カテゴリー:今日の市況

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かたる:面白い実験ですね。この年になり、ようやく経済学の焦点が理解できるようになってきました。カタルが証券界に入社した時、最初の研修で、大和証券のアナリストから教わったのが、利上げなどの金融政策と株価の相関関係でした。基本的に利上げは株価にマイナスで、利下げはプラスと言うものです。こんな…経済学の小学生でも、分かる理屈が理解できなかったのです。如何に、いい加減な大学生活を送って来たか? 社会人になり株式投資を薦めるに辺り、いろんな勉強をしてきました。たぶん、今では高校生辺りで習う有名な「フィリップ曲線」が、今の米国経済の論点になっています。この意味は失業率と物価の相関関係を説いたもので、基本的に失業率が下がると、物価が上昇すると言うものです。

失業率が下がると、雇用確保から賃金が上昇し、可処分所得が増えるから消費が増え、やがて物価も上昇すると言うものです。これが一般的な世界の経済です。過去、この過程の中で人類は暮してきました。日本も失われた時代に入る前は…この好循環で所得は増え、最終的に豊かになったのです。しかしバブルの発生から崩壊の過程の処理を間違ったため、デフレの「失われた時代」に入りました。故に共産国家のような…政府の要請で3期目の賃上げが求められている訳ですね。非常に…ここは重要です。わが国の失業率は低いのですが…実際は、昨日もドンキホーテのようなブラック企業問題が報道されています。つまり見せかけの失業率推移ですね。デフレ脱却など…お飾りのお題目なのです。

実際、消費税の引き上げの時に、一時的に食料品価格などが上がりましたが、消費者物価は低迷を続けています。なかなか「流動性の罠」から抜け出せないのですね。人口問題から消費が低迷し、国内需要がないから、経営者は国内の設備投資を出来ないと言いますが、我が国の社会基盤は、戦後構築されたもので…その多くが、更新需要を迎えています。石油化学なども、老朽化した生産設備を使いまわしているだけ…修繕費しか計上していませんから、効率は落ちるし、事故は多発しています。しかし経営者は、失われた時代で洗脳され…保身に傾き内部留保を貯めこんでいますね。事実、竹中平蔵の強引に実行した、貸し剥がし政策の為…健全な企業が、僅かばかりの回転資金を調達できずに、倒産して行きました。

ベンチャリは、無借金だったのです。ダヴィンチは収益還元法価格で不動産を買い、借金の返済は順調だったのですね。それを…政策で潰したのです。武富士もそうですね。法令を改正し、過去にさかのぼって適用しました。鐘紡などは、良いケースですね。民間企業が手を挙げて再建すると言っているのに…強引に、産業再生機構だったか? しゃしゃり出て来て…壊したのです。今は花王の傘下に入りましたね。最近の事例ではルネサス、ジャパンディスプレーなどもそうです。アークもそうですよ。要するに借金を権力で棒引きにさせ、解体し儲かる所を残し、規模を縮小して、最後は民間に払い下げです。

今はシャープが…このターゲットになっています。呆れる共産国家の論理です。日本村論理が正しいのかどうか…。外資の参入を否定して、いい訳を繰り返し…最後は駄目になるとエルピーダのように…見放すのです。奉加帳方式です。「元」を糺さなくては、駄目なのです。資産デフレが問題だったのです。失われた時代で、損失を被った土地資産価値は1300兆円もあるのです。20年の償却で、毎年65兆円が、失われたのです。これじゃ…みんなが損失を受けますね。

WSJの此方の記事を見てください。強烈ですね。『日本から海外企業にメッセージ「立ち入り禁止」』と報道されています。カタルが江戸から明治の移行期間に流れた時間、尊王攘夷から開国論に変化する姿と、ダブると述べている理由が分かると思います。もともと改革派は…最初は、みんな攘夷派だったのです。故に外国船と戦争を始めるのですね。しかし、いつしか…その急先鋒は、開国派に姿を変えます。このシャープのケースは、明らかにホンハイの提案が有利です。日経新聞によれば、銀行の持つ優先株も無償処理ですね。しかしホンハイは買い取ると言います。銀行団は水面下の交渉が表に出れば…上場企業なので、有利な方を選ばねば…株主代表訴訟になります。奇しくも…三菱UFJは社長交代です。村論理の「江戸・長崎」は通用しませんね。

