詩と真実・・・

マーケット三国志

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2006年05月30日

「小さい」(いちば)

世界は鉄鋼業界の動向に一喜一憂。
そしてマーケットも・・・。
ミタルによる買収を避けたアルセロールが擦り寄ったのはロシアのセベルスターリ。
その会長モルダショフ氏は「ロシアの若き鉄鋼王」として日経に紹介されています。
殆どホワイトナイト状態であり、ロシアの国民的英雄と化した感。
面白いのは、なぜセベスターリの大株主となったのか?
わずか10年前の出来事ですが、その経緯が明らかでないとことが興味深いところ。
もはや忘却の彼方になった「ペレストロイカや「グラスノスチ」の結果なのでしょうか。

ところで・・・。
「鉄鋼王」といえばアメリカのカーネギー。
鉄道に目をつけ、鉄に目をつけ、最後はほとんど「寄付王」でした。
アメリカンドリームの実現者であり、事業の成功者は「社会貢献」へと進むという道を作った先駆者とも言われます。
歴史の継続上に現在があることを考えると、「若き鉄鋼王」の帰趨は興味深い。
関西の電鉄会社を左右しているファンドの動向などは所詮小さい世界の出来事に思えてきます。

それに・・・。
純利益1000億円企業数が43社と昨年から倍増しました。
初登場は、信越化学、商船三井など。
トップはトヨタ。
1兆3700億円余りはダントツである。
だがそれでも世界ではベスト10に入らない。
トップのエクソンの3分の1に過ぎない。
伸び率の高いのは、JT(前年比222%)、野村(同221%)、アステラス(同207%)など。
今期は純利益1000億円クラブのメンバーが100になることに期待したいものです。

「小さい」(いちば)

世界は鉄鋼業界の動向に一喜一憂。
そしてマーケットも・・・。
ミタルによる買収を避けたアルセロールが擦り寄ったのはロシアのセベルスターリ。
その会長モルダショフ氏は「ロシアの若き鉄鋼王」として日経に紹介されています。
殆どホワイトナイト状態であり、ロシアの国民的英雄と化した感。
面白いのは、なぜセベスターリの大株主となったのか?
わずか10年前の出来事ですが、その経緯が明らかでないとことが興味深いところ。
もはや忘却の彼方になった「ペレストロイカや「グラスノスチ」の結果なのでしょうか。

ところで・・・。
「鉄鋼王」といえばアメリカのカーネギー。
鉄道に目をつけ、鉄に目をつけ、最後はほとんど「寄付王」でした。
アメリカンドリームの実現者であり、事業の成功者は「社会貢献」へと進むという道を作った先駆者とも言われます。
歴史の継続上に現在があることを考えると、「若き鉄鋼王」の帰趨は興味深い。
関西の電鉄会社を左右しているファンドの動向などは所詮小さい世界の出来事に思えてきます。

それに・・・。
純利益1000億円企業数が43社と昨年から倍増しました。
初登場は、信越化学、商船三井など。
トップはトヨタ。
1兆3700億円余りはダントツである。
だがそれでも世界ではベスト10に入らない。
トップのエクソンの3分の1に過ぎない。
伸び率の高いのは、JT(前年比222%)、野村(同221%)、アステラス(同207%)など。
今期は純利益1000億円クラブのメンバーが100になることに期待したいものです。

2006年05月22日

「祇園精舎」(いちば)

日経「私の履歴書」では信越化学の金川社長が「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という平家物語の一節を引用しています。
本来の意味での引用でした。
平家物語の書き出しは「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」。
この祇園精舎は京都祇園の歓楽街かと筆者は長らく思っていました。
実はインドの庭園(祇樹園)のことだそうです。
そして「精舎」は仏教の修行をする「道場」とのこと。
巷の紅灯とはまったく違うものでした。
結構誤解されている向きはありそうです。
マーケットでもこういう誤解や錯覚は多いに違いありません。

最近の書店を覘いてみると、結構面白い本が出ています。
たとえば・・・。
「えんぴつで奥の細道」。
芭蕉の有名な旅行記を題材にしたペン習字の本。
奥の細道を読みたいのならば、廉価な文庫もありますが、立派な装丁の1400円の本が売れています。
同様なもので「書き込み式『般若心経』」というのもあります。

もう一つ。
「大人のためのぬり絵」。
京都やパリ風景や名画などのいわば「ぬり絵」。
バンドーム広場などは、旅行したことのある向きには懐かしい風景。
ホテル・リッツの微妙な色合いが結構難しいもの。
これも売れています。

このところ続いた「脳力」ブームや「数独」「ナンクロ」などもこの類。
忙しいそうに見えますが、人は結構ヒマなのかと思わざるを得ません。
意外なブーム。
そういえば、化学や物理の教科書も結構売れているようです。
「文化と教養」志向なのでしょうか。
確かに、試験さえなければ、古文も理科も面白い筈です。

週末に東証ホール。
評論家氏のトーンは「歴史を勉強しなければ・・・」。
個人投資家は「今が買い時」「もう底」と元気な姿。
追証の対極でした。

明けて月曜日。
彗星の衝突説やらイランがらみでの取引停止などベア観測は数知れず。
底打ち感で買った向きの投げが加わり大幅安の展開。
それこそ「祇園精舎」での修行はまだまだ必要なようです。

