調整の研究(ITバブル後…)

インフレ懸念から発生する金利高により、「高成長株」の評価が大きく…変化しています。そこで…この考え方を、一度、まとめる必要性を感じています。このようなケースは過去、ITバブル期に在りました。

でも今回より、あの時の方が「派手な値動き」でした。だって…ソフトバンクの株価が1万円になった時に、もう充分に株価は評価されたと思って、カタルは離れ始めました。そうしたら…そこから年末年始にかけて更に上がり続けて、翌年2月の馬鹿評価の株価です。あの当時は、現役の証券マンで…色んな苦い思い出があります。

人間は勝手なもので…本人が「ソフトバンクは売らない」と言ったのに、実際に株価が暴落すると…「何故、売りを勧めなかった」と証券マンが責められます。

カタルの顧客に、あの高値を売らずに持ち続け、その後の暴落も経験した人がいました。本人は優秀なのです。何しろ東大の医学部卒です。海外勤務経験をして…今は、たぶん日本の医学界の頂点近くを目指す「路線」を歩んでいるのでしょう。株屋は様々な経験を積み…その場面、その場面で、いろんな経験を積んで行きます。

そのITバブルの崩壊に匹敵するのが、今回の相場の下落でしょうが、今回は、あの時ほど「過熱」はしていませんから…たぶん調整波動は、あの時よりずっと短いと思っています。ですが…カタルはあのITバブル後の崩壊過程をイメージして…今回の相場を対比させながら…今後の展開を考えています。

ナスダック指数の週足推移

先ずは現状のナスダック指数の株価をご覧ください。実際の個別銘柄は2020年9月に天井を付けたのが…僕らが手掛けて失敗した「ロコンド」(3558)です。そうして今、取り組んでいるBASEの高値は2020年10月です。基本的に多くのマザーズ株は、この時に高値を付けて人気が廃れています。しかし…メルカリの伸び率は高く、「見直し買い」が入っています。この場合は2021年11月なのです。約1年遅れの天井です。

基本的に、この新興株市場は2020年の秋に、相場は調整入りをしました。しかしナスダック指数はメルカリ同様に2021年11月です。FRBの「一過性の物価上昇」の政策どおりに株価は動いています。

ITバブル期のナスダック指数の推移

そこで…ITバブルの場合は、2000年3月の初めに天井を付けて、2002年10月初めに底値を形成しています。約2年半の調整です。このITバブルの起点の判断は難しいですね。1974年10月を起点に、「緩やかな上昇」を続けて、1990年の11月が上昇角度を変えた分岐点に見えます。実にそこから…10年間の上昇期間です。

1990年11月の分岐点は323ポイントです。そこから…1998年10月の分岐まで…そうして更に確度を変えて2000年3月に天井です。2002年10月の転換点は、この1998年10月の分岐点を、僅かな…「下に位置して」反転をします。

1343ポイントから5132ポイントへ、僅か…1年半程度で株価は指数で3.8倍ですから「熱狂」と言って…相応しい表現でしょう。

でも流石、米国です。2年半の調整で完全復活とは言えませんが、調整波動を留めています。日本の33年とは…えらい「違い」です。やはり今回とITバブル期を比較すると、今のナスダック市場はまだ調整を継続していくのでしょう。最低で上昇確度が変化した昨年のコロナ禍の安値…ナスダックの指数では6631ポイントを覚悟して…臨む必要があるのかもしれません。

でも、それじゃ…カタルが今、抱いているイメージとは違います。

そこで…米国株のいくつかの銘柄の現状評価をしてみました。アップルのPERは22.3倍で配当利回りは0.92%です。先行して株価が大きく下げているメタのPERは、既に13.2倍です。まぁ、この辺りはそんな違和感はありませんが、アマゾンのPERは52.5倍ですよ。GOOGはアップルより割安の20.1倍です。

