今日の市況(2012年)(2012年11月16日)
かたる:昨日、湯沢は雪化粧をしていると…母の住んでいる長岡に帰った妻からのメールが届きました。義母は先日81歳の誕生日を迎え、紀尾井町のホテルオータニで誕生会を兼ねた昼食会を、孫(僕の子供)と共にお祝いしたのです。毎年の儀礼的な行事だったけれど、このような機会を大切にしないと核家族化している家族のきずなが、年々希薄になってしまいます。出来れば娘も呼びたかったけれど…イギリスでは仕方がありません。やはりお金は必要ですね。いくら人生の価値観が変化したとはいえ、人並みの生活は維持しなければなりません。
しかし驚きましたね。滞っていた国会審議は、赤字国債発行法案をはじめ、衆院0増5減案から年金法案の改正などが、解散総選挙を決めた途端に動き出した様相を見て、改めて政治家と言うのは、法案などを政争の具にして権力争いを演じているんだなぁ~と感じた次第ですね。彼等の感覚の中には「失われた時代」である空白の20年間の反省は、全くないようです。世間の仕組みを考え悩むのは、株が下がりっぱなしの株屋ぐらいのものでしょうか? でも「苦労は買ってでもしろ」との諺は生きているようですね。何しろ人生が上手く行っているときには、努力をしなくなりますね。挫折したり、上手く人生が行かなくなると、どうにかして今の状況から脱出しようと努力しますからね。ぼくはそろそろ脱出したいなぁ~。
新政権の代表に選ばれた習近平氏は、お父さんの習仲勲が文化大革命時に粛清され、陝西省延川県に下放されたので、彼は少年時代に洞窟生活を余儀なくされました。鄧小平が復権すると習仲勲も1978年に復権し活躍します。時代に恵まれたのは、陳良宇の上海汚職が表面化し問題となり、2007年から上海市党委員会書記になった時に上海派閥(江沢民の勢力部隊)の知己を得たのでしょう。この実績が今回の人事に結びついたのでしょう。しかしそれまでの経歴は、親父さんや二度目の奥さん(彭麗媛=歌手)の力が大きかったと言います。チャイナ7の人事を見ると…江沢民色が強く、胡錦濤派は4年後に託したようですね。一部で期待され、政治改革に最も力を入れてきたと言われる李源潮党中央組織部長と汪洋広東省党委書記は選出されませんでした。ハッキリ言って江沢民の傀儡政権の延長ムードのようです。試練をかいくぐってきた老人パワーは強いですね。石原さんを見ても分かります。
結局、権力闘争は経済力の差が色分けを決めたようです。政治改革は叫ばれましたが…汚職勢力の勝ちですね。一方、今回の人事で5年間の政策運営は難しい綱渡りを演じるのではないか?と考えています。何故なら、国民の不満の格差是正は、人事から見ると後退しています。故に対日戦略の強硬派が勢力を得るかもしれません。反日デモの根底には格差を問題にしており、権力の温床である土地の強制収用問題が背景にあります。共産党の一党独裁支配体制を問題にしていると思われるからです。つまり対日デモは、共産党打倒のダミーであるデモ活動とも考えられます。だから政治改革が後退すると、対日デモに焦点があたるかもしれませんね。もともと尖閣問題は中国の国内要素も大きいのでしょう。
昨晩、安倍さんと経団連とのニュースを見ました。どうも成長路線をとるようですね。仮に自民党政権が誕生すると、安倍さんは小泉氏の後継総裁に任命されたぐらいですから…おそらく市場原理派で、靖国にも参拝しています。インフレ目標を掲げるターゲット論者でもあります。故に昨日、16日の相場は円安になり株高になっています。12月中旬まで私は米国の財政の崖の洗礼相場が展開されると考えていたわけですが…、このシナリオは市場のとって悪くありませんね。もともと上昇相場はタンミングだけの問題だったのです。構造改革が行き過ぎた最終版を迎えている所に、200兆円の大盤振る舞いの財政投資計画は、ムードだけで大きな心理効果を生みますね。果たして当初のカタルのシナリオを修正するべきなのかどうか…難しい選択ですね。
もう少し余談を続けましょうか…ノルウェーの仕組みがNHKで紹介されていました。良い仕組みですね。学生時代に子供を産むことができるなんて…。社会が子供を宝にして支援していますね。誰でも1歳未満は育児休暇により親が子供を育て、1歳になれば保育所が整備されており、充実した子育て支援に重点を置く、社会の仕組みは素晴らしいですね。ノルウェーの一人あたりの付加価値生産力(GDP)は高いですね。民主党が設立した時に、せめてこのような仕組みを構築して置けば…政権維持ができたかもしれませんね。鳩山さんは基地問題で、菅さんは原発選択で、野田さんは消費税の成立は意見が割れますが善しとしても、外交問題では大きな汚点を残しました。
今日の相場も高いようですね。この背景は日銀の貸出枠の増大も働いているようです。記事によれば同額の支援が得られ、海外債権にも使用できるとの事です。つまり邦銀は0.1%の借り入れで、5%~10%の貸し出しを出来るのですね。良いな。マジックが至る所にあります。何故、習近平さんなど上級幹部の共産党職員がお金持ちになれるのか? 簡単なことですね。仮にミャンマーがタイのように急速に成長するなら、この日銀の仕組みを使って、一番は産業開発をするのですね。お金は権力により無尽蔵に出てきますから、それを利用してお金を10倍、20倍に増やせますね。日本でも同じことですよ。仮に低利融資をして、みずほ株を買えば、金利を2%~3%程度払っても1%以上は抜けますね。100億円なら1億円、裁定取引が出来ます。つまり、いくらでもお金は稼げます。
