今日の市況(2012年)(2012年11月02日)
かたる:カトリーナより被害が小さい筈のサンデーは、NY市街の地下鉄交通網を寸断しメディアの取り上げ方に変化が生まれているようですね。市場原理が浸透している米国でもメディアによる心の誘導は有効だろうと考えられ、オバマ大統領の再選はやはり有利な情勢のようです。覆るとすれば雇用統計ですが…この数字はシェールガス効果などもあり改善の方向なのでしょう。おそらく米国経済の完全復活はあと1年半ほどなのでしょう。私の民族論的な考え方は古いかな? でもやはり血脈と言う考え方は、本能的にあると思うのですね。ちょうど4年前、初の黒人大統領の誕生を見て、僕は困難な時代だから汚れ役を負わせたんだな…と考えましたね。南アフリカのマンデラさんのように偉大な政治家も居りますが…やはり人種問題は本能的に人間内部の深層に存在すると思っています。やはり古いかな?
今でもボルガーとグリーンスパンの対立が話題になるように、金融機能の立ち位置は微妙な情勢です。マネタリーベースを主題にして、経済をここ2週間ほど見ているわけですが、興味深い事実が次々に明らかになり、やはり通貨量は興味のある課題に違いありませんね。貨幣乗数効果の変化も実に面白いものですよ。
今日の日経新聞には滝田さんが日銀の新政策後の予測記事を書いていましたね。「円・キャリー効果」の話しですが…今では藤巻さんの仮説が、ある程度、一般化しています。彼の主張は円高悪者説ですね。しかし貿易収支に占めるGDPの割合はそれほど多くありません。でも貨幣乗数効果と同じで、日本の経済に与える影響はかなりあるのでしょうね。しかしこれだけに焦点を充てるのは、時代を揺り戻す効果だけで対処療法に過ぎないと考えていますね。震災現象を生かす方が、時代に沿った政策だとも考えています。
つまり内需振興です。日本には1500兆円の個人資産が存在し、1%の消費が増えるだけで15兆円もの経済刺激が生まれます。ここですね。今の日本で豊かな世代は団塊の世代を少し超えた世代です。つまり昭和1桁生まれから10年代に生まれた世代は、比較的、裕福な成長期を歩んできました。何しろ現役の頃は、日本の成長期にあたり努力すれば報われましたね。石原都知事もこの世代です。だからあの発言が生まれますね。「今の若者がだらしがないから…」云々と…。いつの時代でもそうですが…、今の時代もリストラクチャリング、仕組みの再構築の時代なので、ある程度のチャンスはありますが、デフレの環境下なので狭き門ですね。時代の流れをうまく掴めば大きく浮上できる可能性があります。いつの時代もそうですね。体制の転換期は激流ですから、チャンスはあります。
話しがそれましたが、この豊かな世代の消費が増える環境が間もなく訪れ、文化の香りがする新サービスが続々生まれるでしょうね。ここにビジネスチャンスがありますね。実はソフトバンクも、たしか唾を付けていたはずです。あの会社は、ネット大学を持ってなかったかな? …昨日かな? 最近は図書館の利用が盛んのようで、この読書離れの時代なのに貸し出しの数量が大きく伸びているとか…。時代背景を考えると、貧しくなった為に図書館を利用する背景があるのでしょうが…。それと同時に時間を楽しむ世代が増加している現象でもあるのでしょう。僕もそうですが、いい本に出会える確率は低く、駄作が多いのですね。本を読んで感動する割合は、それほど多いとは思えません。映画もそうですね。レストランのミシュランガイド版のサービスはいろいろ考えられますね。ブランドとは、信用評価で、この信用を確立するためには時間が掛かります。だからブランドの価値は高いのでしょう。
「ブランド」の背景には歴史的な価値がある訳で、本物でないと愛されないわけですね。だから、きっと長い下積み期間が存在するのでしょう。僕は良く知りませんが、ピカソにしてもそうなのでしょうね。先日のラジオでバルセロナの観光を話していたのですが、バルセロナには、ピカソ美術館があり若い頃の作品が多く存在するとか…。もちろん有名なのは晩年の作品なのでしょうが…。そのラジオではミロの話しも出ていましたね。ミロの美術館もあるとか…両者ともスペイン生まれで、スペインのバルセロナと言えば…ガウディと言う有名な建築家が居ましたね。たしかダリもスペイン生まれですね。何れも独創的なセンスですね。だから今は、沈んでいるスペインは、やはり数十年後は、きっとまた栄えているんじゃないかな? 歴史観とはこんな発想なのでしょう。株の世界では大きく売られたところが、買い場になるケースが多いですね。だからパナソニックもシャープも可能性はありますが…まだまだ先は見えませんね。
昨日、私は包括利益の話を持ち出し、パナソニックとソニーの話題を書きました。表面上の会計利益はいくらでも誤魔化せます。会計士の判断で、かなりの裁量の幅があります。厳しく見ればパナソニックのように、だからソニーはおそらく、あとで再び減額修正をするのでしょう。この半年で、収益ペースで劇的に変わる可能性があるのは、金融のセクターぐらいのものでしょう。
さて寄り道は、この程度にして、本題の「円・キャリー」への結びつきですね。日銀の新しい金融政策が焦点になっており、貸し出しなのですが…日経の滝田さんも書いていましたが、やはり片手落ちですね。僕の疑問に答えていませんね。いくら市中銀行でも無制限に相手の銀行を信頼して、貸し出しを行うでしょうか? 記事によればノンバンク経由の話が書かれていましたが、ノンバンクへの融資規制もグループ内の比率を下げる為に、これから行われる予定で…あのアイディアの実現性はどうでしょう? 自己資本比率規制の話しも書かれていましたが…やはり日銀は担保を取るんじゃないかな? この担保の形がどのような形なのでしょう。僕はこのような仕組みに疎いから、誰か教えてくれるとありがたいのですが…。この手の解説がインターネット上にあるかどうか…?一度、調べないとなりませんね。果たして…存在するのかな?