先日、株価が大きく下げた「ネットフリックス」(NFLX)は16.6倍です。テスラは論外で依然PERは94倍です。まぁ…10倍台から20倍台なら「潜在成長率」が期待できるなら、それほど…違和感は覚えません。しかしアマゾンの50倍台は、いくらクラウドがまだ伸びると言っても…この評価は難しいものを感じます。アリババの32.2倍なら…理解できる範疇です。

このPERの評価は、潜在的な成長力で変わります。

大きな変化が期待できるなら…PERの最高水準はPER100倍程度でしょう。それを超えるのは、やはり…どう考えても異常な数字です。だって、人間は100年も生きられませんからね。100年分の利益の評価は「倍増ペース」の伸び率なら…分からないでもありません。でも30%程度の伸び率でPER100倍はないでしょう。でも10年間、維持できるなら「別世界」になります。この考え方の基本は「複利終価」係数です。でも理論上は…10年で10倍のラインの伸び率は年率で26%です。つまりやはり30%台の伸び率を維持する今の「メルカリ」の評価は、やはり高いのでしょう。

メルカリの長期の業績推移

メルカリは、80%、62%、44%、47%、39%を続け、そうして…今期は38%の予想です。仮に…この30%台の伸び率を維持できるなら、数年で株価は新高値の更新は間違いありません。

メルカリの日足推移

だから…やはり今の出来高増加は、いくら調整期間がBASEと比較して「短い」と言っても、カタルの評価は高いままです。でも来期、つまりこの会社は6月決算ですが、来期の伸び率は、四季報の観測では19%に落ちます。でも前期10611億円の売上高で、今期は1470億円の予想ですからね。すごい数字です。

2か月後に出る決算数字は、芳しくないでしょうが…何処かのヘッジファンドが「関与する理由」が解ると言うものです。仮に19%ラインに成長力が落ちても、10年後の利益は5.7倍前後なのです。

この潜在成長率ならFCFが黒字ですから…別段、赤字経営でも買い手は出てきます。ただ営業シュッシュフローは既に落ちており、やはり減速感は否めません。

皆さんの多くは「正しい概念」を持っているのか?どうか…。ヤフー掲示板のコメントを読むと…悲しいほど「無知なレベル」です。株価の上下で、コメントがコロコロ…と変わります。まぁ誰も、「投資教育」をしてきていませんから、仕方ありません。日経新聞の記者があのレベルの記事しか…書けない輩が、編集委員ですからね。何が東大法科なのか? 日本の大学のレベルも疑わしいものですね。

基本的にカタルは、企業の評価は10年分の利益プラスBPSだろうと考えています。

一株利益が50円で、一株あたりの純資産価値が500円なら、50*10年分+500=株価は1000円です。日本の株価は、この水準を目指すべきだという意見です。

1092兆円の現預金残は「株主還元」意識の高まりを受けて…総還元性向が30%…50%…そうして米国のように100%になるなら、論理的に…市場原理で「世の中が動く」ようになります。米国のアマゾンがPER50倍で、中国のアリババが30倍なのは…この総還元性向、つまり株主に対する利益の分配の概念が、確立されてない為だと思われます。

しかしこの所、日本株は強く…米国株は弱くなってきたのは…基本的に企業が、これ以上の内部留保を積めないからです。484兆円の内部留保の意味は…ニコンのように…100%以上の株主還元をする企業が続々増えてきますから…金利裁定概念が働きます。

世界のお金は、「日本株に集まる」のでしょう。すべての条件が日本の「株高」を示しています。分断化はサプライチェーンの見直しを産み、国内回帰を謳うキャノンに始まり、既に各企業の行動が開始されています。既に日本の人件費の上昇は、これから加速します。なかなか賃金が上がらない…とメディアは述べていますが、馬鹿メディアは「過去の数字」を述べているだけの話ですよ。ここから日本の賃金は、バカバカ…上がります。

