未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年10月23日)

かたる:世界の株価はやはり米国を中心に動いているのでしょう。戦後、日本は米国の庇護の下で成長を続けてきましたが、その陰には様々なマジックにより、成長を遂げたのでしょう。一例を掲げれば、安い労働力と勤勉な国民性と言えば聞こえは良いですが、実態は教育の意義を軽視した画一的なロボット化教育により達成された、従順な奴隷制度のようなものでしょう。終身雇用、年功序列は儒教の精神に沿った良い仕組みでしたね。プラザ合意(1985)からベルリンの壁崩壊(1989)はその様な枠組みを壊す「仕組みの崩壊」を生みましたね。リストラクチャリングとは企業の再構築を示しますが、国家的な仕組みを再構築しているのが、このデフレ下の「失われた時代」と言う停滞ですね。下のグラフは日米間のGDP推移です。

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「ベルリンの壁崩壊」は結果的に市場原理主義の拡大を果たし、世界共通化に向け大きなスタートを切りました。ギリシャに端を発したEUの混乱も、どうやら銀行同盟の導入で一元化の道を歩みそうです。チュニジアで失業中だった若者が果物や野菜を街頭で売っていたのを、販売の許可がないと警察が取り締まり、品物を没収したことに若者が抗議する為に焼身自殺したのをきっかけに、起こったジャスミン革命が「アラブの春」として、次々に独裁政治を転覆させ、今ではシリアに広がっています。どうも…中東はまだきな臭く、政情が安定している筈のクェートも大規模なデモが起こっているとか…。更にイランも不安定です。この背景はプルトニウム量が関係し、核保有するためには高純度のプルトニウムが必要になる為に、大量のプルトニウムが必要だとか…。その製作の為にあと6か月ほどイランはかかると推測され、来年の春には必要量を確保できるとかで…仮想敵国のイスラエルは騒いでいるのですね。まぁ個別の流れは兎も角、「アラブの春」はイスラム教への関心を生み、相互理解が深まり世界共通化に向けた考え方の統一に向かっています。

文革で揺れていた時に周恩来の計らいで市場原理派の鄧小平が政権を握った時に、毛沢東が死を迎えるのは、なんとも神様の粋な計らいでしょう。更にこの市場原理体制が確立され始めた時に、金融デリバティブのピークが訪れるのですからね。偶然と言うか、歴史と言うものは面白いものです。金融力さえあれば、ある程度の能力さえあれば、大きく発展できます。お金は道具に過ぎないのですね。山中教授がノーベル賞を受賞し、たまたま理解のある野田さんが政権を担っていたので予算が付き、あのお金は、将来、きっと大きな成果に結びつくのでしょう。問題は此処なのですね。お金が人を支え、その生活環境が豊かな人を育て、人類の未来に発展するのです。何故、私が金融株に拘っているか? 

お金は人を育てるからですね。
孫氏の事例もそうですよ。あの時にシャープの佐々木さんの後ろ盾があり、銀行の支店長が、今では間違いなく背任横領罪ですが…そのギリギリのタイミングで度量のある支店長と巡り合ったから、今のソフトバンクが存在しますね。ハッキリ言って批判されたパラソル戦略があったから、今の低料金の情報化社会が生まれ、日本が先進国の地位を保てるのですね。シャープの佐々木さんや銀行の支店長の好意が、今の日本を支えているのです。

だからこそ金融株が大きく育たないと、豊かな日本の復活はありませんが…ようやくその時期がやってきたようにも感じるのですね。何故か? 一つは国際的にみて日本株は、ようやく国際比較が出来るような水準になってきましたね。株価水準が国際比較できるようになったという事は、日本の仕組みが国際標準になってきたという事ですね。TPPでコメの自由化を認めなくてはならない理由はここにありますね。冒頭に様々なマジックで日本は成長してきたと述べました。このマジックとは米国の庇護で確立された内外価格差ですね。一昔前の日本を振り返ればわかります。何故、安売りをウリにした、ユニクロが世界トップと肩を並べることが出来たのか? 日本のあり方を考えるうえで、非常にいい事例ですね。そのユニクロはようやく1兆円を超える売り上げを達成し、スペインのZARA、スウェーデンのH&M、米国のギャップなどと並び世界トップ水準になったのです。そうかZARAはスペインだね。だからスペイン国債もやはり大丈夫かな?

僕が上京した頃(1989)、株価のPER30倍は安い方でした。多くの銘柄は50倍とかを維持していましたね。その理由付けに株式の持ち合い構造が指摘されていました。だから2006年に新日鉄と銀行の株式持ち合いを、揺り戻しと呼び、かたるは批判していたのです。時代を戻す日本村社会勢力が存在します。村構造の源泉は郵政の資金であり財政投融資の存在ですね。ルネサスを技術保存の名目で、再建に手を挙げた産業革新機構(INCJ)の存在を今週のコラムで批判したのは、このような背景が存在するからですね。ただこの判断は難しいのです。市場原理主義の米国でもGMを救済しています。AIGは金融業で、CDSの大元締めだったので救済は必要でした。金融と言う世界はアイディアの世界で非常に上下が激しい世界です。僕の生活を見れば分かりますね。1か月の生活費が20万の時もあれば、僅か3時間程度の飲み代で20万を使い切るのを可能にするのも金融の世界なら…でしょう。まぁ、故に批判も受けます。

しかし金融デリバティブの存在が共産圏の中国を市場経済に引き入れたのも事実です。領土問題は、ある意味で驕っているようにも見えます。尖閣で敵対する海上保安庁が、中国乗務員を乗せた炎上する貨物船の救助に向かい64名の命を救ったとか…。久々に日中間の明るい話題ですね。是非、この機会を有効に使ってほしいものですね。野田総理が特別機を仕立てて、救助した乗組員を送り届ける演出も有効だろうと考えます。中国はパンダ外交する国民ですから、「郷に入れば郷に従え」で…如何でしょうか? 日銀の支店長会議でリーマンショックに匹敵する経済環境だとか…、中国の観光客相手に商売をする人たちの苦境を考えれば、ピエロになる勇気も必要でしょう。側近の人は早く考えてくださいね。

さて相場はやはり機が熟しつつあるようです。為替の影響もあるようですが、相場は強いですね。この背景は米国経済の好調さにありますね。接近が伝えられる米国大統領選のテレビ討論はロムニー有利になるのでしょうか? 興味深い出来事が満載の今日この頃、巨人の3連敗からの3連勝など…ほのかな明るさも感じられます。

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投稿者 kataru : 2012年10月23日 12:34