特にタイを見れば分かりますが…新興国の通貨は強くなり経済成長率は高いですから、基本的に高金利ですね。だから外部から資金を投入すれば、大儲けなのですね。故に中国にベルリンの壁崩壊で鄧小平が主導権を握ると、一気に外貨が流れました。この外貨を梃にして中国は固定資本形成を主体に成長してきましたが、中国の今までは、このような資本マジックは利用できましたが、これからは大変ですね。日本が内需拡大を叫ばれても、なかなか構造転換できずに、ついにバブルが崩壊したように…中国もGDPの構成を変える構造転換をしなくてはなりません。2016年に米国のGDPを抜き世界一に躍り出ると推測されていますが…どうなるでしょう。
日本株を考えるに辺り、この資本マジック、日銀の無尽蔵による貸し出し支援が円安方向に生きるのかどうか?これから実験が始まりますね。これは見所の一つです。カタルが特集を組んでマネタリーベースと株価の関係を考えた背景を、来年になれば、皆さんも理解されるようになります。Jトラストを成功事例として、何度か登場させているのは一つの意図が背景にあります。気付きましたか? IRNETにはいくつかの隠し言葉が散りばめられています。僕自身、迷っており、どう結論付けて良いのか分からない課題があるので余韻を残しているのですね。今の仮説は12月中旬~大統領教書演説の1月20日だったかな?それまで株価は「財政の崖」を懸念して低迷すると言う仮説ですね。この説によれば、今の自民党安倍政権の歓迎ムードは、早晩、消えることになります。
しかしカタルは、もともと久しぶりに強気になっているのですが…需給バランスが難しいと思っているからですね。日本株の大半は、外人投資家の動向が方向性を決定しています。加えて日本の投資家には力がありません。故に本国の株式が弱くなるのに…他国の株を買う道理はありませんね。ましてや米国はシェールガス革命が控えており、飛躍期を再び迎えます。最後の試練と言うか財政問題は、目先はやはり大きな課題です。だから後方支援が期待できない相場は、予兆に終わると考えていますね。しかし需給バランスの読みは難しい。もう直ぐそこにスタート地点は来ている訳であり、既に1年8カ月を過ぎていますね。この数字の意味は、前回のマネタリーベースを前年度比10%以上の伸ばしたのが2001年9月だったのですね。それから実際に相場が底を打ったのが、2003年の5月です。この期間を示しており、今回の緩和は実際の表明は2010年の10月ですが、実際にマネタリーベースが10%以上伸びるのは2011年3月からです。ただ分からないのが前回は相場が上がってもマネタリーベースは伸び続けていましたが、今回は今年春に減らしていますね。この時間的な感覚が相場にどう影響するか? およそ7か月間、日銀は緩和政策を鈍らせています。故に実際の相場への影響がズレルかもしれません。
懸念はいくつか存在します。チャート論でも明確な支持線が描かれていませんね。ひょっとすれば下値ボックスを抜ける前に、一旦下に押し最後の弾みを演出するかもしれませんね。よくある事ですね。だからソニーの株価は、ここしばらく非常に注目されるのですね。僕は改革の意図を感じられないから、500円までの下落もあり得ると踏んでいるのですが、逆にこの下げが買い場になり、新しい相場がスタートするかもしれませんね。それは現時点では分かりません。ソニーの努力と世界経済の行方が加味されるからですね。ここで先ほどの余韻、暗示の話ですが、Jトラストとソニーを登場させ、更には最近はグリーに傾斜した理由は分かりましたか?
実は、この銘柄関係の見えない糸は、市場リスクと個別株リスクの話を隠しているのです。市場には上昇エネルギーが乏しく、どの銘柄を採り上げても無駄じゃないか?だから邦銀の上昇を待たないと相場にならないとも、考えていたのですね。ところが…業績がよく、ある程度の背景が存在すれば…非常に緩慢ですが上昇する銘柄が存在するのが、昨今の相場環境なのですね。通常、証券マンが食えるようになるには、この株価上昇確度がもっと高くないと駄目なのです。折角、良い銘柄を紹介し、取り上げても相場にならないうちに萎むようでは、証券マンは食えませんね。証券マンが食えないという事は、経済が停滞しているという事です。Jトラストは2年以上もかかっています。
カタル銘柄の中で一時、成功しかけた鬼ゴムは、相場らしい相場になりませんでした。通常はあの業績の伸びであれば、4ケタを駆け抜けるのです。ところが相場は伸びずに…景気後退に入る。これじゃ振幅がなさすぎますね。つまりグリーもDENAもそうです。この伸びは、いくらゲームで一過性の伸びだと指摘されても、夢の部分(海外売り上げ)があるので、もっと買われても良かったのです。ところが相場が、何れも伸びませんでした。つまり市場参加者は少なく、あまり儲からない相場だという事ですね。何故、カタルが邦銀に固執するのか? この辺りにカタル君の意図があります。マネタリーベースと株価を指摘しているのも、同じ意図ですね。見えない糸をカタルの意図で、結んでいるわけですね。市場には、このような見えない糸が沢山張り巡らされて、相場が形成されています。明日は相場が強くなっているから、弱気の見通しを…「一抹の不安」に焦点を充て、チャート論から展開しようかと考えています。
投稿者 kataru : 2012年11月16日 11:51