詩と真実・・・

マーケット三国志

「封印」(いちば)(2006年06月05日)

商社マン氏から「The Historian」が面白いとのメール。
全米で昨年18週連続ベストセラーとなった逸品で、「ダヴィンチコード」をも凌ぐといいます。
原書にCDに翻訳といろいろ出ていますが、サブコピーが素晴らしい。
「『歴史家』それは歴史の謎解きに魅せられて、真実を捜し求める者たち」。
マーケットで言い換えれば「『投資家』それはマーケットの謎解きに見せられて、真実と利益を求める者たち」でしょうか。
ストーリーは、ドラキュラ伝説を追いかける歴史家の物語。
ペストや魔女狩りなど中世のヨーロッパが背景。
ここにも温故知新があるようです。

言ってみれば、村上ファンドもホリエモンもミステリー。
真実がどこにあるのかは、きっと永遠に封印されるに違いありません。。
そして・・・。
最後には風化する。
これが現実なのでしょう。

「他人の不幸は自分の幸福」といったような感じで、とにかく村上ファンド一件落着。
市場関係者は、いくらか安堵といったところ。
マーケットの先達のコメント。
「ライブドア事件がこれでやっと終結する。
相場に与えるインパクトにおいては十二分に効力を発揮した。
週末の前場は無差別売の恐怖相場となった。
いわゆるセリングクライマックス。
複数の証券会社からの出来高情報では前日までの倍の手数料とのこと。
これは『投げさされた相場』と判断。
各指数は大暴落から大暴騰しており、これは調整完了と判断できる」。
そして・・・。
「この値幅整理のお陰で相場の寿命は大きく伸びる。
今後2年間くらい日本の株式相場は安定して上昇波動に入れると見る」とのコメント。
やはり、兜町。
どうも実態とは違うような気がしますが・・・。

問題は海の向うからの目。
「M&Aのやりにくい市場」と見るか。
あるいは「厳格にルールが適用される市場」と見るか。
この見方によっては「天国と地獄」となります。
希望的には「曖昧模糊が排除された」と見て欲しいところ・・・。
だが社会保険庁のやり口なども報道されているとすると、そう甘くはないでしょう。

秋田では、33歳無職女性が殺人で逮捕。
この数週間、傍目で見ていてもわかりやすい推理劇でした。
限定された情報でも読める筋。
そのココロは「娘を殺された母親が、マスコミに登場する時にモザイクは不自然」。
「どこか変」はやはり変なのです。
これはマーケットも同様。
もっとも・・・。
マーケットも、このくらい読めるといいのですが・・・。

それにしても村上氏。
白洲の前での「恐れ入りました」はなかなかの演出。
東証はカメラの列とフラッシュの炸裂。
事情のヘリコプターも印象的。
まるで、現代の「遠山の金さん」を見るようでした。