カテゴリー:コラム

市場の整合性と時間の読み

カタルはこれまで様々な独自用語を用いて相場を解説しています。「ブツブツ投資」は、ドル平均法投資を応用した…仲間のブツブツから学びました。彼の大学は3流ですが、家は農家で3男か…4男坊です。大学の卒業まで、なんと…8年かな? 良く親が学費を都合したものです。何をしていたか?…と言えば放浪生活です。海外を回り、彼のこれまでの訪問国は100か国近い筈です。世界中、アフリカなども…かなり行っています。ロシアの変遷も、何度か訪問しており…政権が変わる度に訪問していました。

彼は、この失われた時代の株式市場でも、平均の年収が2000万円台と言いますから、かなり優れたセールスです。

彼はカタルと違い、「空売り」をしていました。その割合は4割程度かな? つまり相場がどちらに転んでも、常に手数料があがります。毎日、毎日ですよ。株式の注文伝票を100枚程度、発注するわけです。「証券マンの鏡」の様な男です。その彼の隣の席にカタルは座り、彼の投資手法を学びます。彼は良く言っていました。10万株を買うなら、先ず1000株ずつ、注文を分けて買いに行け!…だから毎日100枚の伝票がきれます。

最近では、カタルはよく「市場の整合性」の話をします。

これはカタルが述べている理論と言うか…考え方です。市場に存在する銘柄間には相関性があります。例えば…三菱UFJだけが上がり続け、みずほ株が下がり続ける道理はありません。同じ業種なら、程度の差はありますが…概ね、同一方向に企業業績は動きます。異業種でも同じ流れもあります。この関係と政策や金利動向などと合わせた考え方が、浦上さんが書かれた「相場サイクルの見分け方」と言う本です。

彼とは何度か会っていますが、カタルの先輩の元上司なのです。その関係で彼の本を知り、何度か読みました。今でもカタルのデスクの上には、その本があります。非常に優れた本で、景気循環と相場の流れが分析されています。だからカタルは彼の本を教科書に採用しています。景気循環と相場の関係は基本中の基本です。今日はその「市場の整合性」の話を展開します。

カタルには相場を見ても、理解できない株価が数多く存在し、謎のまま…放置してあります。先日はその一つ、三菱UFJの株価とマクアケの株価を採り上げました。

他にも沢山あります。何故、そんな株価が成り立つのか…カタルには不思議なのです。先日、サイバーエージェントが持株を売ったBASE(4477)などの株価が2000億円もの時価総額の評価を得る…理屈が分かりません。売り上げはたった80億円の予想なのです。倍増ペースで伸びて…160億円、320億円、640億円で5年後にようやく1280億円です。倍増ペースを、何年も続けられる道理はなく…しかも利益率が半分としても、いくらなんでも…この今の評価は分かりません。

テスラ株も、カタルは買うことは出来ませんが500ドルを超える新高値です。カタルはロビンフッターを批判するものではありません。日本のイナゴ族もそうです。批判はしませんが…同調もしません。カタルにはカタルの基準があります。

でも…古い人間のカタルにとって、「市場の整合性」の観点から見て…様々な謎が存在し、理解不能な相場が生まれることは事実です。故に、常に…ジレンマを抱えています。

2013年の後半にケネディクスを買い始め、途中から「雪だるま投資」を採用しました。この雪だるま投資も、カタル独自の投資法です。

株価が上がると…どんどん持ち株が増えます。逆に株が下がると、ドンドン持ち株が減ります。やり方は、兎も角、基本はそういう事です。しかし…2013年から2020年、なんと7年間も「流動性の罠」に陥ったままだったのです。

「流動性の罠」の解説が、必要ですか?

要するに…嫌がる馬に水を飲ませることは出来ない…と言う事です。いくら、こっちの水が甘いよ…と叫んでも、誰もこっちの水を飲みません。

日銀がETFと言う株を買い、リートと言う不動産を買っても、誰も追随をせず、お金を動かさないのです。通常、日銀様が、独自に危険資産を買う事はありません。日銀が動かなくてはならないほど…清貧思想が浸透し、日本国の政策に一貫性がなく、日銀は旗を振りますが、金融庁は厳格な融資姿勢を求め、長く…赤字企業への融資を禁止していました。政策に一貫性がありません。まるで逆方向に向けた政策を採用していました。

リーマンショック後に、ダヴィンチが叩かれます。カタルはベンチャリをやっていましたが、あれほど有望なのに…融資をしないのです。今ではカーブスは上場企業に成っています。

チグハグな政策が、長引く清貧思想の実質経済である「失われた時代」を延長し続けました。その為に2013年、日銀が異次元の量的緩和に踏み切っても、ケネディクスの株価は低迷を続けます。しかし…ようやくコロナ禍からの金融緩和と財政出動により長く続いた「流動性の罠」から日本経済は抜け出せます。だからデフレの関門の22750円から完全離脱をしたのです。

