今日の市況(2012年)(2012年09月25日)
かたる:ほぼ1週間の旅でしたね。このところ、カタル君は大きな気持ちの変化があり迷っている様子がうかがえるかと思います。市場原理主義と儒教の精神に基づく日本村社会の狭間にいるわけですね。もともとカタル君の考え方は市場原理主義です。しかし…一般的に信じられている豊かさとは何か?と言う概念に疑問を持ち始めてきたわけです。この背景はこれまで信じてきた市場原理主義のあり方に疑問を覚えているわけです。市場原理では空売りは善ですが…カタル君の精神では悪なのですね。故に長年にわたり仕事に苦しみジレンマを抱え、とうとう株屋を辞めて新しい考えを模索し始めた訳です。勿論、カタルの失敗が重なり、自信喪失になってどん底に落ち込んでいる自分も同居しています。
そろそろIRNETの読者も少なくなり、このページの読者は、昔からのファンと言うか…仲間だけになってきたようでもありますし、かたるの深層心理を語っても良いのではないかと思っています。株屋を辞めたのは、借金を抱え返すために相場を手掛けざる得ませんでした。しかしやはり駄目でしたね。おそらく上記の心の戦いに決着がついてない為でしょう。更に実力もないのでしょうが…。お金もなくなり、働かざる得ずに新聞配達もしましたが、最初は12万から30万になったところを見ると、満更、体力も含め能力的に他人より劣っているわけではなさそうです。そうして体力もある程度できたので、次のステップに向け、心の整理を付ける為に山に登りました。昔に憧れた槍ヶ岳と…日本一の富士山へ。しかし残念ながら、期待する新たな感情は湧き起こらず、依然、気持ちは沈んだままの現状です。
ここにきて心を揺さぶっているのが、山本周五郎の作品でしょう。
「樅の木は残った」「虚空遍歴」そうして、この度の最中に読んだ「ながい坂」。特にこの「ながい坂」は一番、良い出来ではないかな?…と感じます。樅の木は残ったでは、主人公の原田甲斐の忍耐力を見せつけ、虚空遍歴の主人公の中藤沖也は、浄瑠璃の自らの道を模索するのですね。ながい坂の主人公の三浦主水正は、色んな山や谷を越えて自らの道を模索しています。まぁ、何れの作品も人間の生きる道を模索している内面心理が描かれているので、自分の深層心理と似ているから、きっと惹かれるのでしょうね。
挫折して初めて知る敗北感…と言うか…、戸惑う心は面白いものです。最近の小説は働く場所がない現状の世界の描写を良く見ます。事実、カタル君もハローワークに簡単に気持ちで向かいましたが、実際になかなか決まらず、働く場所がないのですね。コンビニの仕事にも不採用で、掃除夫も駄目でした。唯一あったのが新聞配達で、過酷な重労働の世界です。一日、おそらく12時間から14時間程度の実労働時間で…貰う給料は先ほどの水準ですね。まぁ、一応、正社員にもなれたのですが…度々、重なる労働条件の変化に切れちゃって…首にしてもらいました。黙って働いていれば雇われていたのですが…それに、どっち道、仕事を休めないので、今回のイギリス行には辞めざる得なかったからですね。実は娘がイタリヤ人と結婚しロンドンに住んでおり、向こうのご両親にご挨拶もしていませんでしたから…向こうのご両親もこの時期にロンドンに来ると言うから、僕らも観光を兼ねて、ごあいさつの食事会にロンドンまで行ったわけですね。
くだらないカタルの身の上話など、読みたくないでしょうが…カタル君は市場原理主義と儒教の日本村論理の考え方が重要だと考えているのです。相場を考えるうえで…非常に重要なテーマなのですね。やはり歴史的な背景が見えないと相場の流れは見えませんからね。カタル君の今のテーマは日本村論理と市場原理主義の生い立ちや、考え方の違いを見極めることで、この事は僕にとって重要なテーマなのです。例えば、米国のQE3で支えられた相場はどう動くか…? 日銀の対応から日本の相場はどうなるか? これらの利益に繋がる展開を考えるうえで、このテーマは非常に重要なのですね。日本株市場は、残念ながら市場原理主義者の姿は薄く市場には残っていませんが、しかしよく見ると、そう捨てたものでもありません。ただ非常に弱い波動の中で動いているのですね。
