詩と真実・・・

マーケット三国志

「元気」(いちば)(2006年08月07日)

あまり評価されていませんが「厚生年金2年ぶりに黒字」の見出し。
サブタイトルは「株高で8兆9500億円。国民年金も赤字抜け出す」。
「今後も好調な資産運用が続けば、保険料引き上げ幅の圧縮など制度改革に影響を与える可能性」とのコメントでした。
この「運用」の部分が年金論議に欠落しているということが意外と議論されません。
少子化や高齢化ばかりがクローズアップされますが。年金の資金運用は軽視され過ぎの感。
受託者責任が問われなければ、それこそ埼玉・ふじみ野市の市民プールのように「無責任」となってしまいます。

非鉄の専門家の指摘。
「生産者のヘッジ売りが劇的に減っていること。
逆にヘッジ売りポジションの買い戻しが増加していること。
これがブルマーケットつの要因の一つと見られる」。
株式市場に生産者はいませんが、「先高心理は売りを消す」というのは古今東西の歴史的事実。
エクイティに欲しいのはこの心理。
そして、こう付け加えられています。
「相場が上がるうちは生産者も売らない。安くなると売る。奇妙な行動である」と。

日本がまだバブルの余韻に浸っていた頃のNY。
ソーホーのアパートでボンドディーラーとエンパイアステートビルを眺めながら飲んだことが甦ります。
頃は秋口。
ボントレ氏は「年末にはレイオフだ」と真剣に悩んでいました。
そして・・・。
年末に確かに彼は職を失いました。
でも・・・。
その後まもなくのクリントン政権誕生以来、NY市場は殆ど明るい展開。
そして、へこみ続けた東京市場。
シニカルに考えれば、米国経済の繁栄が日本経済の疲弊の延長線上にあるともいえます。
ならば・・・。
米経済の適度な失速は逆に東京にプラスであるとも言えます。

週末からの日経1面の見出し。
土曜「上場企業15%経常増益」。
日曜「日経国際版バンコクで印刷」。
今朝「景気拡大1年以上続く」
そして社長100人アンケートの結果は「人出不足4割」。
企業は儲かっている。
アジアへの日本企業進出効果は顕著。
国内景気も良い。
ならば・・・。
見えない影には覚える必要はないとも言えます。