未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年)(2013年12月04日)

かたる:昨日、お歳暮のお礼の電話を掛けていたら…証券マンの今年はマズマズの年収だったらしいのです。まぁ、人気化した銘柄が大きく下がらずに調整を終えているので、この感想は頷けます。これまでは右肩下がりの経済状況で、高値を買うと必ずやられていました。いくら政策効果が弱いと言っても、異次元緩和は、それなりに効果を生んでいるのでしょう。例えばカタル銘柄の「ケネディクス」です。この株は2万円前後からの注目株で4月になんと8万円まで急騰し、調整を続けています。多くの方は不動産株のレバレッジ機能を、あまりご存知ないと思います。その為にカタルはメザニンローンなどの解説をしています。一種の保険機能ですが、金融デリバティブの発展により、様々なリスク管理が行われるようになり効率化社会を迎えています。此処が非常に重要な点です。

1973年にフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズが共同で発表したオプションの原理は、1980年代に米国の投資銀行だったソロモンブラザーズが(現在はシティー)応用を始めます。このブラック・ショールズ方程式は、アナリスト試験にも良く採り上げられますが、この金融工学の発展により、CDSなどの派生商品が誕生したのです。その成果により投資家がリスクを軽減することが出来て、新興国に資金が還流されたのですね。この資金を生かしBRICsが発展しました。行き過ぎた事例が、サブプライムローンの破たんによる米国の金融危機です。その清算は、まだ続いています。先日、フレディーマックとバンカメはこの商品の訴訟で和解をしていましたね。未だにGSEは、政府の管理下に置かれています。日本のバブル崩壊による「りそな銀行」が、依然、このバブルの清算が終わっていない事と同じです。金融機能は回復しているとは言え、金融システムは依然、脆弱なのでしょう。故に中央銀行が民間銀行の肩代わりで緩和処置を継続しているのですね。

さて余談が過ぎると本筋を見誤りますから…戻しましょう。昨日、ケネディックスは内部資産を健全化する作業の発表をしています。2億の特別損失と同等の特別利益の計上ですね。基本的に2007年前後の高値掴みの不動産の整理を実行しているのでしょう。1兆2000億円を超える受託資産の自己保有分の資産価格の健全化で、財務内容の強化を図っているのです。内部の膿を綺麗にしているのですね。そうだな…パナソニックは前四半期に大幅赤字を計上し、ソニーは内部の処理をせずに黒字化しました。その為にパナソニックに方が、今回は利益を計上できソニーは悪化に見えて一度売られましたね。同じことなのですが、ユトリが生じると企業は税金を払うのを嫌い、内部の損失を表面化させるわけですね。そうして未来の利益の蓄積に努めます。その作業をケネディクスはしているのでしょう。何しろ受託資産が、およそ2割ほど上昇したので…内部の含み利益が増大していますからね。

カタルは「失われた時代」の大きな間違いは、資産価格を下落させたことだと述べています。バランスシート不況ですね。この為に1300兆円もの損失を計上しなくてはなりませんでした。日本の土地の資産価格は1990年に2455兆円もあったのですが、2011年には、1156兆円まで減ります。20年以上の調整を続けてきたのですね。小泉・竹中改革を切っ掛けに米国金融の力もあり、一度は、2005年の1249兆円を底に、資産価格は増え始め1303兆円まで増えましたが、再び、駄目押しを入れるわけです。この過程で、カタルの好きなダヴィンチは消えました。論理的に正しくても…政策の見極めで、失敗することもあるのですね。おそらく通常レベルの1500兆円程度まで、カタルは今回のアベノミクスの異次元緩和により、土地資産が拡大すると考えています。カタルが話題にする日本の曲がり角のプラザ合意の1985年は1060兆円で、1986年は1336兆円、そうしてTSMCが設立された1987年は1752兆円なのですね。1985年までは毎年5%程度の上昇だったのです。信用創造機能の復活ですね。

目先、ケネディクスの株価の動きは鈍いと思っている人は居るでしょうが、間もなくですね。何が切っ掛けになるのか分かりませんが、間違いなく4ケタ相場になり、その後も人気が継続しますね。カタルの目標は2005年末に付けた4090円の奪回ですが…政策支援が継続すれば、1万円の掛け声が掛かる可能性もあり得ると考えています。だから余裕のない人は619円を超えてから参戦すれば、タイミングも利幅もピッタリ享受できると考えています。今はその前段階の試練の場面です。日揮が1年遅れでスタートしたのを思い出す次第です。007は一度、2600円を10月に超えていますから、ほぼ玉は枯れています。この時期が、もっともワクワク感が生まれる場面ですね。赤字の時に相場をスタートさせるのが、通常はセオリーです。ケネディクスは完全黒字転換する2月に、2万円台から8万円に上昇しました。007のタイミングは来年前半の時期に黒字化します。いよいよ本番を迎えますね。今は3000円、5000円で買い増しするための準備が必要な訳ですね。今度、抜けたら…もう、安値で買うチャンスはなくなります。

今日は為替の戻しで全体が安いようです。カタルは円高論者です。正しい成長は円が高くなり、名目GDPが実質を上回り3%程度伸びる形が良いと思っています。アベノミクスの失望説が生まれる背景は、最後の構造調整であるパナソニックやシャープ、ソニーなどの動きやルネサスエレなどの最終場面に、異次元緩和が押されているのですね。しかし考えてみれば分かります。異次元緩和は続き、行き場の失ったお金は株や土地などの資産に向かい、あるいは海外投資に向かいますね。円安になっていくのは「自明の理」なのです。カタル銘柄の中で、一度は外したアークの株価が確りしているのは、この辺りの動きに反応しているのでしょう。国内回帰の連想は意外に正しかったのかもしれません。

今日はM2や不動産融資の実態を調べていたら、アップが遅くなりました。最近はM2をあまり用いずにマネーストックと総合的に捉えていますが、歴史的な検証をする為には古い指標が役立ちます。まぁ、概略は同じことです。せっかく作ったグラフなので掲載しておきますね。分かりますかね…基本はお金なのですよ。バブルの誕生原因は発生させた澄田氏の失策で、その後バブル崩壊原因は、宮澤さんらが行った土地政策の失敗が、銀行に及んだのですね。なにしろ1300兆円ですからね。こんな政策はありませんね。必ず、反動は起ります。だからケネディクスの1万円説もあり得るのです。異次元緩和効果により、間もなくM2の前年比の伸び率が上昇し不動産向け融資も増え始めます。2006年当時を上回る伸び率になるのでしょう。そうして米国のM2を上回り、名目成長率が伸びるのですね。この核がユビキタス社会の到来ですね。スマート・コミュニティーですね。スマート・グリッドに自走式の車など…007が活躍期を迎えるわけです。カタルがケネディクスと007に絞っている理由は、長く読んでいる読者の人にはご理解いただけると考えております。眉唾銘柄で目先ばかりでは儲かりません。昔から「乗るは大相場のみ」と言われていますね。

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投稿者 kataru : 2013年12月04日 11:48