カテゴリー:コラム

夢と現実、揺れる心

昨日は終戦記念日で75年を迎えたと言います。最近知りましたが…カタルの同居するおぼぁちゃん(妻の母)のお父さんは、職業軍人でした。戦争で亡くなったのですが…未だに遺族年金が来ます。その額は年間5万円かな? 戦争で亡くなった家族に対して日本国は遺族年金を払い続けています。この時期は、いつも日本国の「選択の間違い」を考えさせられます。

しかし…日本と言う国は、いつも実力のない人間が上の重要なポストに付けるものです。本当に不思議なシステムです。歴史を見ると、様々な出来事が起こり、株式投資にも参考になります。昨日はリーマンショック時の「景気後退」期より、今回のコロナ騒動は早い立ち上がりになるとの観測でレポートを綴っています。

ようやく…赤字の決算発表を買って、実際に儲かるように市場が変化してきました。

カタルは、以前からソロソロ…の筈だと考えており、自動車関連株を「買っては投げ、買っては投げ」…と実際に自分で行動して、市場で流れる時間推移を観察を続けていました。

この「市場時間の把握」が、如何に大切か…。カタルの考える景気循環のスピードが、市場では、どのスピードで推移しているか? それを見ているわけです。闇雲に…売り買いをしている訳ではなく…事前のカタル独自の仮説に基づき…相場観は組み立てられており、その仮説を、実際に確かめて…身銭を切って勉強を続けています。

実は、先週末の会員レポートを書く上で、ロコンドについて書く「下り」があり、その持ち株数を確かめて、会員レポートで書きました。そうしたら…やはりカタルが推奨したのは、早かったようで…1月11日現在で、ロコンド株を、既に12500株を平均買値929円で買っているのです。1月の話ですよ。

しかし実際の相場の起点は、コロナ禍の最中でした。3月13日の時点では現物株を2000株889円、そうして信用で1500株を679円で買っていました。それから「ヒカル砲」が、さく裂します。たしか記憶によれば…一時は1万株以上600円前後で株を買っていた記憶があります。

カタルが何故、1月の段階で…「ロコンド」を買っていたか?

何度も述べていますが、売り上げの増加です。そうして「損益分岐点」の話を展開して、何故、有望だと思うか? その背景を解説していました。潜在成長力の話ですね。

市場で注目される前に、カタルはいつも事前に述べています。今回、悔しい思いをした「PSS」も、この会員のレポート銘柄です。ですが…今回のコロナ禍ではなく、ずっと前の話です。

上がる株は、事前に素質があり、その素質が、市場時間で認められるかどうか? この時間の読みは、非常に難しいです。これが分かれば…カタルは既に卒業式を迎えています。残念ながら…カタルも分からないのです。

だから今回も読者から、折角、メールを頂いても…一般論しか語ることが出来ません。カタルは、いつも…皆さんには「無理をしない投資」を勧めています。そうして「ブツブツ投資」を推奨しています。何故なら…必ず、儲かるからです。問題は、時間なのです。

でも読者も様々な性格を有しており、一律ではありませんし、投資金額も様々です。何億円も、株に投じる人もいれば…100万円程度の人もいます。みんな、それぞれ力量は違いますから、カタルはアドバイスを出来ません。結局、カタル基準になります。でもカタルが正しいわけではありません。東邦チタンを見ればわかるし…かつてベンチャリで40億円も飛ばした男です。

実は昨日、メールを開けたら。あら不思議…2人の読者からメールを頂き、いずれも全快報告でした。良かったですね。日経平均株価が高値圏ですから、当たり前でしょう。

このメールの中で「パークシャーテクノロジー」(3993)の話が、二人とも登場していました。実に、奇妙な巡り合わせです。何故、カタルの知らない会社を、偶然にも…一緒にメールに登場するのでしょう。奇妙な巡り合わせを覚え…その会社を調べました。

四季報を見ると…「深層学習などAIアルゴリズム機能を開発、提供」…と並んでいます。売り上げも2億から4億、9億、15億、そうして昨年は30億円で…今年は75億円の予想になっています。すごい成長です。

一見すると…「大化け」銘柄かな?と考えますが、カタルには、とっても買える内容ではありませんでした。 

でも…8月13日に発表された一株利益は60円予想なのです。四季報数字より一段とアップしています。何しろ、四季報の一株利益は15円程度の観測で、それが60円に増額修正されています。だからPER50倍で3000円の評価も成り立ちますが…調べると、そのマジックが判明します。

実は売り上げ増加も、M&Aによる増加です。駐車場機器メーカーで、利益は有価証券の売却利益です。しかし…変ですね。こんな小さな会社なのに、現金がなんと…249億円もあるのです。

売り上げが30億しかないのに、現金が249億円? その理由は昨年7月に公募増資を実施しており、じつに5897円で353万株も株式を発行しています。

なんと208億円も資金調達をしたのです。当時の売り上げは、前年が基準になる筈で…15億円なのに、いくら倍増観測の30億円ラインが見える時点でも公募増資なのです。この会社は9月決算で公募は7月です。売り上げの30億としても、売り上げの7倍以上の資金を集めるのですよ。

カタルは資金さえあれば…どんな会社も事業が成功すると述べています。でもいくら何でも…売り上げが30億なのに208億円も調達? 駐車機器を製造する会社の買収で、売り上げの偽装に見えます。AIの売り上げ増加とは、全く違います。

ここでPSRの話が登場します。この会社は売り上げが、今期予測の75億としても時価総額は、既に804億円です。実に…PSRは10.7倍です。

ロコンドでも…この基準をカタルは述べています。ロコンドの成長力だと…PSR5倍程度が、妥当ラインだと事前に、目標株価を出しています。そうして株価4000円目標を掲げています。