だって、まもなく九州地区では…人材の争奪戦になります。既にアパレル産業まで、一部ですが国内回帰になっています。縫製工場の撤退は、東北の地盤を沈下させましたが、変化を始めています。つぶさに…市場を観察すれば実態が分かりますよ。インバウンド需要が期待される飲食業などを含めた観光業の参加も、既にアルバイト料の引き上げになっています。

オークマの株価上昇の意味は、国内産業の「設備投資の動き」を反映しています。この株価水準を観てもPERは11倍で、配当利回りは2.51%ですが、未だに株価は純資産価値以下です。BSPは5620円なのに…株価は5560円なのです。このクラスの株でも、正当な評価を受けているのでしょうか?

もう完全に狂った世界に、思えるのです。この原因を生んだ背景には、東京機械の最高裁の判決があります。最高裁第三小法廷の林道晴裁判長は、絶対に許せない売国奴です。こういう考え方が村社会論理です。だから日本は構造改革が遅れて失われた時代になり33年間も株価は高値を更新できません。

その結果、電通の高橋さんのような「社会的な弱者」に「しわ寄せ」が及び、社会がドンドン暗くなったのです。村社会論は一部の特権階級が「働かないで」利益を得る仕組みです。もし東京機械の企業買収を認めるなら、効率的な資金運用になり…社会に「躍動感」が誕生します。

東芝など…欲しい外国人にくれてやれば良いのです。その結果、社会に躍動感が誕生して、「明日は我が身」となって、日立も三菱電機も自らの力で変化して…続々と改革を実施するなら、本物が活躍できる社会になります。

ホリエモンのように、フジテレビ買収を企てると…何故、地検様が登場して「村社会論」を押し付けるのでしょう。だから…安倍さんは、黒川さんの人事に拘ったのです。ところがメディアの連中の裏切りに遭いました。汚い連中です。正義を謳う奴らが、仲間を売るのです。カタルの倫理観では絶対にあり得ません。

こういう村社会論を、何故、誰も訴えないのでしょう。今はネットの時代で、カタルのように思う人も増えてきました。トヨタの「村社会論」(みんなで貧乏)に喧嘩をうった…日本製鉄の橋本社長の誕生は、だからこそ…意味があるのですよ。日本が脱皮するような現象が、「到るところで」見かけます。デンソーの経営方針の転換など…自動車業界も変わり始めています。時代の流れに押され…章夫社長(トヨタ)も変化しました。

何故、日本株が38915円を奪回し…野村証券株が上がるのか?

色んな現象が「日本株の暴騰」を示しているのです。これが「市場の整合性」の話です。金利裁定概念は、絶対基準です。だから日本株が下がると言っているのは馬鹿なのです。カタルに兆円単位のお金を預ければ…元本保証で、利回りを5%程度は払えるでしょう。そういう時代になったのです。内部留保484兆円の意味は還元率をあげ…個人の現預金残の1092兆円は動きます。ようやく…33年目にして、来年こそ38915円の奪回でしょう。米国からも資金がドンドン湧いてきます。

ITバブル崩壊後のソフトバンクの日足推移

冒頭の調整波動の話は、ITバブル期のソフトバンクの調整波動を観て…読者が個別に判断をしましょう。そのチャートを付けて…本日のレポートは終わりです。

冒頭のイメージから「出来上がりのレポートは」方向性が変わってしまいましたが…書き直す時間もなく…これも一理あるレポートになりました。まぁ、岸田さんも安倍派閥に押され、金融所得課税論から…一転して「インベスト・イン・キシダ」に豹変しました。

まぁ、参議院議員選挙後、勝利を得た岸田政権に変化がなく…分配より成長を謳うなら…日本株の年末年始は明るいでしょう。外人投資家は、たぶん…未だに岸田を「疑いの目」で見ています。だから参議院選挙後ですね。彼の言動に変化がなければ…大挙して資金が移動を開始すると思っています。

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