詩と真実・・・

マーケット三国志

「ハロウィーン」(いちば)(2005年10月24日)

まもなくハロウィーン。
かぼちゃのお祭りくらいにしか思ってませんが、結構大切な日なのです。
それは、古代ヨーロッパのケルト人にとっては11月1日が新年だからです。
ケルト暦では10月31日は大つごもり。
その年の悪魔をお祓いするための儀式がハロウィーンなんです。
マーケットの悪魔も今年(ケルト暦)の内に処理してしまおうなんて投資家もいるに違いありません。

成田空港からヨーロッパへ向かうと、ユーラシア大陸の巨大砂漠を越えます。
アメリカに向かうと、アラスカの氷河を左側に眺める事になります。
オーストラリアですと、ほとんど海の上。
どちらにしても時間だけはまだまだかかります。
瞬時に異動できるのはマネーだけともいえますが、「どこでもドア」のマネーが先週の市場にイタズラをしたようです。
その名は「レフコ」。
最近破綻したアメリカの先物業者です。
原油など商品先物の世界だけ出なく、東京株式市場も225先物などで「レフコ」の手仕舞いの可能性が週の前半に伝わりました。
異常な乱高下のあとのネガマインドの原因として暗躍していたようです。
ようやくこの徘徊が活字になって指摘されたのは金曜日。
マーケット関係者は「何を今頃」というほど遅めの対応でした。
すぐには報じられない何かがあったのかという穿った見方をされても仕方がありません。
もっとも真相は藪の中ですが・・・。

94年の夏に2週間ほどアメリカ横断ウルトラトレーダーをしたことがあります。
サンフランシスコ→ソルトレーク→フェニックス→ツーソン→アルバカーキ→デンバー→オクラホマ→タルサ→ヒューストン→ダラス→ニューオリンズ→ニューヨーク→シアトルという強行スケジュールでした。
当時萎れていたアメリカの機関投資家への略奪営業。
それこそ、金持国家日本へのペコペコが小気味良かったものでした。
特にニューヨークは米国株、米国不動産を売りたい人ばかり。
エンパイアステートの夜の輝きを眺めながら「来年はレイオフだ」と嘆いた債券トレーダーの哀れな姿は今でも脳裏に浮かびます。
しかし、そこは底でした。
萎れたニューヨークはクリントンとともに不死鳥のように甦り今日に至っています。

日曜日経では、「海外証券投資最高ペース。今年19年ぶりに20兆円を越す可能性」の見出し。
自分の国に自信を持てない個人マネーは、海外へと出て行き、不可解な円安を演出しているのです。
確かに、箱根駅伝の予選では、山梨学院の1年生モグス選手がぶっちぎりの記録。
日本人1位の早稲田のルーキー竹沢選手とは2分近い差。
ゴルフのブリジストンオープンではスメイル、マスターズGCではアメリカのクリーマーが優勝するなど、スポーツ界では圧倒的に海外優勢。
しかし・・・。

不動産の基準地価格は大都市圏で上昇。
東京は3年前に比べ43%上がったと報じられています。
不良資産が優良資産へのターンオーバー。
この転換で次は再びニッポンの感は否めません。。
21年ぶりに無敗の3冠馬ディープインパクトが誕生。
期待感は競馬だけでなく、マーケットにも及ぼしてくれるに違いありません。
武ジョッキーの勝利コメントがとても印象的でした。
「ファンのみなさん。おめでとう」。
「投資家のみなさん。おめでとう」と言える日はいつかと考えています。