゃないかな? 所詮、株価は需給のバランスだよ。お金がジャブジャブ供給されれば、資産インフレになるし、景気も刺激されるのが当たり前。このクリスマス休みに、50兆円効果をよく吟味すれば良いよ。僕は素晴らしいプレゼントだと考えているね。

人気ブログランキング 「今日の市況」は人気ブログランキングに参加しています。

株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ

投稿者 kataru : 2011年12月22日 16:31