今日の市況(2013年)(2013年11月27日)
かたる:最近は相場の経験者が少ないと言うか…素人集団と言うか、眼に見える変化に相場が反応し、短絡的な発想で相場が動いているように感じます。本来は中長期的な視点で経済活動は起っているので、大きな流れはその方向に引きずられて動くはずなのですが…ネットトレーダーの存在が、相場の性質を変えているようにも感じます。この現象が最も現れたのが1999年から2000年に起きたITバブルです。どう考えても理屈に合わない株価なのですが、ただ単に株が上がる…と言う理由だけで、その上昇株が人気になり上がり続けました。光通信やソフトバンク、ヤフーに大型株のソニーまで異常な人気になり株価が暴騰し、単に価格だけを重視した需給関係だけで上がった相場は、崩れるのも早く光通信などは、売りたくても、売れない状態が1か月以上も続き、毎日ストップ安の連続で、これを切っ掛けにして市場ルールが変わりましたね。上がった株価も異常でしたが、下がり方も異常で、大きな明暗を分けた出来事でした。
あのITバブルの現象を、どうして最近は…連想する機会が増えているのでしょう。昨日のNHKのクローズアップ現代では「ウェアラブル端末」の特集をしていました。「スマートフォン」の誕生から、まだ5年程なのですが…、早くも次世代端末の開発が盛んになっています。あのITバブルの理想買いの高値を、実際にその後、上回った株価は「ヤフー」だけです。カタルが「エナリス」などの需給だけの上昇人気株を、批判するのは間違っているのでしょうか?このような現象は相場の方向性が悪いから起こるのでしょう。個人の力を正しい方向性に向ける必要があります。「ケネディクス」は今の相場環境に相応しいのですね。何度か、カタルは日本の資産価格下落の間違いを語っています。そうして現在は日銀が包括的な金融政策採用から、異次元緩和に踏み切っています。昔から中央銀行に逆らっても絶対に勝てないのです。相手は無限の兵隊を保持し、敵対する勢力の兵力は有限なのですね。
無限のお金に限られた資金の戦いでは、無限のお金を有する勢力に絶対に勝てません。ただ相手が世情の批判に敗れ、方針を途中で変えれば勝てる可能性がないとは言いませんが、信念のある対応をするなら、確実に敵対勢力は破れます。ジョージ・ソロスの戦った舞台は中央銀行の管轄外の舞台だったのです。だから「イングランド銀行を負かした男」と言うキャッチフレーズは間違いです。相場の方向性は2010年10月の包括的金融政策を日銀が採用した時点で決まっていたのです。あれから3年が経過し、そろそろ、その効果の華が咲くのでしょう。絶対に「ケネディクス」は4ケタ以上に駆け上がます。ただ冷酒のような日銀の態度なので、なかなか表面化してないだけの話ですね。100円以下だった株が4ケタ以上になるのは確定しているのです。白川さんから黒田さんに移った時に再び上昇を始めた訳ですが、実際はあの包括的な金融政策の採用は画期的な政策でした。何故か? ETFやリートと言う危険資産を、日銀が買い始めたのですね。総資産に比較すれば、ほんのわずかな金額です。ETFの買い入れは全体の0.5%程度に過ぎないし、リートに至っては1200兆円ほどある日本の土地資産の規模からみれば、眼に見えないほど微々たるものです。
しかし本来は禁じ手である、このような金融政策を採用したから、本日の日経新聞3面の「リート資産規模拡大が2兆円に拡大」と言う記事が誕生するのですね。リートの資産規模拡大は何を意味するのでしょう? リートは利回り採算に合わない物件は買い入れません。現状は地価が上がり始めており、5%の確保は難しい環境でしょう。しかしこのような概念が普及すると、日本の銀行などもROE経営を何れも、求められます。日立などの製造業が持っている資産は都心から外れ、付加価値が低いのですが、都銀が持っている資産は利用価値が高く、資産の有効活用が政策変更で認められれば、都市銀行は新たな収益の柱を獲得できますね。都銀はどの駅の周辺にも自社保有の物件を多く抱え活用していませんね。規制があるからでしょう。規制を撤廃すれば効率的な資産運用に変化します。ところが日立の持っている茨城の日立市周辺の土地は、日立が居なくなれば、誰も買い手が付かない二束三文の資産です。同じ純資産価格ですが、純資産価格の質が違いますね。その三菱UFJの純資産価格は809円もあるのです。それなのに…現状の株価は660円です。明らかにおかしいでしょう。いずれ修正されます。
