カタルのデータの取集能力にも限界があります。本日は船井電機の決算を見て背景を探る予定でしたが、過去最高利益を叩き出した2004年の当時の決算は見つけることが出来ませんでした。船井電機のIRには2008年分からしかなく…その前のものがありません。そこで金融庁のEDNETに行ってみましたが、案の定、使いにくく…最近のものしか見つかりませんでした。10年以上も遡って会社の動向を探るのは無理のようです。
この四半期別データを集めている段階で、日本の製造業の生産能力と言うのは低いのだな~と思いました。だから時間を掛けても、なかなか黒字転換を出来ないのですね。黒字になっても安定せず、テレビ業界の価格競争が、如何に厳しいか…を知るばかりです。
大手のパナソニックなど…ソニーも含め脱落するわけです。シャープでさえ…設備投資負担を賄えなかったのです。日本ではヤマダ電機が2017年から独占販売をしておりしています。此方です。なかなかのように感じています。
ただ船井電機は、米国販売が主体でもシェアを落としています。一時は60%を超える寡占状態のシェアだった時期もありましたが…現在は10%を欠けているようです。世界では、やはりサムソン、LG電子などの韓国勢が強く、これに追随するのが中国のTCLとハイセンスです。
基本的に日本の製造業は既に「負け組」です。船井電機は北米で頑張っており、日本企業ではトップですが…決算を見ても分かるように大きく伸びるかどうか…。残念ながら、2004年の過去最高利益262億円の奪回は夢でしょう。ですが技術力は東芝にOEM供給をしていた会社ですから…競争脱落組ではありません。
背景を調べるために、現状のテレビ業界の話を見ていました。カタルの株価「1万円相場の夢」は、儚く…消えたようです。しかし…船井電機の企業業績の黒字化から、一株利益の改善は確かだな…と思っています。
明るく思ったのが、昨年11月20日に更新された社長コメントです。此方です。
本来、昨年3月から給付金が支給されていますから、もっと企業業績の改善度が良いんじゃないか? 疑問に感じていましたが…その理由は短期的なトラブルだと確認できます。
タイの生産体制の話とメキシコのコロナ感染による生産遅延などです。だから業績の改善傾向が、カタルのイメージ図と、ズレたのでしょう。更に…2019年8月にストックオプションを発行しており、当時の転換価格は841円になっています。
だから…この時期に船井は価格競争の構造改革を終えたと考えられます。四半期業績推移も、その事を裏付けています。4桁奪回は、間違いないと思いますが…1623円を、すんなり抜けるかどうか…は、これからの数字の伸び方が相場に影響を与えることになります。
米国市場は、間違いなく…過去最高の外部環境です。問題は米国での過去の寡占状態の勢いは、ないだろうと思われますから、株価1万円、2万円…と言う幻想は捨てねばなりません。4桁奪回から1623円の壁辺りの短期決戦のように感じました。
まぁ、もともと夢を語れる業界ではなく「面白み」は欠けます。だから現実的な対応になるのは仕方ありません。その点、ARKインベストメント・マネージメントのキャシー・ウッドCEO の女王様が語る「未来図」は、夢があるからテスラのような馬鹿高値評価になります。
ですが…今の相場の潮流を、どう読むか?
昨日、指摘したように日本は、長い間、「実質成長時代」を政策失敗で、それを甘受せざるえませんでした。 故に仕方なく2010年に日産マーチが利益率の低い車種にもかかわらず、日本での生産を諦めて、タイへ生産を移転させました。本来、輸送費など考えれば…国内生産をすべきでした。ここまで追い込まれて、2年後に本格的な政策転換をするのです。
しかし…日銀が政策転換を実施しても、当初の金融庁は、厳しい融資基準のままでした。これじゃ…なかなか日本は方向転換が出来ません。だから黒田さんは批判をされ続けてもETFなどを買い続け…ようやく昨年末に「流動性の罠」の出口になったのです。
30年以上…日本は失われた時代を過ごしたので…本来、あり得ない現象である黒字企業で配当を実施する企業のPBRの1倍割れです。
ここに来て本格的な「名目時代が確立」する現象として…コニカミノルタを始め、蛇の目もそうですが…どんどんPBR1倍割れの企業の株価水準訂正が起きています。名村造船も…みんなそうですよ。その中で…企業業績の変化率が高く、タイムリーな話題として、米国の追加経済対策に絡む仕手材料株として「船井電機」が市場人気を集めるのは当然の摂理です。
カタルはこのバイデン政策とイエレン財務長官が労働問題の専門家の財務長官だから、強いドルを支持し、米国金利は「正常化の証し」と述べ「ドル高・円安」の環境を容認しています。パウエルも同様です。「ダッシュボード」の話を紹介しましたね。黒人の失業率や賃金動向の話です。
意外高の株価10倍化は可能性が薄いですが…船井電機は今の相場の潮流の「ど真ん中」の直球銘柄であり、この舞台が船井電機にとって…輝くタイミングだと思っています。幸い…チャートは素晴らしく、過去10年以上、相場が全くありません。やはり仕手材料株人気に輝く器でしょう。
船井電機の販売先はウォルマートが主体ですから外出できるようになり、ここから販売数量も拡大するのでしょう。参考にドル・ペソ相場、円ドル相場のチャートも添付しておきます。あとは誰が鈴を付け、演出するかどうか…です。
11月20日に公開された船越秀明社長のコメントは株高を予感させる十分な背景を語っています。故に、カタルは今週も買い続けます。