2006年05月15日

「歴史と伝統」

FRBの歴史を見てみると・・・。
とは市場筋からのメール。
歴代の議長は就任後まもなく金融危機に見舞われてきました。
1978年3月に就任したミラー氏の場合は、就任から3カ月後に巨額の貿易赤字を背景としたインフレによりドルが暴落。
1979年8月に就任したボルカー氏は就任時に9%だった長期金利が5カヵ月で14%に跳ね上がり、債券市場が暴落。
金融機関が連鎖破綻しました
1987年8月に就任したグリーンスパン氏は2カ月後の10月にブラックマンデーが来襲。
バーナンキFRB議長は今年2月に就任。今回も米国のトリプル安が警戒されているといいます。
マーケットはある意味で勘と度胸の場。
勘は記憶力、度胸は推理と置き換えると、確かに過去の経緯は重要になります。

京都では「葵祭」。
1400年前に「鴨の神」の怒りをしずめるために行われたという由緒ある儀式。
都大路を平安朝のそぞろ歩きで下鴨神社、上賀茂神社へ。
「今昔物語」にも記された祭りの中の祭りです。
この歴史は、世界に誇れるもの。
実際に見てみると、上賀茂神社の奥では山にいるという神様に魚や米などを捧げています。
興味深いのは大蒜。
神様とニンニクのアンバランスがなんともいえません。

ベストセラーの「国家の品格」でも藤原正彦氏は指摘しました。
「跪くもの・・・それは伝統」と。
これは重要。
「美と歴史と文化」。
株式市場からは対極の存在ですが、これが国家の根幹であるという見方は鋭いものです。

機械受注で下げたかと思えば、先物で1000枚が2本で上へ。
前日比マイナスとはいうものの、引け高値。
この理由は何なのでしょうか?
外人も含めて「テクニカル」とは言いますが・・・。

2006年05月08日

「明けてみて」

GW最後の日曜日。
銀座で株式セミナー。
雨の日曜日というのに、満員状態。
投資家は熱心です。
もっとも、連休中、毎朝NYと為替が気にかかり早朝から日経CNBCウォッチング。
筆者を含めて、株病患者は結構多いものと実感しました。

ところで・・・。
たいした用事もなく連休を過ごしていて感じたのは、平日の昼のテレビの何もないこと。
毎日、平塚殺人事件の繰り返しで、役立たない知識をたくさん得ることができました。

その他では表参道の地下鉄出入り口にシトローエンが突っ込んだ事故。
あの狭い階段を良く下りられたものと感心させられました。
兜町に長く棲息している人の言。
「せいぜい3メートル位しかないところに2メートル程度の幅の車がよく入れた。
酔っ払い運転でも腕は確かなもの。
株式市場も、ときどきこういうピンポイント材料銘柄がある。
見事に嵌ることから止められない。
しかも、傷も少ない。
そういう銘柄に遭遇したいもの」と。
ここにも病気があるようです。

先週、ある社長とのミーティング。
現在は六本木の住人ですが、そろそろヒルズからは引っ越したいとの話。
ホリエモンの戻ったヒルズは人気がないようです。
これは、銘柄にもいえるところ。
この数日の活躍企業は、六本木や渋谷ではなく、丸の内、大手町、日本橋企業が多いように思えます。

アメリカ株についての外資家のコメント。
「米株は買われすぎの面はあるが、まだまだ強い。
金融セクターや薬品セクターに妙味。
ヘッジファンドはNY株売り、円ユーロ買い姿勢。
米国債も売りで動いており、ショートカバーの上昇期待がある。
株式投信への資金流入は継続。
ただし、外国株投信が多い」。
これは・・・。
東京市場にも当てはまるかも知れません。

2006年05月01日

「昼下がりの仕掛け」(いちば)

今年初の真夏日となった兜町。
昼休みに仕掛けに出たのは、株ではなく為替でした。
113円04銭は1月以来の水準。
為替関係者は、ゴールデンウィークのカレンダーを睨みながらの茫然自失状態。
一方、株式関係者は落ち着いたもの。
仕掛けも見られず、小幅な動きを見越したかのように落ち着いた状態でした。

今朝の日経の見出しは「労働力人口8年ぶり増加。女性・高齢者活用進む」。
そしてサブは「企業年金利回り最高、23%。株高で運用好調」。
この二つをあわせると、巷に溢れているかに見える「漠然とした将来の不安感」はかなり緩和されます。。

少子高齢化社会の到来。
労働力の減少。
年金に対する不信感。
これが、日本社会の不安感の根源。
しかし、高齢者の労働場面が増加。
年金も運用の巧拙の問題で、問題が減ってくることになります。
となると・・・。
個人消費も拡大する方向となるし、明るい将来展望も描けてきます。
味な見出しの配列と言えるでしょう。

朝方の通勤電車。
6時台は普段と変わらず。
7~8時台は結構空いていたようです。
もともと朝の早い金融関係者は、9連休など関係ないということが良く理解できました。

ところで・・・。
ハイネも読んだ「美しい5月」。
むしろ懸念は外部材料。
イランの核問題などきな臭い匂いが漂いますが・・・。

ゆっくりと大局観を養うのもゴールデンウィークの得策。
美しき5月に沿った格好で何もサプライズのないことを願うだけ。
ゴール前のディープインパクトのように「このまま、そのまま」です。