今日の市況(2012年)(2012年12月04日)
かたる:公示になり、ほぼ上昇波動が一服なのかな? ただ騰落レシオも他の指標も過熱しているとは言えない水準ですが…。主力株は一服しており、崩落事故が切っ掛けとは言え早くも材料仕手株に向かう辺り、僕の考えている金融相場とは違った景色に見えるのです…それともやはり「空白の7か月」の影響なのでしょうか?
何度も解説するのが嫌なので、僕の使っている「空白の7カ月」とは…日銀が「包括的な金融緩和」に2010年10月に踏み込んで、実際に前年比で10%以上マネタリーベースが増え始めるのが2011年の3月からです。セオリー通り6か月かけて、数字に表面上の現れてきたのですが、何故か、日銀は今年の3月にマイナス0.2%、4月もマイナス0.2%と減らし、少し過熱感と言うか、相場が上がると直ぐに絞る傾向があるようです。そうして2012年10月に再び10.8%と伸びますが…、連続緩和しているのに11月は再び5%でしたね。つい最近まで11月の数字は分からなかったので、この3月から9月までマネタリーベースの伸びが低い部分をカタルは空白の7か月と読んでいます。マネタリーベースは、日本経済の基本的なお金の総量を決めるベースマネーと考えても良いでしょう。
長らく失われた時代を経て、日銀が「資産デフレは悪」という事を認めた政策が「包括的な金融政策」で、日銀自ら、危険資産であるリートやETFを買うという事は、余程の決意表明なのですね。FRBも此処まで踏み込んでいません。リートは資産規模が小さく、日銀が買い入れ対象とするのは無理がありますが…、基本的にリートの利回りが低下すれば新たにリートを発行し、不動産を買い入れますから、間接的ですが、日銀が実際に不動産を買い入れている効果が出てきます。だって7%の運用ができ、5%の利払いで済めば2%の鞘が抜けますから、いくらでも無尽蔵に採算利回りが合う限り、不動産開発が進みます。ETFも同じことですね。土地と株の二つの資産価格を押し上げることになります。市場が豊かなら、民間企業だけで資金流動が起こり、「流動性の罠」と言うお金が動かない状態は出来ません。本来は民間銀行の役目を日銀が追わなくてはならないほど、リスク過敏になり投機筋を叩いたことが経済の活性化を奪ったのですね。
本日の日経新聞には、米国では株式の新規発行が盛んになっていると伝えられています。市場原理が活発に働いている様子が窺えます。本来、FRBが金利を引き下げれば、その安い資金を利用して商売をして更に儲けようとするのですね。だって信用力のある不動産会社はいくらでも資金調達が可能ですからね。そうして不動産開発を実施して運用すれば7%~10%になるなら、資金調達コストが3%前後なら、その差額が利益になりますね。ところが我が国は、金融庁が規制を強化して、あまりに不良債権認定を厳しく見積もったために投機筋を目茶目茶に叩いたのですね。故に「流動性の罠」と言う「日本化現象」(流動性の罠と同意語)が起こりました。その為に日銀は仕方なく、自ら危険資産を買ってアナウンスしている訳です。だから白川さんの言い分も、ある程度は理解できます。しかしそもそも、ここまで失われた時代を長引かせたのは、過去の日銀の金融政策が間違っていたためです。まぁ、政府筋の金融庁の責任も重いのです。UFJの不良債権認定は明らかに行き過ぎましたね。その後、日債銀の背任行為の最高裁判決は無罪になっていますね。不良債権と背任行為は紙一重の事象です。
財政の崖の懸念が多少はありますが、市場経済が動き始めている様子で…早晩FRBは金融緩和政策を停止するでしょう。どうやって軟着陸させるか…ここからが難しいのです。日銀はその事を良く知っているから、…と言うかバブルを造った責任を痛感しているために過剰な反応を示すのでしょう。故に2006年前後に、マネタリーベースを前年度比でマイナス圏まで落とす、過剰な金融引き締めを実施しているのですね。あれは明らかに失敗でした。米国の金融事情を全く知らないのを、露呈しましたね。サブプライム問題は事情通なら2005年には、分かっていたはずですね。現場の能力の無さが露呈しますね。既に経済はグローバル化しているのに…。金融危機後の対応も鈍いですね。2006年には株価が急落し始めていますから、本来なら2007年には10%を超える資金を供給すべきだったのです。2010年の包括的な金融政策を採用するまで大きく伸びていませんからね。この辺りの認識を見ると、市場原理を日銀は理解していませんね。まだ自分達がコントロール出来ると過信していますね。
故に、みんなの党や安倍さんなどのような急進派が出て来るのですね。ここ2か月連続の増額でどの程度増えるかどうか…経済規模は日々増やして行けねばなりません。500兆円規模の経済なのに10兆円程度の規模だと、金融政策の変化に値するのかどうか…。日本は漢方薬のような金融政策ですね。日経新聞などもマネタリーベースに関しては金額を示しています。
