今日の市況(2013年)(2013年11月14日)
かたる:中国の3中全会が終わり、日経新聞では「市場重視の改革」と金融政策の市場原理導入を示唆していたけれど、実際は玉虫色の展開で幕を閉じたと言う論調が多かったようです。やはり日本と同様に既得権勢力はいる訳で、改革と…口では言いますが、簡単に進みません。東電の原発処理を巡り、あれほど強固だった既得権勢力の絆は、世論の風にさらされると脆いものですね。今から思えば、やはり東電の有限責任で処理すべきだったですね。結局、政府が前面に出てくるわけで、あの時の選択の違いにより、その後の展開はずいぶん変わるものです。
プラザ合意以降、日本の選択肢は狭まっているとは言え、米国は未だに金融危機の後処理をしており、EUに至ってはまだ入院の状態、唯一、先進国で退院している日本は、もっとグローバル化を加速させ、世界GDPの取り分を高めなくてはなりません。先日、JAと経団連の会長同士の会合が久しぶりに開催されましたが、JAは自分達のおかれた立場を理解しているのかどうか…。自分達の組織の高齢化は「風前の灯」なのですね。たしか68歳程度じゃ、ないかな? 故に、日本はあらゆる意味で飛躍期に来ている筈です。その主役は邦銀なのですが…。金融庁は、僅か2億円の些細なモラルを楯に清貧思想を展開し、国会で取り上げている現実は、呆れる展開です。メディアの論調は、いつになったら、官僚組織から脱却できるのでしょう。情報ソースが官僚筋から提供されているから、無下に断れないのは分かりますが…大人の対応と言うものがある筈です。
その邦銀の代表格である三菱UFJは3度目の高値挑戦になります。順調に行けば800円台まで回復するのが、最低限の水準だと思われますが…。何しろ三菱UFJの一株あたりの純資産額は809円もあるのです。更に一株利益は毎年50円台で定着していますから…、10年分の500円を加味して、本来、株価の正常な形は1300円前後が妥当な水準でしょう。カタルの基本概念は、純資産プラス10年分の一株利益です。これが一般的な大型株の基本認識です。日立にしても同じですね。基本概念はGDPの成長率を基準にしてそれ以上か、それとも低いかで、PERの10年分の基準が、低い場合は8年とか5年とかに下がりますが、日本全体のGDPより成長率が高ければ、PERの評価が15倍、20倍となります。日立のケースでは、純資産額は447円あり、一株利益が45円ほどですから、故に株価基準は900円程度ですが、新興国であるアジア部門の成長に糊代があり、PERの基準を15倍程度までと…高めに見るのが妥当なのでしょう。だから株価は最大で1100円前後が妥当株価だと考えています。しかし現実の株価は、三菱UFJが642円で、日立は693円です。この論理的価格の半分程度の評価は、米国経済に負ける仕組みのコストになりますね。日本村社会の減点分です。長い清貧思想が生んだ結果の評価が定着しています。
もっとも、株価が魅力的な輝きを帯びるのは「時代の変遷」です。産業革命やIT革命と呼ばれる時代の変革期に生まれる新しいビジネスですね。カタルが間もなく米国のナスダックは新高値を更新すると予測していますが、2000年のITバブルの時はその理想買いです。その理想で買った未来の技術がドンドン開花していますね。スマフォの誕生は代表的な事例です。その為にアップル株は大きな飛躍を遂げました。パソコンが生まれ、ソフトを開発したマイクロソフトも時代の寵児です。カタルは007にその期待をかけている訳ですが…。果たしてどうなるかどうか…。来年、後半にならないと…輪郭の形が見えないのでしょう。まぁ、夢ですね。ITバブル時もそうでしたが…、この手の株は、いつ、人気が先行するか分からないのですね。ソフトバンクは、まだITバブル時の高値を抜いていません。余りに人気が先行したITバブルの夢である理想買いですね。
通常、マツダのような銘柄は、単に一般の景気循環の中で動きます。トヨタは少し意味合いが違いますよ。同じ業界でもリーディング・カンパニーの評価と、その中の一員では評価は格段に違います。カタルは長い間、マツダが変貌するのでは…と考え、中国での活躍を期待して取り組んだ時期がありました。ところが…現実はアベノミクスの円安効果と言う評価でしたね。熊谷組はPFIの観点から100円台で注目していましたが、実際はトンネル技術の再評価でした。素質のある株は限られますが、華が開くかどうかは仕掛け人の意向次第ですね。ケネディクスも魅力ある素質を秘めています。007は一番変化率が高い「時代の変遷」での評価ですが、ケネディクスは1989年から停滞するデフレ脱却の時代の方向性の評価です。両者とも、一般の景気循環とは、少し意味合いが違います。ただアベノミクスの失望説が広がり、デフレ環境が続くならケネディクスは、当然、沈みます。しかし現状は20%程度、簿価より資産価格は上昇し、95億円ほどマイナスになっている利益剰余金は、いつでも解消できます。だから今回の決算でも見込みが立っているから復配を掲げているのでしょう。奇妙なことに…修正後の決算でアセットマネジメントフィーが3150より3050と減っていました。こういう事は通常はありませんね。つまり利益隠しを実行している訳です。些細な現象ですが、好調ぶりが窺える数字でした。いくらでも操作は可能なのです。数字を見ればマジックは、大概わかるものです。
