カテゴリー:コラム

フェルメールの囁き ラピスラズリの犬

「フェルメール」と言えば…神秘的な響きを感じます。それは彼の描いた作品が50余りで現存する作品は35だと言われています。彼の生きた時代は、ルネサンス期の後期からバロックに移る時代の狭間です。バロックと言えば…チェンバロのバッハを想い出しますが…バッハは1685年から1750年です。

一方、フェルメールは1632年から1675年ですから…僅か10年ほどしか重なった時間はありません。この時期の日本では、島原の乱が1637年で、オランダが出島に街を作ったのが1639年です。徳川綱吉の「生類憐(しょうるいあわれ)みの令」が1687年です。この時期に日本の「元禄文化」が栄えます。井原西鶴「好色一代男」1682年や近松門左衛門「曾根崎心中」1703年などは有名です。ルイ14世(1638-1715年)が作ったヴェルサイユ宮殿は1682年です。

実際、フェルメールが生きた時代は、バロック時代になるのでしょう。フェルメールはルネサスンス期(再生)の末期に生まれ…時代の変わり目の時代に生きたのでしょう。

ルネサンス期からバロック音楽、装飾にこだわった宗教戦争のバロック建築が(いびつな真珠)が盛んになる時代です。同じオランダと言えば…やはりレンブラント(1606-1669年)の方が有名です。フェルメールと同時代を生きました。

でもやはりフェルメールの作風は見事で…「光の演出」でしょう。窓が多く描かれ…光の描写が神秘的な印象を我々に与えます。絵画で有名なピカソは好色で…多くの女性と過ごし、数多くの作品を描いた大型株の印象です。アップルのような存在ですが、フェルメールは高嶺の華、任天堂のような感じかなぁ~?

何故、こんな話題を冒頭に描いたか?

実はカタルの知人が、今回、本を出版しました。

フェルメールの囁き ラピスラズリの犬

その題名が「フェルメールの囁き ラピスラズリの犬」と言うものです。作者は「安藤紘平」と言います。是非、皆さんもアマゾン、または楽天から、その本を買って欲しいと思っております。サスペンスの小説です。

フェルメールの絵をめぐり…物語が展開します。カタルはあっという間に時間を忘れ…読みました。最近、カタルは白内障と老眼の為、本をあまり読まなくなっています。そのカタルが思わず時間を忘れました。本に隠されたフランスの描写も…憧れの世界です。

この「ラピスラズリ」と言うのは、フェルメールが好んで使った「青金石」と言う石で…この石を擦って…絵に使います。非常に高価な材料だったようです。だからフェルメールは膨大な借金が死後に残ったそうです。でも…そんなに貧しい生活でもなかったようですが、やはり「拘り」が強かったのでしょう。まるでカタルに似ています。

フェルメールの絵で有名なのはやはり「ミルク水差しのメイド」の光か…、「真珠の耳飾りの少女」でしょうか? フェルメールの作品集は此方…

でもこの本の描写には「合奏」が使われています。たぶん…サスペンスの中身が「贋作に拘わる部分」が本の流れになっており…X線分析が使われ物語が展開するから、実話を元に発展させた作品なのでしょう。だからカタルは「合奏」が本の表紙の絵柄になっていると推察しています。今度、実際に作者に機会があった時に…聞いてみましょう。

小説を読み、隠れた作者の意図を探るのは…「株式投資」も似ています。

一見、あまり意味がない株価の動きを見て…全体株の流れと比較します。そうすると…何故、そのような株価の動きになったのか? 全体と同じなら…もっと株価は下がっていい筈なのに…何故か、強い…動きをする株があります。目立たないのですよ。一緒に下げるのですが…全体の下げ方と違い、意外にもっと下がっても良い筈なのに、強い株価の動きを見て、カタルは今回の会員レポートでは、ある「仮説」を述べています。

何故、まもなく…新しい相場が、スタートしても可笑しくないか? 

その理由をいくつかの現象を見て…推察している訳です。カタルの株式投資論理の「市場の整合性」の話です。安藤さんが描いた「フェルメールの囁き ラピスラズリの犬」と言う小説の展開にも、用いられています。世の中の動きには関連性があるのです。株式相場も同じです。

自分が、今、勤めている会社には、どうして…入ったのか? その経緯がある筈です。カタルは上京した時に…最初は「丸三証券」と言う所に就職が決まっていました。水野専務は業界でも有名な方でした。でもひょんなことで…その話が流れて、就職を世話してくれたKさんが、「次は何処が良い?」と聞くので…当時、三洋証券か和光証券が有名だったので、たまたま興銀の杉下常務と縁があり、彼の世話で…和光証券への入社が決まりました。このような背景が、陰で動いています。人生と言うは、面白いものです。

株式投資も同じです。「因果応報」は、少し意味が違うかな? 偶然に事件が起こるのではないのです。何も…コロナが偶然に発生したわけではなく…時代の要請が、背景に存在するのでしょう。立ち直るか?…と思ったら「デルタ株」、今度は「オミクロン株」…と、その陰には…αからβ、γ、δとギリシャ文字が使われていますが、ウィルスも生き延びようと思い、必死に変異を繰り返します。何か…株式相場の物色の流れにも似ています。それぞれ…偶然に生まれたわけではなく、背景には「繋がり」があって誕生したのでしょう。

相場もそうですね。スター株を当てて、いち早く…そのスター株に「乗り続ける」なら、膨大な使い切れないお金が結果として得られます。しかし…折角「成長株」を当てても…その途中では、「時間の壁」を前に挫折してしまいます。株式投資の時間認識も面白い話です。

多くの人は短期の成果を求めますが…その陰に存在するリスクの存在を忘れています。

株式市場の「欲望と恐怖」の心の戦いの部分で、多くの人は挫折をします。この人間の感情の「欲望と恐怖」の狭間で…どう自分の気持ちを制御するか? 

ここで我々の「知識」が有効になります。普遍的な価値は、どの株にも存在します。何故、バブル崩壊の地価の下落が止まったか? その背景にはダヴィンチの金子さんのような論理的「配当利回り投資」の存在がありました。買い入れ金利と投資金利の差である裁定取引が成立します。

内部留保金額の484兆円と言うのは、我が国の産業界が得る6年分の利益です。常識で物事を考えれば…「オミクロン株の恐怖」を謳うマスコミの「馬鹿さ加減」が分かります。

我々投資家は…確りした自分の考えを持って、その「欲望と恐怖」の感情に勝つのです。冷静な判断が求められます。昨年のコロナ禍の最中、ケネディクス株は何百万株もの売り物に晒されましたが…結果はTOBとなりました。われわれ人間には「理性」があるのです。

皆さんも…たまには株を忘れて…小説の世界に身を浸しましょう。僅か1600円の投資で、「楽しい時間」が買えます。それでは…また明日。

本日はバロック時代のヘンゲルの演奏を聴きながら…レポートを書きました。此方です。バッハと比較してヘンゲルはあまり有名ではありませんからね。

会員の方は新しい原稿をアップしたので…是非ご覧ください。



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