本日は会員向けレポートを書きますから、あまり時間がありません。何しろラグビーも観戦したいのです。まさかの連勝ですから…株と同じで、事前予想など当たりませんね。常に臨機応変で臨まねばなりません。注目されていた雇用統計値は予想数字より悪かったのですが…失業率は改善しています。しかし時間当たりの賃金は横這いだそうです。
此処で、なにか変化に気付きませんか?
ADPの数字は14万の予想に対し13.5万と悪化したために、株価は大きく続落しました。しかし本番と言うか…、正式な雇用統計値の事前予想は14.5万人に対し13.6万人増となり、予想に対する実績値は、雇用統計の方が悪いのに…何故か、株価は上昇しています。失業率が3.7%から3.5%に改善されたせいかもしれませんが…この株価の反応は納得できますか?
株式市場の解釈って、面白いでしょう。今は、景気後退の現実悪の度合いと、未来の希望に対する金融相場への期待(利下げ期待)の綱引きで、市場の反応を見て、これからの政策が、決められていく様を感じて欲しい現象なのです。
基本的に日本人はネガティブな観方ばかりをします。長い失われた時代の影響が、一番大きいのでしょうが…基本的な日本人の性格です。一方、米国は長い名目時代の継続で、市場原理が根付いている国です。この違いもあります。
昨日のレポートで、大きく分けて2つの流れを説明しました。他にもあるのですが…レポートの解釈度を高める為に、この2つに絞りましょう。昨日のレポートでカタルは世界景気の改善、つまりスマートコミュニティーに向かう景気拡大期の流れ(カタルの進化論)と…、もう一つは、日本が長い失われた時代から抜け出す「実質時代から名目時代」の流れの2つを採り上げました。
レーザーテックが話題になっていますが…まるでVテクの大相場を見ているようです。この株式は、進化論のラッセル組と言うか…トップバッターです。5G投資に欠かせないスマフォ向けの微細加工のマスク検査装置の雄です。(でも昔と違い弱気相場でもこんな株式があるのですね。やはり時代はもう変わっています。)
今の時代は、日経新聞の一面にアイフォーンの増産報道があるように…村田製作などが人気株になって来ました。先日、カタルは高周波フィルターの話を紹介しています。TDKに対し、日経新聞の無借金企業への報道の仕方を揶揄した時に、その話を紹介しました。この日経報道は26日で、カタルはそれを27日に批判しレポートを載せ、村田は28日に関連レポートを紹介しています。
いちいち自分の行動を証明するようで、心苦しいが…いつも事前にカタルは未来図を考えている為に、新聞報道の前に…様々なレポートを書いています。要するに…読者の利用の仕方の問題です。世の中の「情報」と言うのは、諸刃の剣なのです。扱い方次第では武器にもなりますが、使い方を誤ると己自身を傷つけます。
だから証券マンのアドバイス料が高いのです。対面営業の株式売買の手数料は約1%です。この手数料には、相談料が含まれます。ネット証券の手数料は安いですが、相談料は含まれません。米国では既に手数料の無料化が進んでいます。本来の情報料は、概ね…資産残高の2%程度かな? 尚且つ、儲かったら、その2割は成功報酬になっています。
ヘッジファンドの最低の預かり高は、大概1億円辺りでしょう。つまり年間で固定手数料が200万円、これは失敗しても取られます。
尚且つ、成功報酬制度が加味され、倍増すれば2000万程度が、他に取られます。つまり合計で2200万円です。この辺りが標準的な料金と思われます。でも倍増なんて、あり得ません。2018年は平均で8.2%のリターンだそうで…最高は53%増だったようです。
また話が、他に飛びましたね。戻しましょう。そうだ…進化論と名目時代入りの話をしていたのですね。
進化論は通常の景気循環(在庫循環)にコンドラチョフの波が被っている訳です。一方、日本の場合は、独自の展開があります。清貧思想の実質成長を重視した世界から、希望が溢れる名目成長を重視した名目時代入りです。近年、サラリーマンの給料は、僅かながら上昇し始めています。統計では2%~3%程度の上昇です。
介護の世界では、10年以上の勤務職員は月間で8万円の昇給だそうです。ですから年間では96万円のアップになります。何しろ…10年以上の介護職員と言っても…年収は500万円程度の世界ですから、96万円は、20%近い昇給になります。この財源は政府支出で、1000億円が予算から捻出されます。もともとが…低かったのです。
実は、カタルがワクワク感を感じている背景は、テクニカル面の空売り残高の動向もありますが…そんな事より、より確かな内部留保の積立残高の話です。安倍さんは、企業の現預金「240兆円も企業が保有する現預金を、新たな研究開発や長期的投資にいかに回していくかが日本の将来を左右する」と話しており、企業の投資促進に対し報告をまとめる方針と伝わっています。此方の報道が良いかな?