長い低迷からの復帰の相場は大きくなるものです。故に建設株から目は離せない訳でもあります。宮地エンジが賑わっているのは、そのような感覚の一つなのですね。ただ宮地エンジも偽物です。カタルは基本的に、一般の景気循環の株はあまり手掛けません。上値が限られるからですね。大概は過去最高利益を更新する程度しか…業績の変化が見込めないのです。しかし政策により、その立ち位置は変わりますね。一番のターゲットは規制緩和などの政府方針の転換です。例えばカジノが解禁となり、本命株が生まれるなら、早めの参加なら買った方が良いでしょう。既に前人気でいくつか人気になっていますが…。このような銘柄を空売りしてはいけませんね。でもマツダのような評価済みの株は人気化したところ売れば、程度の差はありますが、多少は取れるのでしょう。ただ今は駄目ですよ。売るのは来年ですね。基本的に今の時期は5月からの調整が終了し、上昇波動に向かう場面です。だから買いで臨むのが正解なのでしょう。
5月の連休明けに、多くの個人参加銘柄は人気が過熱しました。故にその6か月の応当日が訪れており、多少、期日の影響も残っているのでしょう。日証金残の推移をみると何となく実態が掴めます。ケネディクスはどうやって仕上げるのか? かなり苦労しているように見えます。だから抜けてから参戦した方が、効果は高いかもしれませんね。此方は業績面の心配は今の所ありません。いくらでも操作が可能な状態だからです。アメリカ系の会社でもありますから、復配は確実に実施するのでしょう。007の評価は分かれますね。割高なので…買う方もヒヤヒヤしています。このような株が本来は大きくなるのは、経験則で分かるのですが…確りした仕掛け人が登場するかどうか…。でもカタルがこれだけ銘柄を探してもなかなか素質のある銘柄はみつからない訳で…、みんな一般株なのですよ。だから絶対に、何処かのファンドが参戦する筈ですね。これほどの逸材ですから…。
株価が大きく上がる時は、必ずファンドが関与し、5%、10%とファンドに組み入れる時です。それも複数になるほど、相場が大きくなります。複数の登場になる条件の一番は「時代の変遷」を捉える技術革新株です。マイクロソフトやアップルなどを見れば、よく分かりますね。最初はみんな、町工場のレベルなのです。やがて世界を制すると企業価値が生まれて、膨らみます。町工場の段階は、利益より売り上げの推移が問題になります。赤字を何年続けても、先行投資をして売り上げが伸びれば問題ありません。
007の今回の数字は、まだ発表されていませんが、減額修正をしたわけで、褒められたものではありませんが、費用計上が膨らんだのは仕方ありませんね。半導体価格、一つとってもSKハイニックスの工場火災で、一時的にですが単価は上がりました。だから、にわか投資家が、今回、赤字幅が拡大したという事で投げた投資心理は間違っていると思いますが、市場が素人化しており仕方ない現象でしょう。日曜日のコラムで掲げた企業業績の時間位置の意味を、皆、よく理解していませんからね。解説できる証券マンも少ないでしょう。簡単に考えると立ち上がり初期の赤字は問題ありません。シャープのような銀行管理された会社は、ギリシャのようにプライマリバランスなどが問題にされますが、成長株の場合は、新規分野が伸びているかどうかなのですね。論理的にはルネサスエレと村田との共同開発が発表されたIVIの発表後の株価の高値2600円台を、早晩、抜く筈ですね。だから2000円以下は買い場なのです。赤字幅拡大を知ったわけで、通常は悪材料の出尽くしの筈ですね。
さて今日の相場は、銀行株が再び人気になっていますね。おそらく外人の新規資金の再配分が始まっているのでしょう。配当などの手当ても済んで動きやすくなるのが、年末で、年始にその期待がさらに膨らむのです。ケネディクスもこの決算を観て、新規の参入があるかどうか…複数のファンドの参加が望ましいのです。ただお金のない人は、何度も言いますが619円を抜いてから買えばいいのでしょう。株と言うものは高値を抜いてから加速するものなのですね。全体の投資マインドは、だんだん改善してきましたね。年末にはさらに改善されるでしょう。
投稿者 kataru : 2013年11月14日 10:46