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株主還元

市場ではソフトバンクの自社株買いが話題になり、株価が大幅高しました。ソニーも初の自社株買いに踏み切るとの事で経営者の意識変化が見られます。しかしWSJの記事によれば…日本企業の2017年度の営業キャッシュフローから株主への還元比率(配当や自社株買い)は22%だそうです。一方、S&P500の還元比率は54%だそうで、その差が依然2倍以上あります。

カタルがトヨタを批判する理由が、これで分かるでしょう。市場は公器なのです。私物化するものではありません。日産のゴーンが地検に逮捕されたのは、ある面を見れば一理あります。でもやはり本当は、社会が高額報酬を認めるべきなのでしょう。

今回、新日鉄の三村さんが、日本商工会議所会頭を3期目も勤めるとか…。日本には日本経済団体連合会(経団連)に、経済同友会(同友会)など…3つの経済団体がありますが、3つも必要なのでしょうか? 引き受け手がなければ、3つの団体を統合させるのが三村さんの責務でしょう。たしか…彼は経団連の副会長も兼務しているはずです。

村論理は厄介です。経団連の会長になるためには多額の経費が必要になります。費用の多くは出身企業の持ち出しだそうです。だから住友化学の米倉さんが会長になる時に、その負担金が大変だと話題になりました。住化クラスでそうなのです。悪く言えば…このような組織は日本村社会のぶら下がりの寄生虫の親玉みたいな存在にも思えます。

これだけではありませんよ。各経済界には、鉄鋼連盟や日本自動車工業会など…訳の分からない団体組織が沢山並んでいます。自動車産業には21もの主だった団体があり、自民党等の政治家先生との会合が持たれ政策が決定されています。この触媒作用として…官僚がそれぞれの組織に天下っています。このようなしがらみの為に、消費者は安い商品を買う事が出来ません。生産者優先の考え方が日本に定着しています。

キャッシュレスもそうですが…日本社会は劇的な変化を拒み、徐々に変化させていく傾向が強いのです。だからスピード感に欠けた展開なのでしょう。「流動性の罠」が長引いているのも分かります。 失われた時代が30年も続き、すっかりマインドコントロールされています。

プライマリーバランスだけではありませんが…様々な観点から、日本の諸問題の解決に不可欠な「名目経済の確立」が急がれます。しかし本日の日経新聞を見ても分かりますが、メディアは馬鹿ぞろいです。間違った概念を過剰に日本人に植え付けます。

14面のアングルに、「2018年問題」の杞憂が描かれています。マスメディアは、今まで何と言っていました? 日本のマスコミは害虫ですよ。中国は「不動産バブル」と毎年、言い続け…もう20年ぐらいが経過しています。バブルと言う言葉の意味を、全く理解していません。

そりゃ…その方が雑誌は売れます。危機感を煽り、オーバーな描写をしないと歓心を惹きません。だからニュースの描写もそうです。最も被害の大きな部分だけをクローズアップして騒ぐのです。政治家の失言で、よくメディアが叩きます。麻生大臣など常連です。先日は明石市の市長が「火を付けて捕まって来い」と部下に叱咤した…と言い、退任に追い込まれました。

カタルはバブル期の女子社員に、ノルマ達成の為、当時、話題になった豊田商事の事例を持ち出して、一緒にお風呂場に行き、背中を流してでもノルマを達成しろと叱咤した思い出があります。ノルマ達成の為、社員はあらゆる手立てを講じて目標を達成するのです。今の社会なら、完全にアウトです。

故にカタルは、スルガ程度の問題が話題にされ…叩かれる社会構造がおかしいと思っています。預金残高の改ざんに、何故、追い込まれたのでしょう? その源はガチガチの金融行政の為でしょう。銀行の判断で不良顧客に貸し出し、その結果、不良債権になっても自業自得です。何故、その程度の経営者判断が許容できず、末端営業員の箸の上げ下ろしまで…中央省庁の権限で介入するのでしょう? やはりカタルには、行き過ぎた金融行政に思えます。

問題の根底は、預金の改ざんまで追い込んだ行政政策にあるんじゃないか…と思うのです。先ほどの…日産のゴーンに高額報酬を認めない社会の容認姿勢が、どの程度か…と言う問題と、同じ土壌が日本社会の背景にあるのでしょう。「寛容な社会」が早く育成されないと面白くありません。ZOZOの前澤さん程度の行動を咎め、我も…我もと取引をやめる企業の村論理は、なかなか改善されません。だから彼はツイートをやめるのでしょう。清貧思想なんか…糞食らえ!