正しい政策を実行すれば、経済は活性化されます。リートは古いビルを解体し新しいインテリジェントビルを建てます。丁度、東京駅近くにある長銀本社のビルが、ケネディクス・東急不動産・日本政策投資銀行の共同出資による特別目的会社を通じて510億円で買収され、現在は解体作業中で2017年に、地下2階、地上20階建ての最新ビルに変化しています。このような建設需要がリートの規模拡大でどんどん生まれ、経済活動にも貢献しています。実は、このビルは不動産ミニバブル期の2008年に、1180億円で売買されたものでした。ところがビルの形が使いにくい為か…空室状態が続き赤字だったのですね。つまり解体し建て替えても4~5%程度の収益が得られるから、売買が成立したのでしょう。今日の日経新聞の2兆円のリート資産拡大の背景には、このような流れが現実に起っているのですね。この死に体だった1180億円が、510億円に減りましたが動き出したのですね。死んだように眠っていたものが、日銀の包括的金融政策の採用により、ようやく実態経済に影響を与え始めているのです。この浮上する確度が問題なのですね。
小泉・竹中改革は、どちらかと言えば米国的な処置でした。カタルはあの時、竹中はやり過ぎだ…と考え、どちらかと言えば批判的でした。上のグラフではAの形です。日本は本来、このような抜本的な米国的な解決を望まず、Cのような形の日本村論理を採用し、時間をかけて対処してきました。その為に長い失われた時代を経験してきました。しかし限度がありますね。人間の心は、長いデフレ環境で蝕まれました。カタルはBのような政策を考えていました。しかし結果は、日本的なCを選んだはずなのですが現実はDですね。2010年10月の日銀の投入額が少なかったのでサプライズ効果薄れ、異次元緩和まで長引いていますが、黒田さんの異次元緩和もそろそろ時間切れ、このDのグラフは更に右に時間軸が伸びるかもしれません。だってアベノミクスから1年も経過しているのに、三菱UFJは未だに純資産価格も回復できず、長期金利も0.6%ですよ。本来は日経平均株価が2万円台に続伸するのが、正しい方向性ですね。何やら、このグラフは007株の解説をしている様でもあります。時間軸が1四半期ずれたような前回の決算発表でした。
政策も経営手腕も同じですね。松下が不採算部門のカットを掲げ、1000円割れの株価から上昇していますが、新しい成長の種は見当たりませんね。ソニーはここに来て、株価の足踏みを続けていますが、今決算が悪化したのは、前回の決算処理方針の違いだけの話し、それなのに株価は目先の動向に左右されています。近視眼的な相場内容だと、カタルが相場の方向性を批判しているのが、分かるかと思いますが…、カタルの考えが正しいとは限りませんね。むしろカタルは、もう少し相場観を近視眼的な方向に傾ける必要性があるのかもしれません。昨日は日本板硝子の話をしましたが、時間軸の考え方を、カタルの感覚から少しずらすのです。「ケネディクス」の相場は、正しい政策が続くなら確実に来ます。その時間軸をずらす作業が、619円の高値を抜いてからの参戦ですね。安全を求めると時間を要します。株価位置が低い銘柄をピッタリと上がり出すタイミングで、見極めるのは至難の業です。ケネディクスや007を観ていれば、分かるかと思います。途中で何度も揺さぶられますね。
さてSP500は、見事に上がり続け日経平均株価は1989年から下げ続けている。この原因はバブルの崩壊だけではなく、その後の失政が原因なのです。米国と日本の違いをこのSP500のグラフから感じてください。昨日はナスダック指数が4000ポイントを回復しました。きっと光通信もソフトバンクと共に上昇を続けるのでしょう。板ガラスと同じように、何れ上がる株価の低い位置の銘柄の中に、介護の「ツクイ」と言う会社があります。今日は964円ですね。続々と退職を迎える団塊の世代の受け皿需要は、当分、続きますからね。株価は拡大の為の資金繰り問題が片付くと…、また成長期を迎えますね。介護リートの誕生があります。上がる株は、既に決まっていますがタイミングを捉える事は非常に難しいのですね。株価が現在の2倍になっても高値での整合性が得られ、新たな買い手が、高値になればなるほど続々と増える銘柄を選択するのが、ポイントなのでしょうが待つのも疲れますね。また明日…。
投稿者 kataru : 2013年11月27日 11:24