実は、僕はレポートを書くにあたり、いろいろ検索もかけますが、多くのデータは政府機関のものからの引用です。日経新聞などがヒントになり背景を探るのです。ニュースやテレビの番組がヒントになることも、小説がヒントになることもあります。そのヒントを展開させる空想の世界は、カタル君がお得意の連想の仮想世界です。しかしこの分野ではマズマズの能力だと思うのですが…他が全くダメなのですね。英語も数学も…。この年になり自分の性格などの弱点も、ようやく分かるようになってきました。実は株式相場と言うのは発想の連続なのですね。所謂、アイディアが金融の世界では、無尽蔵の利益を生みます。独創的なアイディアを試すのがデリバティブの世界ですし、アルゴリズム投資も同じく独創的なアイディアを検証して、実践できるか考えるわけですね。要するに、一つのヒントを応用して相場を考えるのです。
カタルのレポートが、よく脇道に逸れ、寄り道をするのを皆さんは読んでいるわけです。僕は単に連想ゲームを、僕の経験の中で展開しているだけの話ですね。しかしその話を読むことにより、自然に皆さんも相場観が養えますね。僕の経験値は…そうだな。100億円程度を飛ばした実験で、得られた経験値が加味されているわけで…証券界でファンドなら別でしょうが…あまりこのような経験をする人はいないでしょう。100億はオーバーかな? 現役時代は短いですからね。例えば…、今の仮説はマネタリーベースが増えると株価は騰がるというものですが…。間もなくご理解いただける段階になってきます。今回の日銀の政策は、その路線を拡大させています。FRBもそうですし、ECBもそうですね。要するにベルリンの壁崩壊以降、拡大した市場経済に資金供給が追い付いていなかったのです。先日のSP500とマネタリーベースの関係は、その様なグラフなのですね。株式市場は現実の市場経済の映しですし、マネタリーベースは実際に流通しているベースマネーですからね。
10月31日に掲げた上のグラフは非常に大切ですね。皆さんは深く考えないで、ただ両者の関係をこんなものか…と思ったでしょうが、良くご覧になってください。おそらく1993年頃から大きく株式価値が上がっていますから、それまでは1程度だったものが一気に2.5まで拡大しています。この背景はおそらく市場経済圏が、ベルリンの壁崩壊により急速に拡大したとも考えられます。それは一体、何が原因なのでしょう。私はベルリンの壁崩壊は、新興国、つまり中国などが共産主義を捨てて市場経済へ移行したとの説に立っていますね。その動きを加速したのが金融デリバティブの存在です。実際のマネタリーベースが増えないから、金融デリバティブが代用されたのです。
この仮説を裏付ける為に、世界銀行から中国のGDPのUSドル換算のグラフを持ってきました。IMFのものは、残念ながら1980年からのデータしかなく、客観的に分かり辛い為に世界銀行の資料を用いました。下のグラフは中国のGDP推移と成長率を示したものです。レポートのグラフを作るのも手間がかかりますね。英語が分からないので苦労します。ここで先ほどのブランドの話ですが…、このような正確な資料の提供などの姿勢を通じて、皆さんはカタルのレポートは、裏付けがあると評価するのですね。だからブランドの生成は時間が掛かり、同時に高い付加価値が生まれるのでしょう。余談ですが…。ブランドとは事前に実績を示し、他人がその評価を評価するのですね。ミシュランも同じなのでしょう。あくまでもブランド評価は客観的な査定なのでしょうね。歴史認証に裏付けられたものが勝ち取る付加価値か…。
話を戻すとカタルの仮説を裏付ける資料ですね。確かに中国のGDPは1993年頃から急速に伸びていますね。だから市場経済の価値である株価は大きく上がったのですね。しかしお金の伸びはそれに追いついていなかったので、金融デリバティブが盛んになっていったのでしょう。
ここで関連付けてくださいね。ブラック・ショールズの発表は1973年ですが、実際に金融界で応用され始めるのは1980年代のソロモン・ブラザーズ(シティー)です。その応用理論を売りにして募集したファンドがLTM(Long-Term Capital Management)ですね。この運用開始が1994年でしたが、破たんしましたね。でもその頃から加速したのです。どうでしょう? 僕の最初の仮説が、次々に実証で裏付けられています。1993年頃に中国で、何かが起きたはずです。思い出すのが鄧小平の南巡講話の話です。調べてみると1992年1月から2月となっています。ほら~ね。話しが繋がりますね。つまり株価とマネタリーベースの話は、辻褄が合うのですね。もう少し展開しなくては…。
そろそろ時間が無くなってきました。読む方も大変ですからね。僕も集中力と言うか、考える力がそろそろ疲労とのバランスで疲れてきましたね。又にしましょう。今日はこの二つのグラフを掲げておきますね。折角、データを集めたのです。
実は僕は今、アルゴリズムの応用を考えておりデータを毎日蓄積している所なのですね。この壁ももう直ぐ突破かな? 山中教授はラッキーなのです。僕の場合はいつも仮説を打ち立て実証研究していく段階で行き詰るのです。今度の発想はどうかな? 今日はその一端を少し解説しました。一つのグラフから色んなことが見えてくるので奥が深いのです。丁度、恋愛の関係にも似ています。何気なく投げかけられる言葉には意味があることがあるのですね。微妙な心の揺れ具合には、面白い人間の深層心理が働いているのでしょう。
投稿者 kataru : 2012年11月02日 15:13