しかし我々の生きている感覚は、比較感で物事を判断します。昨年より今年の方が、給料が増えるかどうかですね。常に名目数字で…昨年から比較で体感するのです。だからマネタリーベースも前年度比の数字が大切なのです。毎年10%ずつマネーが増えれば、否応でもインフレ気味に舵が切れますね。潜在成長率を高め仮に3%成長なら、マネーは常に5%以上は伸びないとなりません。当面は劣化した資産デフレを補わねばなりませんから、10%程度の伸びを続け、ミニバブル状態の期間を5年程度続ければ、日本に活力は戻るでしょう。2002年からの緩和では10%以上、増やした期間は3年程度でユトリが出来ませんでしたね。だからダブルボトムに陥り、またデフレ問題が浮上しているのですね。常にゆとりを持たないと…投機筋は復活しませんね。
金融危機から欧州危機を切っ掛けに、世界はダブルボトムを付け抜け出そうとしています。米国は既にトンネルの出口が見えています。問題は日本ですね。マネタリーベースの平均残高推移ではなく、前年度の増減に注意を払うべきなのですね。日経新聞さん、今度、関連記事を書くときには、是非、ここを強調して下さいね。青い線ではなく水色を…です。当座残高にスポットを充てずに、マネタリーベースの前年度比が重要です。
さて相場は鮮明な金融相場を演じていませんが、日銀の無制限貸し出しは動き始める可能性がありますね。まだ具体的な数字は見えてきません。おそらく来年の3月頃に今の政策は数字として表れると思います。今、掲げたマネタリーベースの前年度比も10%以上伸びるでしょう。経常収支はどうなのか…こちらはもう少し調べる必要がありますね。どうもLNGの輸入額だけで貿易赤字に陥ったという解説は胡散臭さを感じます。今度は自動車の国内生産台数などから見て、レポートを何処かで書いた方が良さそうですね。自動車は価格が高いので幅広い経済に影響を与えます。消費財で注目されるのは家と車ですね。
中央道の崩落事故が、前から指摘されていた、我が国の社会基盤整備の耐久償却問題に繋がり、一気に財政支出の予算計上まで進むかどうか…。もともとこの問題は以前から指摘されていましたが、なかなか目に見えない劣化と言う問題に目を向けるのは、政策としては難しいのですね。安心・安全を求めればコストは高くなるのです。今日は電力の自由化の話ですが、タクシーと同じです。労働条件が悪化すれば、当然、事故が増えます。規制と自由の線引きは非常に難しいですね。東電はこれまで怠慢でした。だから神の報いとしてリストラを強いられるのは、当たり前です。しかしあまりに叩きすぎると金融界のように失われた時代の創設に繋がりますね。電力場合は度々おこる停電などが、今度は問題になりますよ。火災の事故とかも想定されますね。叩き過ぎは第二、第三の金融界を生みます。規制の後は、緩和の飴玉が必要になりますね。だから長らく日銀総裁はプロパーと大蔵の椅子取りゲームだったわけですね。政権も同じこと、55年体制に胡坐をかいた自民党は劣化し、制度不良を自ら起こしました。体制が転換したから、問題点が表面化したのですね。日本はこの点でも変わる要素を秘めています。
インターネットの情報では本物が少ないですが、中には本物があり、本物が時間はかかりますが、だんだん広がりを見せるでしょう。偽物の日本が、本物の社会変化を遂げ始めています。自民党の国防軍は良い問題提起ですね。甘い話はありません。米軍基地はグァムに移転させ、日米同盟を堅持するなんて…。もし米軍基地を移転させたいなら、徴兵制度を復活させ、自衛隊を国防軍に格上げし、軍事費を2倍、3倍に増やさねばなりません。もし軍事費を今の1%程度で抑えるなら、やがて沖縄は中国領土になり、九州も侵略されると思っても良いでしょう。その覚悟が必要だという事ですね。北海道も取られる可能性がありますね。病原菌が周りにウヨウヨしています。パトリオットを自前で開発するのは大変ですよ。日米同盟があるから、最新鋭のF35の飛行機を売って貰えるわけです。オブラートに包んだ甘い眉唾政策は終わりですね。インターネットの発達で広がったアラブの春は日本でも確実に浸透しているのです。
日本橋梁より、横河だと思いますが…今は選挙までの空白期間ですから、仕手株の活躍も目を瞑らねばなりません。問題は野村証券の株価の推移です。ここでもモタツキが絶好の買い場の筈ですね。選挙が終わると、一気に駆け上がる急騰相場を迎えるのが本物なのですが…どうでしょうね。仕手戦は、選挙期間中だけの遊びでしょう。社会基盤整備を買うなら横河や大手建設でしょうね。金融相場を念頭に入れるなら、建設の低位株の三井住友建設などの選択になります。日銀の無制限融資を大きく評価するなら銀行になるし…、日銀の姿勢が硬いとなれば資金量が限られますから、ゲームからLINEに移る、海外売り上げの夢などのグリーやDENAの選択にもなりますね。要するに、自分が、どの路線に賭けるかどうかの選択ですね。カタルは野村証券の株価推移に、一番、興味を感じています。何しろ1兆5千億円、おそらくレバレッジを掛けている筈で5倍なら7兆5千億ですからね。10倍なら15兆円ですね。すごい金額です。果たして時代が到来しているかどうか…。
投稿者 kataru : 2012年12月04日 11:50