未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年10月31日)

かたる:とうとう日銀は資産の買い取り基金の枠を2か月連続で増やしましたね。政府の要請が事前に20兆円と伝わっていたから、面子を重んじた結果と受け、市場は戸惑っているのでしょう。異例の政府との共同声明で一体感を演出し、貸し出しに対しては無制限とか…。でも銀行には自己資本比率規制がある訳で、無制限の貸し出しとは言え実際は制限が設けられこの政策の意義は感じられませんね。仮に銀行は貸出枠に余裕があったとすると…日銀は貸出債権を担保に取るのかな? この点は勉強不足で分からないのですが…。まぁ、どちらにしても預貸率の全国平均は70%を割れているので貸出枠の問題ではない筈ですが、都市銀行は常に、ひっ迫状態なのかな?この点を調べてみないとなりませんね。地方はお金が余っているのですが…全国平均は69%ですが東京は98%なのですね。ただ都市銀行は、最近ようやく国際基準の自己資本比率(BIS規制)をクリアできたばかりなのです。だからやはり絵に描いた餅の様な金融政策で、演出効果だけのような気もします。本来の金融政策はFRBのように100兆単位で、日本の場合なら50兆円単位で行わねばなりませんが…、チビチビやっているから時間の浪費になるのですね。

危険資産の購入も僅かだし、国債買い入れも短期国債の比重が多いですからね。この点はFRBと全然違いますね。FRBは政策の目標を明確に示し、実際にそれに沿って行動していますが、日銀は何か顔色を伺い自信がないような…小者が失敗を恐れて行動している印象を持ちます。長期国債の買い入れと言っても償還期間の短いものを選んでいれば効果は薄れますね。それにしても、何故、日銀は2006年の時に、あれほど資金を引き揚げたのでしょう。ここの疑問に日銀は応えねばなりません。金融の世界は市場原理主義で動いているのだから…株価の変化に注意を払わねばならない筈ですね。三重野さんの失政を全く反省していません。澄田さんの間違いを考慮するなら、同じように三重野さんの失敗を生かすべきでしょうね。ETFの購入の仕方も姑息です。小者のやる事ですね。高くなろうとも安くなろうとも政策の目標は流動性の罠を抜け出す事ですから、一貫して強い姿勢が望まれる訳ですね。大蔵省(財務省)もそうですが…、個人的な立場でものを見ているから姑息な考え方になるのでしょう。もっと大局観を持った大きな姿勢で政策を行わねばなりません。

話しは違いますが、メディアもそうですね。石原さんが「政策の一致など些細な事」と述べた言質を逆手に取り、攻撃する人間が多すぎます。僕には石原都知事の意見がよく理解できます。自民党も駄目だし、民主党も落第点なら第三の勢力に賭けるしかありません。だから中央政権体制の打破を石原さんは述べているのでしょう。僕が地方分権を支持している理由は、国家規模で動かすのは難しいから、予算を地方に移せば、何処かの地域は必ず規制緩和で元気になると思っているからです。そうすれば、我も我もと、他の遅れている地域が真似をするから道州制を支持しているのですね。本当は石原さんの言うように中央管理体制を打破できれば一番いいが…、明治維新以来、いや江戸幕府以来、永遠と築かれた血脈の構図はなかなか崩せませんね。だって…つい先日ですよ。細川さんの政権が生まれたのは…日本人の心の中には、やはり武士道などの精神は生きているのでしょう。

さて日銀は再びマネタリーベースを増やすので、株価は当然、騰がる訳です。米国株が世界の景気情勢が悪いのに、株価が上がっているのは、まさに需給バランスにありますね。それでは米国のケースをマネタリーベースと株価の関係をみますと、下のグラフのような関係になっています。如何でしょう。不思議なことに2000年8月から米国株価は2.5で割高水準になっており、その後は一貫して比率は下がっています。本来ならマネタリーベースを増やすべきだったのでしょう。丁度、この時期は金融デリバティブの全盛期に差し掛かります。基本的に市場が先行し実体の金融体制が後になって追いついたのが、金融危機だったとも言えますね。株価と通貨の関係では必然的に金融危機が起こるようになっていたのでしょう。つまり実体の金融体制が市場に追いついてなかった制度上の遅れだったという見方が成り立ちます。金融デリバティブにより一気に国際化が進んだのに…基軸通貨体制がその変化に追い付いていかなかったので、修正を迫られたわけですね。大恐慌時代との比較はできないのは残念ですね。なかなかデータが揃わずに…その検証は出来ませんでしたから、この仮説は信頼に欠けますが…。一理あるでしょう。だから基本的に米国の株価は環境が悪くても横ばいで、過去のケースから考えFRBが極端に資金を絞らなければ、株価は上がり続けるのでしょう。だからこそ、2006年の日銀の行動が不可解なのです。時代を後戻りさせる現象だったのですね。つまり過去の形態に囚われすぎたのでしょう。既に時代はグローバルなのですね。このグラフは米国のSP500をマネタリーベースの数字で割った推移ですね。SP500はTOPIXと同じで時価総額ペースになっていますから…その指標を用いました。

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日銀が金融緩和に踏み切った以上、日本株は国際的にみて割安なので騰がる筈ですね。一過性の下げと思われる米国発の「財政の崖」の洗礼が済めば怖いものはないのですが…果たして本当に洗礼が行われるかどうか分かりません。大勢観は強気一色なのですが…そこに若干のアヤがあります。このアヤに拘るか、どうするかは個人の自由ですね。カトリーナ級と言われたサンデーは既に通過し、現職大統領に有利に働いたのかどうか微妙な情勢です。もしカトリーナの様な大規模なら現職の強みが強調される可能性がありましたが…神様のさじ加減は微妙な情勢で…やはり雇用統計などが影響を与えるのでしょう。本来のカタルの予想は既に米国経済は完全復活しているから…何しろシェールガスの効果は大きく、金融政策は文句がありません。だから来年はバラ色。故に白人のロムニーが復権するとの民族論を採用しています。そのシナリオで行くなら日本株も政権が交代になり一気に環境が整う可能性があります。ただ石原氏は尖閣に拘る人ですからね。ここが問題です。だから…やはり運命説なら石原さんは第三の勢力候補にはなりませんね。

今日のニュースはUBSが債券から撤退することですね。この意義はすごいですね。経営者とはこのような決断をする人が経営者なのでしょう。普通はしませんね。この経営者の決断の意味をよく考える必要性があります。つまり株式の時代がやってくるという事なのですが…何故、セルジオ・エルモッティ氏(UBSのCEO)が方針を大転換させたのか?この辺の背景はカタルが現在考えているレポートのマネタリーベースの伸びが関係していますね。既に債券の時代は終わりを告げたのでしょう。日本の銀行は方針転換をせねばなりませんが…果たして日本の社長は彼のような決断を下せるかどうか…。ボーダフォンは孫さんに2兆円で日本法人を売りましたが、その資金をアフリカに振り向けたのです。その為にケニアで大成功をおさめ現在の地位があります。このようなドラスティックに経営方針を展開できる人間が経営者として相応しいのでしょう。その様な器の人間が、日本に何人いるのでしょう。経営行動とは、戦略から考え抜いて大胆にリスクを取る事を言うのですよ。白川さんはこのような経営者を見習うべきですね。当然、政治家も同じでしょう。

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投稿者 kataru : 2012年10月31日 14:05