カテゴリー:株式教室

時代が応援部隊を更に呼ぶ…

残念ながら、公認会計士からのメールはなく…本日は独自の分析です。やはり東邦チタンの今期売り上げ増は、おそらく機能化学品事業の売り上げ増を反映したのでしょう。サウジのプロジェクトの持ち分は35%なので…子会社ではなく関連会社扱いです。つまり売り上げなどは、加味されず…持ち分法が適用され、利益や損失だけが、特別利益の項目で決算に影響を与えるのでしょう。

東邦チタンの四季報数字

それでは…何故、四季報予測の387億円(今期は約372億円)から、430億円に売り上げが増収と見込んだのでしょう。2つのケースが考えられます。金属チタンの好調さを加味したか? おそらく…新建造したニッケル粉末の工場の増収分でしょう。

東邦チタンの決算短信

そう解釈すると…本日の日経新聞の記事である、村田製作の積層セラミックコンデンサーの好調さで、増額修正されている記事とも整合性があります。前期の131億円から151億円に機能化学品事業の売り上げが増額されていますが、新工場の稼働は昨年12月ですから、50億円程度の増収分が、主体になっている可能性が高いようです。(詳しい数字はIRから…此方です。)

一方、大阪チタンも好調な気配で…5円配当から10円に増額しており、スポンジチタン工場の稼働率が上がっていると言います。まだ、だいぶ生産能力に余力がありますが…確実に損益分岐点ラインを、上回って来たようです。この大阪チタンの業績とも整合性が見込めます。

つまり…カタルの観測通り、今期も大幅な利益の伸びが見込める背景は、間違いないと感じています。だから会社側の今期の一株利益予想は、サラリーマン社長特有の安全の糊代を、過大に見積もったのでしょう。どう考えても…儲かる分野の売り上げが、50億円も伸びることは確定しており…この部分だけで今期の数字を元に計算すると、大変な数字が既に見込まれそうです。

今期の機能化学品事業の売り上げ151.6億円の内、利益は49.4億円です。粗利益は32.59%です。たぶんこの数字を元に計算すると、売上数字が372億円から430億円ですから58億円弱なので、30%が利益として17.4億円ほど増額修正の糊代があります。今期の営業利益は39.3億円ですから17.4億円は44%分に相当します。ほら…ね。

やはり、どう考えてもPER評価は、この時期ですから…50倍ほどが妥当な水準でしょう。市況産業の立ち上がり場面のPERは50倍ほどで…ピーク時の評価はPER10倍でも高いかも知れません。現状のPER30倍程度の評価は、やはり間違っているのでしょう。故に時間の問題で、株価は2000円台に駆け上がると思っています。これは本当の狙いであるスポンジチタンの伸びを加味してない数字です。

狙いは、あくまで…米国の在庫が減り始めたチタニウムです。ボーイングの受注残は5800機と言いましたかね。年間の納期実績は800機ほどです。エアバスも同じような背景になっています。でも航空機の受注は、少し曖昧なのでしょうが…。でも凄い量を抱えています。貿易摩擦で中国の受注が消えても…目先は、暫く大丈夫でしょう。

前回より増産投資をしていますから、仮に市況価格が、前回のピーク時に近くなれば…溢れる利益が湧きあがります。だから数千円の株価の可能性も存在します。

事実、前回は…僅かな期間で20倍以上に株価が大化けしたのです。逆に市況ものは、あっという間に、赤字操業まで追い込まれます。リーマンショックの影響で…東邦チタンは6年もの赤字に追い込まれました。ハイリスク・ハイリターン銘柄なのです。故にカタル好みの銘柄です。

金曜日の市況には、驚きましたが…あのようなリスクも存在するとの認識が必要になります。僕らは、賢い投資家を目指しています。

金曜日に発表された大阪チタンの決算数字も、本日の日経新聞の村田製作の記事も…、一見すると、東邦チタンとの繋がりが一般の人には見えません。しかし積層セラミックコンデンサーにニッケル粉が利用され、村田などのメーカーから増産要請があり、新工場の建設に動いた事実を、僕らは知っていますから、日経新聞の報道を読み、直ぐに東邦チタンに結びつけることが出来ます。

相場論とは、何か?

このような様々な事象が積み上がり、時代の流れが決まっており、普段から、自分なりに世界経済の背景を理解してないと…相場の先が見えないのです。

カタルは、今は「債券のフラット化」(逆イールドスプレッド)の話題が、相場の焦点だと述べています。世界のドル債務は、およそ3倍に膨らみました。今は中国が果たして…耐えられるか? 非常に微妙な状況です。

故に習近平氏が正常の人間なら、米国に譲歩して、経済のソフトランディングを選択するでしょう。何も中国だけが問題ではなく、オーストラリア、カナダ、スウェーデンなどは住宅価格が高騰し…その終息に苦労しています。

良く経済を知っている人は、まだ逆イールドにもなってないのに、既に…55%もの投資家が弱気心理に傾いていると言います。理由は1‐3月期の運用成績が不振の為でしょう。ノルウェー年金の株式運用は、マイナス2.2%だったと言います。 僕らは、小野薬などが貢献して、損失を免れ…好調な運用成績になっていますが、一般的な運用レベルはマイナスなのです。

だから、なかなか市場は、ポジティブ反応を示しません。良い決算数字でも、上手く理解できず、ネガティブ評価を下す事が多いようです。事実、ファナックなどは、(カタルは決算数字を見ていません)寄り値が安く22485-24005-22390-23560の値動きでした。でもファナックは凄いのですよ。

クラウドでは解決できない問題を、AI機能を使った独自開発をしています。ファナックは、とにかく凄いのです。「フォグ」に実装した人工知能が現場をコントロールする「エッジヘビーコンピューティング」という概念を取り入れ…研究開発をしています。詳しく知りたい方は…此方の記事が参考になるかな?

このような基礎知識が背景に存在しないと…新聞記事を読んで、直ぐに株価との関連が見えないのです。株価は総合評価です。目先、減益予想だからと言って、その背景を読めないと株価の評価が出来ません。

何故、東邦チタンが1200円を割れたのに…プラス転換して、終わったか? それは…僕らの時代認識の方が、売り仕掛けをした連中より、勝っていたからでしょう。時代推移が、株価を更に押し上げる…後続の「応援部隊」を引き連れてくるのです。

大成功を納めたVテクのケースを考えると…良く分かると思います。時代が株価を作るのです。 通常なら…一時的にせよ、一旦1200円を割れた株価が、プラス転換などはしません。時代の流れが株価位置を決めるのです。

本日は、昨日の宿題の連結会計の部分を勉強しました。持ち分法の適用です。サウジのプロジェクトの持ち分利益は、見込んでいません。更に上積み部分があるのでしょう。まぁ、稼働率が問題になりますから…会社側は無視したのでしょうが…。

僕らは、自分の頭で考える投資をして、時代の先を考えて行動をするのです。反対の人はジャンジャン空売りをすれば良いし…賛同される方は、自分の力量範囲を弁えて、自己責任を自覚して…投資に臨めばいいのでしょう。良いですか…当たり前の話ですが、カタルが、こう言っているとか…そんな事は、株価に全く関係ありません。自分が、どう考えてどう行動するかです。カタルは、その為の判断材料をカタルの独自分析で提供しているだけの話です。当然、この分析が間違っている可能性もあります。

それを、どう利用しようが…しまいが、それは、読者自身が判断する事なのです。自立した賢い投資家を、共に目指しましょう。それでは…また明日。



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