かたるも琴奨菊が、優勝して嬉しいのです。しかし…日本人は、自ら襟を正さないと…新しいステップを歩めません。スマートコミュニティーと言う社会に向け…僕らは恐れずに…積極的な変化を許容しなくてはなりません。先ずは市場経済の株式市場で…この論理が試されているのです。シャープは…その案件ですね。ホンハイに任せればいいのです。彼らなら…株価を1000円にしてくれるかもしれません。日産自動車は立派に立ち直りました。しかしカネボウは消えました。おかしな論理の痛み分けは止めましょうね。

話しは大きくそれましたが…冒頭のフィリップ曲線の話です。確かに米国企業の収益動向を見ると2四半期でマイナスに落ち込み、実質的にリセッションと呼ばれても不思議ではありません。今晩かな? 米国のGDPが発表されるそうですが…企業の収益はマイナス圏ですが…GDPは若干のプラス予想です。この掲載記事は此方です。

しかしロイターのイエレン時間の読みは面白いですね。此方がその原文です。つまりイエレン氏は、未だにフィリップ曲線効果が存在すると考えている訳です。この考え方はあり得ますね。だから原油価格が落ち着くと…途端にイエレン時間が正しく見えるかもしれません。更にジョージ・ソロスと中国当局の対立も面白いですね。労働集約型の産業は、中国から撤退し、ベトナムやバングラディッシュなどに移転しており、人件費が上がったこのタイミングで、元安に賭けるシナリオは、嘗てイギリスを負かした男らしい発想ですね。

でも…カタルには、ジョージ・ソロスの発想も理解は出来ますが…論理的な矛盾を感じます。日本ほど、中国は馬鹿ではありません。株価は下げており…、詳しくないのですが…論理的に、どの水準が妥当かな…。あまり見たことがないのですが、基本的に、6%近い成長率なら…少子化などの矛盾を抱えていても、直ぐにおかしくなりませんね。土地などの資産価値も戸籍制度の問題もあり、直ぐに大きく下落するとも思えません。構造改革が必要なことは事実ですが…ソロスの主張には、外貨準備も豊富にあり、今の段階では無理があります。

やはりイエレン時間が、到来する可能性も否定できませんね。ロイターのレポートを興味深く読んだ次第です。もともと単純な金融政策ではなく、量的緩和まで追い込まれたのですね。ゾンビ対策効果の方が、若干の低迷に勝る効果があるようにも感じています。この辺りの結果が分かるのは…ずっと、後の話です。早くて、今年後半でしょう。あるいは…もっとずっと後かも知れません。今回の論争は…非常に面白いですね。

カタルは金利より、マネーそのものの量が、問題だと思っています。マネーストックが景気を左右すると思っています。春闘を控え、大切なこの時期に量的緩和を実施すべきですね。一部で、無効論があります。政策を発動しても効果がないと…効果がなくても良いのです。決意を示せばいいのです。あまり考えられませんが、FRBが再び利上げに動いたら…その時に、また考えればいいのです。アナリストの中でも、保身的な村論理的な考え方をする奴が、いっぱいます。馬鹿ですね。

日銀に、不可能はないのです。とくにインフレにするのは…そんなに難しくありません。ガンガン資産を買い、需要を創設すればいいのです。いくらでもやり方があります。無限ですよ。だって…お金は無限に刷ることが出来ます。民間論理と違いますよ。あなた方の懐とは違うのです。良識など、捨てればいいのです。既に財政ファイナンス状態なのですから…。

WSJが連続して…シャープの追加報道をしている様に、この問題は非常に大きいですね。アベノミクスの真価が…、至る所で、試されています。甘利さんは残念でした。折角、TPP交渉を纏め、歴史的な貢献だったのに…。何故、こんな評価になるのでしょう。政治の世界を知ればいいのです。政治家の周りには、政治ゴロと呼ばれる金食い虫のヤクザまがいの連中が、大勢いるのですね。こんな事を知らない筈がないメディアですね。如何に、日本のメディアは、質が悪いか? 失われた時代の主犯は…メディアなのです。この村意識の組織が、改善されないと駄目ですね。ほんとうに…困った連中です。それでは…また明日。



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