2013年4月からの比較チャートの推移

此処で…日経平均株価とケネディクス、そうして同業の前向きな会社のオープンハウスの株価を比較したチャートを掲載しておきます。

この比較チャートを見ると…カタルが宮島さんを批判した理由が分かると思います。彼は金融庁の間違った政策のトラウマの為に、積極性を欠いていました。一方、オープンハウスは日銀の政策通りに、積極策を採用し…株価は上がり続けています。

経営者方針の違いで、同業でも…大きな株価の違いが生まれます。だから…TOBに合う素地は前からありました。故にエリオットが2017年に狙いましたが、与えられた3年間の猶予を活かす事が出来ず…株価は低迷し、今回は時間切れでTOBになったのでしょう。

でも同時に、カタルの謎は深まります。

野村証券の月足推移

野村証券株の出遅れです。デフレの関門である22750円を超えたのにも拘らず、売買高は大きく膨らまず、1031兆円の個人の預貯金は動きません。カタルはケネディクスと同じように、野村証券の経営陣を批判しています。高利回り投信を1兆円単位で販売すべきです。

コニカミノルタ(4902)の日足推移

市場を見るとコニカミノルタ(4902)のように…何故、こんな株価で放置されているのか?理解不能な現象が、いたる処で観られます。今の証券マンと言うのは、馬鹿の寄せ集め?それとも仕事をしない馬鹿ばかりの印象です。石油資源開発も同じですよ。何も…島精機だけではありません。

日経新聞の論説を見ると…メディアも狂っています。テレビも同じです。本物が育たない仕組みが日本のあるのでしょう。フジテレビの日枝久のように…時代錯誤も甚だしい狂った村論理を推し進める連中が居ることも事実です。

此方に経緯が少し書かれていますから、参考にされると良いでしょう。ホリエモンの逮捕は、たぶん…彼らの画策でしょう。日産自動車も、似た背景があるのです。だからカタルは地検内部にも、いろんな意見があると思いますが…そろそろ時代が動く時期だと思っています。

ただ…金融株の劣勢を、どう考えるべきか?

時代が巨大な装置産業を望んでなく…アイディアさえあれば、既存のインフラを活用して飛躍できる事なのかもしれません。「クラウド」と言う言葉は、重要なアイテムかも知れません。確かに…ウーバーなどの株価は、ようやく浮上を始めてきました。

利便性を肝にする上場企業も増えてきました。少し…この辺りになると、皆さんのレベルでは難しいかな? もう少し具体事例を用いて、解説した方がいいのでしょうが…まだ会員レポートにも書いてない…新しいアイディアですから一般公開は後になります。

今日は、さわりのヒントだけです。

これからの相場の見所は…「M&Aが要」になります。何もケネディクスだけではありませんよ。もともと世界は、時代を加速させるために…潤滑油として、投資ファンドが栄えているのです。

昨日、ミレ二アム・マネジメントのレポートを載せましたが…あの意味を、どれだけの読者が理解したかどうか…。世界中には、お金が溢れ…

昨日、そう言えば…NHKで「グッドワイフ」を放送しており、出てくるマイア・リンデル役のローズ・レスリーのお父さんが、巨額の詐欺事件を起こしましたが…投資ファンドの話です。

この投資ファンドは、通常は10億円以上、又は100億円なんてファンドもあるようです。そのファンドに参加する条件が、年々…厳しくなっています。昨日、紹介したヘッジファンドのレポートは、今の金融事情を示す材料です。あの記事を読んで…如何に、今の世界の金融界が、投資難か…分かるというものです。

西友のKKRの参加など…もうそうです。日立金属もそうですよ。ブラックストーンは日本の不動産界に兆円単位をお金で投資をするのです。例えば此方ですね。

基本的に、このようなアイテムの繋がりが、理解できないないと…日本のM&A時代の到来も分からないし…カタルが、ケネディクスはM&Aの象徴的な現象として、日本にM&Aの機運が持ち上がる「起爆剤」と言う発想が生まれないのです。

何も…カタルは背景がなくて、自分の願望だけで…語っている訳ではないのです。色んな布石と言うか…。時代の変遷を眺めていると、そういう相場が生まれても不思議ではない環境だという事です。

昨日のミレニアム・マネジメントは運用者側に立った論理を要求しても、お金がジャンジャン…集まっている現象を述べているのです。分かりますか? あのレポートの価値が…。これが「市場の整合性」の考え方です。相場と言うのは、様々なものが関連し合って成り立って行くのです。そんなに単純な話ではないのです。

だからカタルは、ケネディクスの時間の読みを間違っていました。如何に完璧に時間を読むか?…と言うのは、非常に難しい作業なのです。それでは…また明日。



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