今日の市況(2013年)(2013年10月17日)
かたる:米国の財政問題は下院のベイナー議長が「われわれは良く戦った。ただ勝利には結び付かなかった」と語った。…との事で、一応、今回は鉾が収められた形ですが、ドルと言う基軸通貨の価値を大きく失墜させたことに変わりはないのでしょう。格付け会社のフィッチが警告を出しましたが…本来は格付けを引き下げるのが妥当なのでしょう。中国は「非米国化」推進のコメントを出しています。しかし中国の米国債保有残高は維持されたままで、これも戦略的な駆け引きの一環なのでしょう。しかしシリア問題から今回の財政問題と…米国の信頼性は大きく揺らいでいますね。当然、日米同盟の信頼性も失われていますが、この度、米国太平洋艦隊の司令官に日本人を母とするハリス海軍中将が海軍大将になり就任しました。太平洋艦隊の200隻の水上艦艇と潜水艦、および1100機の戦闘機を保有し、兵士、事務職員数14万以上の部隊を指揮すると言います。まぁ、基本的に米国人なのですが、横須賀生まれなので、なにやら心理的に安心は出来ます。この気持ちは不思議なもので、きっと自衛隊幹部職員も似た感覚を保持するのでしょう。
中国の自動車販売好調さが指摘されていますが、同時に人件費は上がっているので、EMSメーカー各社は、中国からインドネシア、ベトナムなどの人件費の低い地域に移転するのでしょう。固定資本形成に頼る経済成長から、消費を増やし内需型に移行するのは当然の流れですね。このEMSのフォックスコンは、アップルから減産指示を受けているとか…やはりスマフォは既に一巡している訳で、村田が車の需要に向け大きく舵を切っているのが、時代背景の流れとしてよく分かりますね。そのITSの世界会議が東京ビッグサイトで開催されており、15日の007のIR発表となったのでしょう。ようやく2010年春のワクワク感が戻っているのでしょう。昨日の値動きで感じたのは意外に玉が薄いと言う印象でした。やはり誰か、新規参入組があるのでしょう。ただ業績面の追随が後になりますからね。J・TECは医薬品ですから、どちらかと言えば収益予測はしやすいのですが…007の場合、この予測が立ちにくいのです。技術の使用料はケース・バイ・ケースで決められるからです。更に製品を自らが作っている訳ではないからですね。その分、粗利は非常に高いので、売り上げが、ほぼ全てが利益と考えても過言ではないでしょう。
J・TECはこのような業績推移の時に、ファンドは参入したのですが…007に大物が関与してくるかどうか…。まぁ、何れ参入するのでしょうが…、日本人のサラリーマン・ファンド・マネージャーは「事なかれ主義」ですからね。ただフリースケールなども関与しているとなると…、ルネサスも押さえており世界独占ですからね。デファクト・スタンダードの確立ですから、相場がこの意味を反映しない筈はないと思っています。トヨタだけで年間1000万台以上なのです。カタルなどは単純で、100円とすれば…などと直ぐに「とらぬ狸の皮算用」を始める始末です。
新聞を読んでいると…ニチレイが新工場を建設したとか…。実はカタル君、日本の冷凍食品産業は、成長分野ではないかと密かに考えているのです。ニチレイに味の素、ニッスイに極洋なども…日本の食文化がアジア支配をする日も遠くないように感じています。この冷凍技術の進化は目覚ましく、おそらく世界で一番でしょう。まだレポートに書く段階ではありませんが、建設株と同様に気になっている産業の一つです。この建設株ですが、現状は儲からないのですよ。今は駄目なのですが、中長期投資には最適だと思われます。何故、目先は相場にならないか? 理由は資材高騰や人件費が高騰し需要に対応できないのですね。ビルの骨組みに使われるH製鋼の価格を、東京製鉄は10月の販売分から2000円引き上げ76000円にするとか…、新日鉄住金も3000円引き上げるのだそうです。復興特需もあり建設労働者の需給バランスは逼迫しています。その為に地方自治体が発注した健康施設の入札が3回目も不調になったとか…この現実が建設業界の実態なのでしょう。故にカタルは大成建設や熊谷組、鉄建など…残念ながら今回は相場にならないと踏んでいるのです。
代わって…相場の芽が育っているのが、今朝の日経新聞の報道にもあったように、リートへの資金流入で、1―9月期は6701億円となっていました。何も日本だけの話ではありませんよ。世界には待機資金が眠っているのです。アベノミクスが確実にデフレ脱却を成功させるなら、世界中から日本に不動産投資資金が流入するのですね。何しろ世界の中で日本だけが金融バブルの影響を受けずに、20年以上も調整を続けてきたのです。しかも世界第3位の市場です。米国の不動産は直近の2006年に壁があります。中国は不動産バブルが、根強く指摘されています。この手の資金の受け皿に、日本が選ばれるのは自明の理ですね。だから1兆円以上を誇る受託資産残高を保持するハイリスク企業のケネディクスの株価が、騰がるのは当然なのですね。まもなく相場はスタートしますよ。
カタルは、何度も2000円割れの007を、現物で買っておいて欲しい…と言っていましたが、それと同じことが、もう直ぐ開始されます。でも資金力のない人は619円を超えてからの参戦で、充分に間に合います。最後に東京電力ですが…会計検査院が指摘したように既に「死に体」です。カタルの予測では株主責任は免れないでしょう。最初の選択を間違っていた為に混乱します。10年を超える債務超過状態は確定している訳で、東証は正当性を主張しないと訴訟になりますね。最近は個人も黙っていませんからね。少なくとも整理ポストに入れ、管理すべきなのでしょう。おそらく既得権力者が完全に逃げてからの発表になるのでしょう。東電債など…お持ちの方は気を付けた方が良いですよ。本当に世の中、腐っていますね。
明治政府は殖産興業を謳い、多額の政府予算を掛け育てた産業を、自分達の息の掛かった民間企業へ、不正に払い下げをしました。余りに露骨なやり方だったために、批判や権力闘争が発生し、対立していましたね。カタルも、なかなかこの辺りの背景を書いた小説を読んだことがない為に、実態は詳しく知りませんが、最近、花村満月の「私の庭」を読んで背景を知った次第です。彼は意外にまじめで…文献などを参考にして小説を書いているようです。様々な事例から未来を予測する。時代の流れが明確に見えれば、相場の予測など簡単なことなのです。問題はどんなタイミングで相場がスタートするか?それだけの話です。
投稿者 kataru : 2013年10月17日 10:36