「記念日」(いちば)(2005年10月17日)
先週、ネット証券の7~9月期の売買代金が昨年に比べ2倍となる40兆円を超えたと報じられました。
口座数は全体で226万口座。
4月以降は株式投資未経験者の口座開設が全体の6割を超えました。
長らく課題とされていた「新規投資家の参入」がようやく実現し始めてきた訳です。
それはそれで良いのですが・・・。
日々投資家に接していると、その「他力本願的投資手法」はベテランとアマチュアを問わず、依然として残っているように思えます。
ある和尚さん。
毎週月曜日に必ず電話をかけてきて聞く事は「何を買えばいい?これは上がらんけどなんで?」。
京都のおばあちゃん。
下げれば「売ったほうがええのちゃう?」上げれば「何を買うたらええ?」。
日本の投資家は本当に他力本願だと考えさせられます。
そして全国津々浦々、どの個人投資家も異句同様に言います。
「証券会社に聞いても答えてくれないし、聞くところがない」と。
でも決して「聞く」ことが目的なのではないようです。
逆に「聞いて欲しい」んです。
90年代後半、「お話しましょう」というキャッチフレーズを打ち出して見事に投資家にそっぽを向かれた証券会社がありました。
投資家は当時の証券マンとお話などしたくなかったのです。
でも、今は違います。
「聞いてもらいたくても叶わない寂しさ」に満ち溢れた投資家ばかり。
「ワンコイン・コール」なんてビジネスモデルが結構受けるかも知れません。
「全国株式電話相談室」なんてラジオ番組もいけるのではないでしょうか。
TBSで「全国こども電話相談室」を聞いていたのは確か「団塊の世代」の人たちだったように思います。
先週は「引越しの日」(14日)に、倉庫・陸運セクターーが買われました。
「鉄道記念日」(15日)に鉄道セクターが上昇しました。
今週は「貯蓄の日」(17日)から始まり「明かりの日」(21日)で終わります。
とすると・・・。
銀行が頑張って、電力・ガスが後押しするなんてシナリオもありなのでしょうか。
その昔、雪の降る日に「雪印」なんて機関投資家のファンドマネージャーに話して、結構オーダーがきた記憶がありますが・・・。
(特にオイルマネーや台湾マネーは本物の雪が好きでしたから。もっともこれはマーケットを冒涜しちゃいけないと株の神様に叱られそうな話ですね)。
「日はまた昇る」のビル・モッテン氏は「日本はカメ、中国がウサギ」として分析しています。
「日本の昔話では“カメ”は競争に勝つことになっている、しかし“カメ”はそれだけではない。潜在能力のシンボルでもあるのだ」。
どう考えても、日本は明るいのではないでしょうか。