今日の市況(2012年)(2012年12月10日)
かたる:花巻東高校の大谷翔平君が日本ハムに入団すると言います。今年、甲子園を観ていた僕には記憶になかったような気がしますが…、兎も角、メディアの評判は一番人気です。160キロの剛腕投手でもあり、打者としても良いセンスを持っていると言います。多くの球団が獲得に乗り出したとか…。ドラフトでは日本ハムが交渉権を獲得し交渉していましたが、当初は大リーグに行くと強気なコメント発表していたのに…何故か、日本の球団を選択しました。この決断の背景には、やはり日本村社会構造と市場原理主義構造の違いが選択を変えたものと思われます。「惻隠の情」など欠片もない米国の市場原理は成果主義です。法律を犯さない限り、その範疇なら多少危なっかしいモラルも許される構造を秘めている市場原理主義、世界は東西冷戦崩壊により市場原理主義に軍配を掲げましたが…インターネットが普及しアラブの春からウィキリークスの登場など…、正義と国益の考え方にも変化が生まれていますが、兎も角、世界は一つの方向性に進んでいる過渡期ですね。そんな中での日本の若者の選択は今の日本を象徴しているというか…僕の心情はやはり大リーグの選択をして欲しかったように感じます。どんな選手になるのでしょう。
僕と幾つも違わない友達が、最近転職をして10か月ほど経ちますが、東の規律、西の自由と米国企業を評したメールをもらいました。なるほど、米国でもそんな文句があるのか…。確かにカルフォニアの自由さは世界をリードしています。自由奔放な社会が豊かな成長の原動力になっています。しかし自由と言うのは難しいですね。余程、自己管理ができないと規律のある社会に負けてしまいます。規律は個人の束縛を生みますが、全体の構成力で組織として個人をも守りますね。日本は鎖国制度を長く続け、島国なので世界で一番、体制転換に遅れているのかもしれません。ベルリンの壁崩壊から東西冷戦の終了により市場経済化が進みましたが、日本が一番早く、この洗礼を受けました。グローバル化の洗礼は一番早かったのです。ところが、この日本村社会構造は長く抵抗を続けます。既にアフリカから中東までグローバル化の波は駆け巡っているのに…。大谷君の選択は今の日本の姿を象徴しているように思えてなりません。
昨日かな?アップルの製造回帰の話しを掲載しましたが、ファブレスはROEの考え方から見ると、必然的に起こった現象です。人件費の高い先進国で製造して優位性を保てる製品はどのくらいあるのでしょう。日本の家庭にはまだハイアール製品は少ないのでしょうが、最近の商品は、全てメイド・イン・チャイナですね。日産のマーチの生産移転が2009年、とうとう空洞化の流れも最終盤になっています。だって…ソニーやパナソニックの株価を見れば、誰でもそう考えます。日本企業は嘗て雇用を守る為に、技術革新や合理化により円高を克服してきましたが…とうとう際限のない為替抗争に敗北を喫したと考えるべきなのでしょうか? それとも合理的な国際化ルールに従い、ROE経営に目覚めたと考えるべきなのでしょうか?この辺の判断は難しいですね。日本のみならず、最先端企業のアップルが本国回帰する動きは、人件費が高騰する「富士康集団(フォックスコン)」の動向などが影響しているのでしょう。
最近人気を盛り返しつつあるシャープですが、非常に「標準偏差」の高い銘柄だと考えています。つまりリスキーなのです。アップルのシャープへの関心が台湾メーカーへの増資話しに繋がり流れたようですが…、今回はクアルコムと繋がっていますが、この背景には「IGZO」の存在があります。何もシャープの独自技術ではなく東工大の細野教授を中心とした科学技術振興機構(JST)が保有した特許を活用しているもので、サムソンとの時間差は1年から2年と言われています。でも面白そうですね。何しろバッテリーの延命化は市場のニーズで一説によれば5倍に伸びるとか…本当かな? 実はカタルが注目したユビキタスのQBも、この一環の発想でしたね。
ようやく市場にエネルギーが回復しはじめ、個別銘柄の解説も楽しさが増すようになると良いのですが…どうでしょうかね? このアップル回帰は大きな変化で、同時にギリシャ国債の買戻し報道も、見逃せない動きです。300億ユーロを買い戻せば良いわけですね。僅かな数字です。今のギリシャ国債の利回りは…下のようなイメージですね。ジャンク債投資も儲かりますね。僕が野村証券の社員なら大儲けできたのに…。イタリア国債などは天与のプレゼントでしたね。問題はタイミングなのですね。いくら見通しが正しくても…レバレッジを掛けるわけですから…投資の成否はタイミングに尽きるのでしょう。
最後に選挙戦の広報カーの文句で共産党の数字が気になっていたのですが…共産党は大企業の保有するお金260兆円を社会に還元させろと述べていたのです。えっ?そんなにあったかな?…と不思議だったのですが…これはキャッシュベースではなく内部留保全体の話しなのですね。先日の日経報道は60兆円になっていたので不思議だったのです。共産党も誇大表示するのですね。事実なのですが設備投資などにも回っているので使えませんね。問題は現金預金の方で埋もれているキャッシュは60兆円ですね。この数字は覚えておいてください。すごい金額です。日本のGDPが500兆円ほどなので12%に値します。そうしてマネタリーベースの増大とターゲット論の政策です。分かりますかね?
僕の一貫した強気の背景に流れているのはタイミングの僅かなズレだけの話ですね。ただそんなに違いはないと思われます。言葉だけに留めますが、最後に日本の官僚は消費税の引き上げ実現するために、法案に景気条項が付いているので間違いなく株は上がりますよ。明らかな転機ですね。そうして選挙が終わった時に海洋基本計画などの実現も進んでいるようですね。一旦は敬意を表する、日々発表も目先のチャンスになるでしょう。含みのある余韻を楽しんでください。
投稿者 kataru : 2012年12月10日 11:57