カテゴリー:株式教室

史上最高値4万円へ向けて…

今日はバロンズの記事からの引用です。独立系の投資アドバイザーのパラメ・ローズノー氏は情報収集に余念がないそうで、1日の読む調査レポートが500ページを超えるそうです。この記事の中で、彼女は「日本は長く続いた弱気相場が終わりつつあり、数十年来の強気相場が来る」と見ていると言います。この現象は1980年代初頭の米国に似ているそうです。あの800ドル前後の往来相場の時代ですね。

金融改革、財政改革、構造改革、全ての方向性が正しく、人口動態にも改善の兆候が表れていると言います。この12か月間を見ると、東京に暮らす15歳未満の子供の数が1万4000人増加しているとか…。日本企業のROE8%が、米国並みの15%になると…向こう数年間で30%以上の増加が見込めると言います。現在の日経平均株価18400円前後から数年以内に1989年に付けた史上最高値を奪還し4万円に近付くと見ているとか…。パラメ・ローズノー氏は、バロンズが選ぶ女性フィナンシャル・アドバイザーのトップ100の内、13位にランクされていると言います。彼女は大学で数学を専攻し、10億ドルの資産を運用していると言います。

安倍政権は設備投資の活性化を求め、経団連と会合を持ったとか…。日本の経営者の多くは残念ながら、サラリーマン社長が多く、横並び主義です。だから強引に政策主導で動かさないと、なかなか新しい時代が開けません。昨日のレポートでカタルは金融庁の指導で銀行と企業の株式持ち合いを解消しろと述べています。基本的に経営者が真剣に経営をしてないのは、このような株式持ち合いなどの日本独自の村論理が背景にあります。ROE経営は真剣に経営をしろと言う事ですね。ファナックが必要以上の内部留保は持たないと公約し、自社株買いを含め、株主還元をすると述べています。仮に営業利益率が10%以上の企業なら、現在の金利情勢では無限に売り上げと、利益を伸ばす事が出来ます。借り入れを起こし、事業を拡大すれば、金利差と利益率の鞘は大きいですからね。ファナックの売上高営業利益率は、なんと40.8%なのです。分かりますか?

本来なら自己資金ではなく、外部借入で事業を拡大すべきですね。積極的に新技術の導入をはかり、競業他社を大きく引き離す事が出来る筈。人工知能開発などの分野は、ロボットに欠かせませんからね。その意味で、この度の東大発のプリファード・ネットワークスと組み、ディープラーニング技術の開発に乗り出した動きは注目されます。何しろ、これまでは全て自前に拘っていましたが、今度の協業で、時間を大幅に早めることが出来ます。資金力のある大手は、積極的に才能あるベンチャーを応援すべきです。

これまでの日本は…余りに保守的なのです。しかし、この「失われた時代」の時間の中で様々な変化が始まっています。問題はこの進展スピードですね。もともとスマートコミュニティーは既に到来しており、どうしたら…一気に、社会に導入できるかどうかなのです。例えば…自動運転車、最も恐れていたのは…安全を優先するあまり、様々な規制を掛けることでしたが…、10月15日の日経夕刊によれば…自動運転へ向け、法整備を目指すそうです。ただ2020年と…報道されており、このスピード感が問題ですね。しかし公道での実験は、来年度にも可能にすると言います。ただしドライバー付きですが…。

カタルはデフレ脱却が、最も大切だと述べてきました。その目玉が土地の価格推移です。不動産価格の上昇が、正常な経済観念を育むと考えてきました。金融マジックを正常化させないと、全ての行動が阻害されます。人間の行動の原点は、「今日より、明日は良くなる」と言う、アメリカンドリームが欠かせません。所謂、「希望が溢れる」社会構成です。

失敗をしない為には…などと言う発想があるようでは、いつまで経っても、進歩はありませんね。失敗を糧にステップアップできる社会構成が必要なのです。だから先ず、失われた時代の元凶である資産価格の上昇がデフレ脱却に結びつきます。そうすると…人間の考え方が前向きに変化しますから…政府が設備投資を促さなくても、自然発生的に利益の積み上げを求め行動します。ソフトバンクの売上高推移を見れば分かります。これが本来の企業経営の姿です。今度は…北海道で農業だそうですね。ソフトバンクは金融マジックを活用し、分不相応な借金をしてでも、果敢に挑戦しています。この行動姿勢が、当たり前の常識なのです。

トヨタは自社株買いをして、AA型株を逆に発行しました。この辺りの行動が、外人売りの片棒を担いだとも思っています。折角、スチュワードシップ・コードが定着し出したのに…。悪戯に経営権に固執すべきではありません。会社が上場すれば公器です。嫌ならMBOを実施して、非公開にすべきです。自分より優れた経営者がいれば、経営を任せるべきですね。サントリーなどの動きは、この事例の一つです。成功するかどうかは別問題ですよ。

黒田さんの心中はどうか分かりませんが、既に財政ファイナンスに踏み切ったので…行く道は一つですね。他の選択肢はありません。問題は進展スピードの問題だけなのです。冒頭の独立系の投資アドバイザーのパラメ・ローズノー氏の着眼は、素晴らしいと考えています。おそらく彼女が読むレポートに…明確な指標が、いくつも重なっているのでしょう。相場論とは、いくつかの事象が、同じ方向性を示しているときに、あるシナリオを描き、関連銘柄に注目します。あとは…その銘柄の個別の需給関係などの問題だけですね。全体の風に乗り、企業が積極的に挑戦すれば…その企業の株価は、必ず大きく上がります。

一番大切なことは…「時代の流れ」なのですね。この流れをどう読むかに…尽きるのです。



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