この現預金ですが、日銀の資金循環表では266兆円(2Q)になっています。たぶん安倍さんの引用は期末数字かな? まぁ、どっちにしても非常に大きな金額です。先日、発表された法人企業統計で、企業の内部留保は463兆円と述べましたが、基本的に、企業は必要のないお金を積み増しています。
だからヘッジファンドから、企業統治を揶揄され…ソニーはオリンパス株を売った訳です。更に日立は、日立化成を売却するのです。
このコーポレートガバナンスと呼ばれる企業統治の話は、これからもどんどん時代の流れですから…話題になり、ニュースとなって流れてきます。最近、問題化されている村論理の関西電力の話は、吉田開発に税務調査が入り、それが発端になって…表に出た問題です。時代が要請しているから、大きな話題になり問題化されるのです。そうして、この報道が問題の解決になり、時代が更に進化します。
この辺りの考え方が非常に重要です。此処で失われた時代の就職氷河期を想い出してください。電通の新入社員だった高橋さんの自殺の話が、ヤマと運輸の話に繋がり…非正規社員の同一労働、同一賃金の話に繋がっています。
この原因の…最初の発端は1993年かな…パイオニアの指名解雇から始まったのです。あの時の日本は終身雇用制度、年功序列が色濃く残っていたから、パイオニアはメディアから集中砲火を浴びました。仕方なく…企業は泥沼の戦いを強いられます。
どんどん生産性の低い(利益率の低い)労働集約型の産業は中国に流れ、「失われた時代」になります。空洞化の話です。この流れが2010年の日産マーチの移転の話でピークアウトします。そうして2年後に安倍政権が誕生し、2013年に量的緩和がスタートしました。しかし未だに企業内部留保はどんどん貯まり豊かになりましたが…「流動性の罠」から抜け出せませんでした。
ここに…レオパレス21やLIXILの話が登場します。この話はコーポレートガバナンスの話です。つまり関西電力の話と、同一の流れなのです。この話がこれからどう変わるか? 此方の報道を…繋ぎ合わせましょう。WSJは有料かな?カタルが語って来た事が、書かれています。最後にこの記事はこう結んでいます。
「日本政府は消費増税という過ちを犯しており、個人消費は打撃を受ける恐れがある。だが株式市場は経済とは異なる。日本株の投資家は、ガバナンス改善という容易に達成できる果実を摘み取ることで、長期的に堅調なリターンを期待できるだろう。」最後の部分だけ、コピペ(コピー&ペースト)しました。
その結果は、最近は、こう言う事態が生まれて来ています。此方の報道をご覧ください。この企業統治変革を見て、世界のヘッジファンドは、続々と日本株を長期投資するのです。だって、先日のような報道が増えてきます。此方です。
実は日経新聞(スクランブル)の「先の先に強気論」の背景には、こんな時代の流れが存在します。
だからカタルは、歴史的な大相場が訪れる…と、読者に丁寧に解説している訳です。さて、此処までは公開情報として、皆さんに公開します。非常に重要な基礎的な考え方です。この2つの流れをどう解釈するか…。皆さんに未来のストリーが見えて来たでしょうか?
馬鹿は、直ぐに目先の株価がどうのこうの…と言います。でも基本方針から確りした概念を持ってないと…株価の僅かなブレに、心が揺らぎます。そうして売った所が安値になり…折角の大相場を逃すのです。でも確りした考え方の背景があるなら、多少の株価のブレは容認できます。あとは、それぞれが持つ個人の力量問題です。
進化論の1年半は長かったけれど…ようやく本格的な出番がやって来ます。同時にそれ以上に、カタルが何故、会員向けに臨時のレポートを発行したか? その意図が分かりますかね? これから会員向けのレポートを書きます。
本日も、アップが遅くになるかもしれませんから…会員の方は、明日にでも、お読みください。