詩と真実・・・

マーケット三国志

「あとわずか・・・」(いちば)(2005年09月16日)

単に心理的節目に過ぎないのですが指数の13000円はあと8円で遠のきました。
「産みの苦しみ」というと大げさですが「あとわずか・・・」というのが曲者。

その昔、圧倒的首位の野村証券に月間出来高競争で挑んだ日興證券。
月末にわずかの差で敗れたのは「マルツウ(日通)1000万株のクロス」。
あとわずか、それが限界であった昭和53年。
それから日興が野村に肉薄したことはありませんでした。
その後の相場は、日石(現新日石)の暴騰。別子(住友金属鉱山)の大相場を経て、日立、ビクターなどの国際優良株相場へと移行しました。
ここに「いつか来た道」があるように感じます。
今朝の「あとわずか・・・」は、早々にクリアできる水準なのでしょうが・・・。

ところで歴史というのは、その節目にいるとモノが見えなくなるといいます。
戦国時代に、織田信長が天下を取るとは誰も思わなかったでしょうし、ましてや豊臣秀吉や徳川家康など論外であったに違いありません。
しかし、事実はそうなりました。
まさに「祇園精舎の鐘の音」。

今、市場は大きな変換点を迎えていると、個人的には考えます。
企業業績、ポテンシャルエネルギーなどから見て思います。
航空会社がチャプター11を申請するような米国経済と連続増益でありながら息を潜めている日本経済と、どちらが買いたいかといえば、当然日本経済に軍配が挙がります。

専門家は賢げに指摘します。
「冷静な投資家が最後は勝つ」あるいは「そろそろお祭り騒ぎを卒業して市場を冷静に見つめるタイミング」などと。
しかもポートフォリオを小型株に組み替えるべきだとも。
正しいのかも知れません。
おそらく正しいのでしょう。
しかし・・・。
だから東京市場はまだまだ道半ばなのでしょう。
株式の本当の上昇を知らない連中がしたり顔で語っていますが、この15年間下落相場で育ってきた「証券マン」には、本当の上げ相場は理解できないのかも知れません。

「熱くなれるのが株屋」とも思います。
そんな考えは古いと一蹴されそうですが「醒めた専門家は要らない」とも思います
賢い人間はたくさんいますが、情熱は演技だけでは無理。
日本の投資家は、それを見抜けないほど愚かではない筈です。
「強気は愚かに聞こえ、弱気は賢く響く」という世界は、もう必要ありません。
スライダーもカーブも必要なし。
今こそ、直球ど真ん中で挑む局面と考えます。