「投資家不在」(いちば)(2006年02月06日)
立春を過ぎたというのに、寒い日々。
マーケットの暖かさとは裏腹です。
日曜日のサンプロを見ていたらみずほの前田氏が登場。
1兆円増資の毀誉褒貶はともかくとして、結果は大成功。
結果を出した顔が誇らしげでした。
感嘆したのは、朝の出社は6時半。
誰よりも早く暗いオフィスに出社し、コピーや電灯をつける姿は、明らかにサラリーマンではなく経営者。
この姿勢は大切です。
過酷な労働を強いるつもりはありませんが、経営者と労働者の違いはまさにココ。
日経新聞の調査では、37%の人が自分は下流と考えているという結果が出ていました。
経営者意識を持って行動した上での下流は問題です。
でもそうでないのなら・・・。
自虐的な下流意識は必要なしではないでしょうか。
あるデイトレA氏から怒りのメール。
「評論家のB氏と助言契約を1年ほどしていました。
言うことはでかいが奨める銘柄はセコイ。
大きいことを言って強気を示すくせにほぼ毎週のレポートではセコイ小型銘柄を推奨してくるのです。
また私は一番会費の安い毎週1回レポートを受け取るだけの会員でしたが、どうも会費の高安で優遇度が違うと感じました。
それは経営者にとっては経済合理性に沿った行動と言えるのでしょうが、高い会費の会員に安値を仕込ませた後、安い会員にその銘柄を推奨する、というパターンがあったように感じます」。
今でもこんな投資顧問が横行しているとなると、まともな投資顧問には迷惑な話です。
外資系アセットと国内証券の記者会見。
「ウーマノミクスに着目した」ファンドの設定発表会でした。
1月の募集金額は556億円とのこと。
すべてが純増ではないでしょうがそこそこの額でした。
投信の新規購入層は約2割といいます。
ただ、平均年齢は60歳代。
ここが依然として投信の問題点と思いました。
ただコンセプトは面白いもの。
「女性力と女性力スコア」が銘柄選択基準。
キーワードは「消費力」と「労働力」。
ここまでは「売り手の論理」としては及第点。
だが、本当の意味で、コンセプトを理解した投資家の増大を望みたいところ。
「投資家不在」がまだ気にかかるtころです。
席上、あるフリーライターは「どんな銘柄を買うのか」との質問。
今日設定の投信の銘柄は常識的には質問しません。
それは、巨額の資金を動かす投資家に向かって「どの銘柄を買いますか?」と聞くようなもの。
答えられる筈がありません
聞く前に自分で勉強するのが筋。
女性採用比率や管理職比率、育児休業などとコメントしているのですからスクリーニングすれば自ずと見えてくる筈。
その意味では、マスコミのレベルは低いと言わざるを得ません。
売り手の論理横行とレベルの低いマスコミで、投資家はますます不在となってしまうかと思うと悲しい限りです。
先日、大阪でセミナーを行いました。
終了後、杖をつかれた重厚な紳士がこういわれました。
「あんたの話は、ことごとく胸に突き刺さった」
怒っているのかと思うとまったく逆。
「長年株をやっておるが、本当に株価が上がりきるまで買えない。
直そうと思ってもなかなか出来ないもんや。
本当に同じ銘柄を買っても、天と地の差になる。
それと、株は麻薬みたいなものやなあ」としみじみ。
去り際に「ほんでも今年も儲けるで」と。
こういう投資家の論理を専門家や評論家にも幾分かは理解して欲しいものです。
3月からは地方行脚の予定。
たくさんの投資家の地に足のついたご意見を伺ってこようと考えています。