この会社がAIでの売り上げ増加で、しかもその利益が積み上げ方式なら…75億として、この成長が続くなら5倍とすると375億円あたりが妥当株価に見えます。(実際は違います。)

今の株価は2631円で、発行済み株式総数は3058万株なので804億円です。まぁ現金が249億円もあるから、375億円に249億円を足すと…624億円ですね。だから妥当株価は2040円前後かな?…とカタルは考えます。

しかし…日興証券と言う会社は、詐欺集団のように見えます。

パークシャーテクノロジー(3993)の週足推移

よく200億円も集めたものです。その後、案の定、一度も公募価格を上回っていません。この後、M&Aや証券売却の利益の仮装により、営業隊がフォローをするかどうか…日興証券の真価が試されます。やるとすれば…これからでしょう。

でも、こんな会社の公募増資を良く日興証券が認め…更に取引所が認めるものです。金融庁って、「お飾り」の機関なのでしょうか? カタルにはサッパリです。たぶん申請を出したときは、売り上げが15億程度だった筈です。AIなどと言う訳の分からない言葉に騙され…200億円ですからね。

実はようやく最近になって、一度、手掛けて、その後も観察銘柄になっている「サイバーダイン」(7779)と言う株式も、似た経過を歩んでいます。此方は、未だに赤字計上ですが…売り上げがない時に、3159円で700万株も公募増資を実施しているのです。実に221億円です。これも日興証券です。

サイバーダイン(7779)の週足推移

売り上げ規模が10億円に届かないのに…その22倍ですよ。どんな基準で、この詐欺は容認されるのでしょう。まぁ、そのおかげで赤字継続でも、貴重な「未来の夢」が育まれています。カタルは膝関節に問題を抱えており、興味を持ってみている株です。

ようやく最近になって、「貸借銘柄」に指定されました。もっと前に貸借銘柄なら、僕らは「空売り」が出来たのです。だって…この株の発行済み株式総数は、なんと…2億1514万株もあるのです。

売り上げが18億円で、時価総額が422円ですから、907億円ですよ、売り上げ20億円にしてもPSRは楽に45倍を超えます。いったい、どんなイカサマをやって、公募増資を認めさせたのでしょう。

如何に…AI、ロボットなどの最先端の文字が羅列してある人気株が危険か? 分かりますか?

ここで…カタルが力を入れているユビキタスが、もし…再来年「のれん償却費」が消えて一株利益が20円になり、再上場したら…一体、どんな人気株になるのでしょう。現状の売り上げは23億円程度ですが、株価が843円で発行済み株式総数は1045万株ですから時価総額は88億円です。PSRはたった3.8倍です。IPO(新規上場)って、やはり怖いですね。

サイバーダインは3159円で公募をして、新規上場しています。つまりその時点の発行済み株式総数は1億163万株ですから、時価総額は321億円です。当時の売り上げは10億円にも満たないのです。2015年は6億円ですから、PSRは実に53倍の評価です。5.3倍ではなく一ケタ違う53倍です。あの当時にサイバーダインをメディア各社が挙って絶賛していました。

ロコンドのPSR5倍(株価4000円)は、安く感じませんか? ユビキタスの時価評価88億円は、IoT時代をようやく迎え…やはり安いなぁ~とカタルは思っています。カタルに資金があるなら、一度、1000円程度の株価でMBO(TOB)を実施して、3年後辺りに再上場させると…資産倍増は堅いと思っています。だから妥当株価は4桁だと思っています。

こんな話を書くつもりではなかったのですが…昨日、原稿をあげた後に、メールボックスを開けたら…偶然にも、二人が「パークシャーテクノロジー」(3993)を挙げてメールをくれたので…IPO銘柄の「落とし穴」の話を、書かないとダメかな?と思った次第です。

サイバーダインは、そろそろカタル基準に合う段階に来ていますが…、やはり300円割れたら…とずっと思っていました。実はコロナ禍でも狙っていましたが安値は320円までだったのです。やはり赤字でも…魅力を感じます。

新規上場であるIPO銘柄は、時代の潮流に乗る銘柄ですが、通常は、2年後辺りから注目して、その時に投資を考えるべきでしょう。

PSR5倍が、どんな数字か? 先日のニチイ学館がMBOを実施しています。その基準はPSR1倍以下の…0.4倍程度なのです。 カタルの感覚は、幾ら儲けることが「悪とされる」介護分野でも、売上高営業利益率、5%程度が基準になると思っています。だからPSRは0.5倍ラインが適正なのでしょう。

この売り上げと時価総額の関係など…「夢と現実」の狭間で揺れる株価の世界では、このPSRの考え方は、非常に重要な尺度の一つでしょう。

PSSの300円で発行済み株式総数は2636万株ですから、時価総額で79億円でした。当時の売り上げは40億円程度でした。でも赤字だったのです。PSR2倍程度だったのです。それがコロナ禍を切っ掛けに…株価3000円ですから、時価総額は790億円だから、PSRは今期予測の48億円にしても…PSRは16.4倍に化けます。

通常、このように「素質のある株」が人気化すると、PSRは10倍以上になる可能性があります。ロコンドのケースでは、PSR10倍は、時価総額が850億円ですから株価は7424円です。ユビキタスの売り上げは23億円ですから時価総額は230億円で2199円です。これが「夢を買う」相場です。

常に株価は「夢と現実」の狭間で揺れ動き、人間の感情を試しています。主体と客観評価も、大切です。自分が、どう考えて…どう行動をするか? 僕らは常に試されています。それでは…また明日。



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