未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年)(2012年11月22日)

かたる:株式市場は常に「選択のパラドックス」に苛(さいな)まれます。今は非常に難しい局面なのでしょう。昨日も証券マンの友達から電話がありました。考えてみると電話が来るタイミングは、いつも選択の難しい時が多いですね。これまでは…いつも無理やり選択をして失敗していたのが、現役時代でしたね。ただ今回はかなり様相が違います。先ず、世界最大のGDPを誇る米国の景気動向が、かなり素晴らしいのですね。昨日はシェールガスの認識を少し書きましたが、実際に昨日発表された新規失業保険申請件数を見れば完全にピークアウトしている様相が手に取るように分かります。まだ失業率が高いのですが…既に新しいステップに入っていることが分かると思います。何故、敢えて目先業績が悪化しているホンダを参考銘柄にしている背景の理由が、ある程度は理解されると思います。

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ただ企業と言うのは面白いもので、利益を隠す事も良くあるのですね。昨日はブリヂストンの決算数字を見てもらいましたね。別にデンソーでも構いませんよ。通常は潜在的な負の遺産の処理を優先させるから、実際の本業がいくら好調でも、直ぐに決算数字に反映されないことがありますね。つまり会計上はタイムラグが生まれます。この辺りの感覚は企業姿勢も関係あり難しいですね。丁度、パナソニックとソニーの関係です。今回の決算ではパナソニックは損失を先に計上していますが、ソニーはある程度、隠していると思いますね。この場合は悪くなるケースですが…良くなる場合も同じです。

更に米国の車業界は、急激な金融危機で販売が落ち込み、買い控えが起こっていましたね。その更新需要だけでも大きいのに…時代変化で技術進化も大きくなっていますからね。ただシェールガスによりエネルギーコストが下がると、何も燃費効率のいいHVなどが必要なのかどうかの見方は分かれますね。そうすると電装化した部品企業の企業業績が、これまでは危惧されていましたが…(何故なら、EVではピストンなどの燃焼機関が必要なくベアリングをはじめ車の構造が変わるから、部品会社の業績の伸びが変わりますね。)その時代変化の業績への読みが変わります。

色んなパターンを考慮せねばならないので、自動車業界の業績の読みは複雑化し更に難しくなります。ただ言えていることは、確実に米国の自動車販売台数は増えるという事です。新規失業保険申請件数からも景気回復が確認され、米国の成長と消費拡大が世界景気を押し上げることが分かりますね。ただ厄介なのは、金融はまだまだ後処理していることですね。日本のケースもそうですね。何となく…あるシナリオが浮かんできますね。先日、僕はある現象に気付き、何故、このようなことが起こるのか? 分からなかったのですね。

それは2003年の安値を今回、割れている企業が三菱UFJと野村証券なのですね。しかし何故か、みずほや三井住友は割れていません。この現実をどう解釈すべきなのでしょう。野村は金融グループですが銀行と証券の違いがあるから、ある程度は分かります。しかし三菱UFJが割れているのに、何故、みずほは割れずに…三井住友も割れていないのでしょう。2003年時のみずほは倒産が叫ばれていましたから…過度に売られ過ぎたのかもしれません。しかし…そうかUFJの合併は2005年ですね。だからグループ企業の持ち合株のバランスが崩れたのでしょうね。

さて冒険ですが…(なにしろ金融セクターはいつも何処かに爆弾が隠されている可能性がありますからね。)チャートなどを見ると、やはり野村証券に軍配が上がりますね。何故なら、2003年の安値からの下落率が最も高いのが野村証券だからです。野村がバブル期以降最大の安値は1998年の805円でした。2003年の時は1087円ですね。その後、大規模な増資を二度しています。417円と568円ですね。こうして自己資本を補いましたが…その後、収益を辛うじて黒字を創っている印象を続けています。

何故、この会社が恐いのか? 毎年、フローでは赤字状態を続けていたのですね。営業キャッシュフローが毎年赤字を続ければ、借金で補うしかありませんね。つまり明らかに自転車操業なのですね。2004年から、なんと8年間も営業キャッシュフローは赤字を続けているのです。本業の稼ぎはなく財務キャッシュ、つまり野村ブランドで借金を続けてきたのですね。そうして何をやってきたかと言えば…その間、次々に資産を買ってきたのでしょう。金融危機時にリーマンを買い、その後も米国を中心に投資しています。2007年が5338億円、08年が1020億円、989億、2696億、2010年は4232億円で合計1兆4275億円です。問題は中身ですね。未だに米国金融の多くは過去の清算をやっています。だから野村も痛んでいる可能性が非常に高いのですね。ましてやリーマンですから、相当にレバレッジをかけている可能性もあります。つまり簡単に倒産する可能性もあります。逆に米国が急激な立ち上がりを見せる筈なので…一気に利益が膨らむ可能性もありますね。要するに中身は当事者しか分かりませんね。

しかし…株価のセオリーは株価が安くなることが最大の好材料なのですね。だから4ケタに向かって一直線に進むことも充分に考えられますね。此処が思案のしどころです。安全なら「三菱UFJ」、少し冒険で「みずほ」、博打なら「野村証券」と言う金融セクターの選択が成り立つのですね。勿論、投資方法には別の視点もたくさんあります。ホンダを選択する方法、昨日指摘した世界景気の回復からシリコンの需要を見込み信越化学ではなくSUMCOを選択する方法もありでしょう。勿論、グリー、DENAなどの選択も…、しかし相場が1週間継続しているために、多くの人は空売りを考えます。しかし…この考え方は、どうでしょうね。何故、カタルが久しぶりに熱を入れてレポートを書き、わざわざ継続してマネタリーベースと株価の特集を持ち出しているのでしょう。

何度も述べてきました。株価は今が底値だと…。しかし底値だが、直ぐに上がるかどうか…時間が分からない。と述べてきましたね。でも絶対に2015年には大きく株価は上がっている筈です。何故かと言えば、りそななどの金融機関が完全復活するスケジュールがその時点なのですね。だから、その時期は間違いなのですね。でも途中で株価はいくらか振れる可能性もありますが、どっちにしても下値不安は少なく、時間だけの問題です。故に先週から始まった株価波動は、5分5分との見方で相場を眺めており現物なら買っておけばいいと述べていますね。今日は圧倒的にチャートが強い野村証券を中心に解説してみました。

「もうはまだなり、まだはもうなり」

241円から下値を4回に渡り切り上げてきた野村証券はいよいよ離れるかもしれません。怖い株ですが…。

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投稿者 kataru : 2012年11月22日 11:33