ケネディクスの決算が発表されました。宮島さんらしい…判断です。彼は日本村的な経営者です。今回の数字は非常に良いものですが…やはりROEの観点からの経営力不足は否めません。市場には「自社株買い」への期待があったのでしょうが…現時点では増配(7円から15円への増配)に留まりました。

でも説明会で明言しているように…不動産のキャピタル利益を自社株買い買いに充てるなら、また50億円程度は…今期に実施するのでしょう。今期は89億円のキャピタルゲインを予定しています。前期は117億円のキャピタルゲインに対し100億円の自社株買いを実施しています。

前期(2018)の数字は、期ズレの売却利益が計上されたため、この嵩上げされた分が今期は剥落しますから、表面上の一株利益は減った形に見え、更に自社株買い期待の空振りもありますから、おそらく火曜日の市場はマイナス推移でしょう。でも実際のベース数字は…着実に伸び続けているのです。

ケネディクスの私募ファンドの推移

基本的に出足が遅れた為、2016年までは負の遺産(レガシーアセット)の整理を優先させていました。本当はそんな必要はなく…行け行けドンドンが正しい経営だったのです。でも経営危機に見舞われたため、財務の健全化を優先させたわけです。その為に出遅れました。此処では私募ファンドなどの動向に、その様子が顕著に表れています。でも2017年からは積極策に転じており、概ね2割程度の成長を続けています。この背景は今期も変わりません。

でもカタルは不満です。529億円も現金を寝かせています。たぶん、何処かで大型物件の開発投資に充てるのでしょうが…いちごHDなどと比較してROEが低いのはレバレッジを活用しない経営スタイルが問題なのでしょう。自分の所に…リートなどの受け皿があるのです。つまり悪く捉えて、仮に失敗しても…いくらでもリートに押し付けられます。だから思い切った冒険が出来るのです。それなのに…あえて「石橋を叩く」必要があるのかどうか…。

バックボーンを、しっかり見ることです。日本は戦後から一貫して資産インフレを活用して成長を遂げてきました。行き過ぎた為にバブルが発生、その後の政策運営を誤ったので…被害が拡大して「失われた時代」となりました。後手、後手の政策です。

今はスルガ問題に見られるように過剰な清貧思想です。本来なら、バブル期にやるべき政策なのに、健全な利回り採算の市場環境なのに…清貧思想を振り撒き、過剰な安全を求めています。

そんな環境ですから、概ね高成長路線の2割成長が続くのでしょう。市場金利は幾らですか? 2兆円のAUMなら1割が2000億円です。 その10%なら200億円です。 単純なカタルが、一株利益100円と言っている意味が分かると思います。 200億円程度を計上するのが当たり前でしょう。故にヘッジファンドから、いつも経営権が狙われます。

たぶん…ARAとの関係は、エリオットの後処理が絡んだ出来レースなのでしょう。そんな観測をしています。配当利回りを見ると…金利を上回る水準にして負担を軽減させています。これは…いずれ抜けます。だいたい倍増になるのでしょう。それが金融界の常識です。

カタルの基本は、名目経済の確立ですから、目先の株価に一喜一憂せず、基本方針は変わりありません。壮大なスケールの相場が、必ず、訪れると考えています。証券会社の信用金利は…概ね3%程度です。今回の配当の引き上げで相殺されます。

ここで業績の期初予想値と…実際の最終結果のこれまでの経過を掲げておきます。先ほどの説明を合わせてごらんください。あとは会社説明会(26分程度)を良く聞けば…実態が分かります。此方です。ケネディクスの説明をしたので…長くなりました。まぁ、人生は「塞翁が馬」どっちに転んでも心配ありません。それでは…また明日。

期初予想と結果の推移



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