詩と真実・・・

マーケット三国志

「原点」(いちば)(2006年06月26日)

6月25日というのは結構懐かしい日です。
丁度6年前。
世の中は、インターネットでの株取引が出始めた頃でITバブルのほぼ最終段階。
新高輪プリンス飛天の間で行われたあるインターネット証券のインターネットトレードフェアを訪れた投資家は、何と1日で1万人。
開場前から会場を取り巻く人で溢れていました。
今では、当たり前と化したネット取引も、当時は、どうすれば出来るのかという人々が圧倒的でした。

ホリエモンも村上ファンドもまだまだ知名度ゼロ。
ITの旗手としてはソフトバンクだけが輝いていました。
今から考えると牧歌的な時代となります。

6月25日日曜日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」。
竹中氏に財部氏が迫ったのは「木村剛の問題はどうする?」。
久々に核心に触れたかと思ったのも束の間。
田原氏は話題を転換。
結局は、雲散霧消してしまいました。。
田原氏の問題意識が別のところにあるのかどうかは定かではありませんが、この遮断は奇妙でした。
結局は限界なのでしょうか。

マスコミということで考えると、アメリカのニューヨークタイムズは4月から株式の相場欄を廃止しました。
すべてネットへの移行。
日本で繰り広げられている相場欄の充実合戦は、殆ど意味をなさないことになります。
依然として、アメリカで起きたことは日本で起きる訳ですから・・・。

そういえば高杉良氏原作の「不撓不屈」の主人公ともなったTKC創業者の飯塚毅氏は、アメリカの会計事務所のあり方に学んだと書かれています。。
銀行がコンピュータで会計事務所の領域を侵食していく姿を見て、日本でも計算センターの設立が必要と感じ実践したとされます。
この「勘」というか「感覚」は、やはり大切です。
「先駆者の悲劇と「成功」は紙一重。
これは株式市場でも同様でしょう。
ただし・・・。
徒な先駆者感は、かえって失敗の元ともいえますが・・・。

落語の「近日息子」。
近日とは近いうちだと教えられ何でも気をきかして、言われる前にしなければ駄目だと父親から言われた息子。
「叱言を言っていると、具合が悪くなっちまう」という父親の言葉を聞いて、早速医者を連れてきたり、葬儀屋を頼んだり・・・。
長屋の連中がお悔やみまで言いに来る始末。
表に「忌中」とあるので息子を叱りつけるが・・・。
そこには「近日忌中」と書いてありました。
株の世界にも通用するような噺です。