日銀の政策会議で円高対応の話が出たようですが…ここにも市場原理主義と村論理の戦いが見られますね。現状の政策の決定権は日本村論理が主軸で動いています。村論理は秩序を重んじる訳ですね。合理的なROEではなく、総資産に対する利益とか…。何故なら、みんなで仲良く食おうとするわけですね。島国なので…その選択を続けました。しかしグローバルになりどんどん市場原理主義が優勢になっています。この精神的な歪みの中で戦っているのは輸出企業ですね。雇用を守る為に生産高を死守する目標で行動をしてシャープなどは敗退しています。ソニーも松下もガラパゴスに特化かな? まぁ、小さく特化し進化するなら、まだ道はあるでしょうが、何れも中途半端な選択ですね。これらの企業はカタルと同じ失敗をしています。空売りを出来ずに買い続けたカタル君と…。

ここでは奇妙な現象も見え始めています。
中国のデモの話ですが、「陝西省西安市。51歳の李建利さんは頭蓋骨骨折の重傷を負った。トヨタのカローラに乗って反日デモの前に飛び出してしまい、袋だたきにあったという。」と言う写真の報道があります。助手席に乗っていた女性がデモの大衆に向かって抗議している写真らしいですね。今回、僕がロンドンで滞在したホテルは、メイフェアのアメリカ大使館のすぐ側にあり、連日、イスラム教徒のデモを見ていたわけです。多くはないのですが…夕方3時ごろから6時ごろまで叫び、日曜日はそれこそ、一日中やっていたようですね。デモは社会の状況への不満の表れです。日本でも原発反対のデモが多発しています。
何やら、感じるのですね。大英博物館に一日近く費やしたのですが…イギリスの発展の歴史は面白いですね。スペインの無敵艦隊を破り産業革命を経てイギリスは発展します。シティーは女王陛下でも中に入るには、ロンドン市長の許可が必要だったらしいのですね。今でも「株制度」と言うのかな?…シティーで取引をする為の権利制度がシティーには残っているのだそうです。義理の息子がロイズの子会社かな? ロイズ本社かな? 良く分かりませんが勤めており、シティーを案内してくれました。彼らは昼になるとビールを飲むわけです。その歴史あるパブで昼食を摂ったのですが…昔からの商談の絵が飾られていました。大英博物館にあるロゼッタストーンなどの歴史的な宝物は、はっきりと言えば略奪品ですね。ロンドン塔で見た王室保管のアフリカの星などもそうなのでしょう。面白かったのは、古代ギリシャの遺産なども多く飾られており、自分達が古くから保存してきたから、このように良い状態で、今でも鑑賞できるんだと…折に触れ強調していることです。覇権に対する米国への抗議、日中の領土問題からの不幸な結果。なにやら見えない糸で結ばれているような気がします。
余り長くなると読む方も大変なので、今日はこの辺で幕を綴じ次回に委ねますが…相場は歴史の変化を微妙に感じているように感じています。皆さんは、一度上がって、株は休んでいるので、再び下がると考えている人がいるかもしれませんが…カタルは久しぶりに強気ですね。三菱UFJ銀行にしても、グリーにしても上がると思っています。株ですから当然、上がれば休みます。しかしFRBの3回にも及ぶ緩和処置は、新興国へのお金流れを先進国に振り向け、やがて溢れ出るおこぼれが新興国に向かうのでしょう。だって良く見てくださいよ。以前、推奨しているカタル銘柄のタカラレーベンも松屋も上がり続けていますね。なぜ、この文章の前に、相場はそう捨てたものではないと…述べたかと言えば…この下げ相場の6月からもヤフーなどは上がり続けてきましたね。このような断片的な動きが、やがて見えてくる相場の流れをより鮮明にするのでしょう。大英博物館にはパルテノン神殿の遺産が多く存在しますが、破壊された断片を集め完成品に仕上げていますね。あのジグソーパズルに似た作業を、市場も続けていくのでしょう。


投稿者 kataru : 2012年09月25日 17:20