今日の市況(2013年)(2013年12月30日)
かたる:大納会を迎え…長いデフレトンネルを抜ける確信と不安が入り混じる複雑な心境です。11月27日の白井さゆりさんの講演がきっけかになり円安が進みました。しかし日産のマーチに代表されるように、既にタイへの生産移管など含め多くの輸出企業は海外で設備投資を実行しています。この程度の為替水準では、投資した回収も出来ぬまま、日本へ生産移管するのは、むずかしいのでしょう。加えて大震災の処理がまずく、電力料金等が高騰し、日本での生産コストは総じて上昇しています。アベノミクスに期待される法人税などの引き下げも難しい状況では、生産回帰の動きはなかなか行らないようです。最近の国際協力銀行のアンケートでは、国内回帰を検討すると回答した割合は7.8%との事で、全体の56.2%は1ドル=105円の水準が定着しても、移管の予定はないと回答していると言います。
一方で金曜日には、三菱UFJは関門の7月19日に付けた677円をクリアして本日も高く、5月の高値750円へのチャレンジの道を歩んでいます。この動きは、先日の三井住友銀行の「国債依存脱却宣言」と言う言葉が、背景にあります。ようやく本格的な水準訂正に入っているのでしょう。800円~4桁への株価回復は、既定路線なのでしょう。だから年金ファンド向けの銘柄として、三菱UFJは欠かすことは、出来ません。勿論、保守的な投資家のコア銘柄となる訳です。証券株はかなり上げていますが、マネタリーベースの行方を考えれば、もう少し賞味期限は存在するのでしょう。野村の真価が見られるかどうか…現状は需給バランス問題などで、大和証券に水を開けられています。
一方、カタルのアイディアの一つに、人類は加速度的な進化ポイントに来ていると言う仮説があります。スーパーコンピュータの活用からスマフォの利用促進に絡み、クラウド環境が飛躍的なスピードで、生活に応用されるようになっていると考えています。ITバブルは1999年から2000年に市場に現れましたが、あの時の理想買いが、ようやく現実買いに向かい始めたと考えている訳です。織機で栄えた産業革命の軽工業から重工業への転換、やがて蒸気機関から鉄道網が整備され、人類の進化は亀の歩みでしたが…進化のスピードアップが見られそうです。
3Dプリンターは、米国に大きく水を開けられていますが、もともと日本のお家芸でしょう。現在は、経産省で予算まで付けて躍起になっています。ただ物づくりの精神も大切でしょうが…日本人の意識に欠けているソフト技術評価を高めないとならないと考えています。グーグルやアップルなどの新興企業の躍進は物づくりではありません。円安で生産回帰を狙うのは、方向違いの目標に見えます。TSMCの創設の意味を理解しなかったNECは、完全に周回遅れになり存続が危ぶまれました。エルピーダの坂本さんも、カタルは好きでしたが…やはり日本の生産コストが競争に負けているのですね。日本村維持コストの存在です。何も電力料金だけではありませんね。この辺りの「化けの皮」が、はがれる可能性がアベノミクスの失望に繋がる可能性なのでしょう。
一方でGDPの4割に相当するマネタリーベースの増大、200兆円突破の金融力は絶大なのですね。なかなか動かない日本人の失われた時代の「定着心」が、徐々に融け始めています。その動きが三菱UFJの株価にも、鮮明に表れています。当座預金には107兆円も積み上がっていると言います。この意味が皆さんに理解されるかどうか…。勿論、カタル銘柄のケネディクスの事を述べているのですね。何しろ1兆2000億円もの不動産を支配下に置く弱小企業は、ケネディクスを置いて他にありませんね。相場論からすれば、一旦、下に振った方が良かったのですが、その分、8か月間も時間調整をしています。カタルは年末年始の急騰株として、早くからケネディクスを掲げていましたが…なかなか市場に支持が得られませんでした。しかし、ここ1週間で、需給バランスも多少の変化が見られます。新規のファンドの参入があるのかどうか…。大口なら面白いですね。
中東のファンドが不良債権化している軍艦ビルを、メザニンローンを付けて買ったのですね。この意味を、どの程度の市場関係者が理解しているかどうか…。昨日、掲げた東京都の不動産の地価推移を見て、よく自分なりに考えてくださいね。勿論、リスクが少ない古河電工でも板ガラスでも良いのですよ。板硝子も全体が上がっている影響もあるのでしょうが、今日は良く買われていますね。ニーサの007も含め、来年は、たくさんの見所が存在し楽しみな年になりそうです。
これから今年の相場を振り返って、明日の原稿を用意し今年は終わりにしたいと思っています。やはり日本人は28日が大納会と言うのが良いですね。中途半端な立会時間といい、日本村論理は、合理性を欠いた妥協の産物の仕組みが多く存在します。明日は「コラム」で今年の相場を振り返る予定です。新年はいつから始めるか分かりませんが…「今日の市況」のご愛読、ありがとうございました。それでは、みなさん、良いお年を…。
投稿者 kataru : 2013年12月30日 10:48