始まった理由

諸般の事情を考えて、本日は時価総額ランキングの中から上位5位のチャートを比較してみます。

時価総額ランキング上位10位

日本株の一位は、世界のトヨタで時価総額は42兆4679億円、2位に大きく水を空けて…ソニーの15兆6058億円、此処から5位まではドングリの背比べの団子状態でNTTが3位で15兆5112億円、4位は三菱UFJで15兆3775億円、そうして5位はキーエンスの14兆3443億円です。以下、三菱商事、ファストリテイリング、KDDIまでが10兆円以上の時価総額ですが以下は未満です。先ずは、それぞれの株価チャートを観てください。

トヨタ(7203)の日足推移
ソニー(6758)の日足推移
NTT(9432)の日足推移
三菱UFJ(8306)の日足推移
キーエンス(6861)の日足推移

アップルの時価総額は2.786Tですから、147円の為替で計算をすると409兆円ほどなのでしょう。現状のPERは29.85倍で配当利回りは0.96%と言う数字になります。基本的に多くの企業を観ていると米国のPERは30倍程度が、一般的な数字なのかな? 

日本の多くは、まだPERが20倍台になっておらず、トヨタの評価で13倍から12倍程度で配当利回りは2.38%~2.45%ラインです。ソニーは少し高くPERは18倍程度ですが、配当利回りは落ちて0.6%ラインです。基本的に、このPERの評価は名目GDPの成長率が大きく影響すると考えています。最近の相場を鑑み…この時価総額ランキングの上位銘柄を思考パターンに入れて銘柄の選別を考えようと思っています。

実は多くの人が、まだ気づいていないと思いますが、この5月の指数株相場から8月は新たな現象がみられます。たぶん…「三菱UFJ」以外にも、同様の動きがあるのでしょうが、カタルはデータがないために、この仮説の「検証作業」が出来ません。

この8月の劇的な変化とは、何か?

日本のGDP(4‐6月期)

日本経済は、久々の…「高成長」なのです。何しろ…2桁増ですよ。この1Q(1‐3月期)も高かったのですが、それ以上のこの2Qの数字は伸びたのです。一番、大きな理由は円安による輸出増加でしょうが、GDPデフレーターが、+5.3%ラインまで…来ています。金額で名目は590兆円になり、実質値の560兆円を5%以上も上回っています。この意味を解説しないと、なかなか…理解が進まないでしょう。

日本のGDPの金額とデフレーター推移

先ずはこの統計値をグラフ化しましたから、その様子をご覧ください。

カタルの解釈が間違っていたらゴメンね。カタルはこのグラフを観てGDPデフレーターの名目値が、実質値より5%以上も高いなら、金利水準を考えても「資産投資が活発化する」と思っています。GDPデフレーターと言っても、インフレ度合いの話が関わります。

名目経済とは、全ての数字が上がります。物価も給料も…今の問題は物価の上昇に、給料水準が追い付いてなく、名目賃金(現金給与総額)はプラス圏で、上昇を開始していますが、実質賃金が未だに「マイナス圏」なのです。しかし…確実に上昇確度が上向いてきました。

日本の賃金動向

この意味は、物価上昇に給料の引き上げが負けています。米国は、名目も実質賃金もプラス圏です。だから、確かに物価は上がっていますが、それを克服して…尚且つ、給料はそれ以上に上がっているのです。たぶん…この背景は「効率化の進展」です。

DX革命と言うかAI革命と言うか…効率化経営が浸透している為です。ROE経営ですね。アップルの自社株買いなど…を、観ると分かります。総還元性向は100%を超えます。稼ぐ以上に株主に報いる姿勢が定着しています。米国はそれほど…「効率化の要求」が、厳しい世界なのです。

ところが…日本の企業はどうでしょう。低PBRを東証の山道CEOが改善を促しているように…日本企業の多くは「使わない」内部留保を貯め込みます。「お金は使って…なんぼ」です。使わないで…貯め込むお金に価値はありません。アップルのPBRは47倍ですよ。恥ずかしい日本株の水準です。

デンソー(6902)の月足推移

だから「デンソー」(6902)は、いち早く…その事の改善に手を付けたので、トヨタに先行して…株価は1万円台に突入しています。デンソーのこの株価も上場来高値だと思います。あのデンソーの報道を、皆さんに最初に紹介したのは2021年9月5日です。例のブルームバーグの8月25日の報道です。

このような基本方針が、「如何に大切か」…が、分かると思います。キャノンの御手洗さんの「国内回帰」とか…最近ではルネサスエレクの柴田さんなんかも、紹介しています。

基本は「人」です。その人が、会社の基本方針…「指針」を決めるのです。

やはりトヨタ自身が「村論理」が主眼ですから、佐藤新社長が、どう頑張るか? まだ会長職に留まる章男さんが居ますから、難しいかもしれませんが、早く時代を鑑み行動をすべきでしょう。

話しを戻しますが…たぶん、この数字の変化を観て…「海外投資家」が活発化したのが、この8月ではないかと思っています。このGDPの動きを受けて…日立の上場来高値更新、重工の株価、NECなど…時価総額の大きなグループの物色が活発化しています。

日本のGDPデフレーターと日経平均株価の推移

この意味は何か? よく考えてください。名目値が実質値を上回ると言う意味を考えるとその世界の「雄」にお金を投じるなら、豊かになれることを統計上も確認できます。そこで過去の名目時代のGDPデフレーターの動きはどんなものか? その資料がありましたから株価の比較してみました。如何でしょう。どうも…このGDPデフレーターの「傾き」が重要なようです。流石に、10%超える水準は行き過ぎでしょう。

米国のGDPデフレーターの推移

此処で比較の意味で…米国のGDPデフレーターの推移を掲載しておきます。この数字は何か修正されていますね。イメージ的には此方のグラフの方が分かりやすいかな? でも成長率と言うのは前年からの比較でしょうから、こちらの方がイメージ通りかな?

米国GDPデフレータ成長率推移

基本は、この「傾き」が、常に実質値を上回って推移するかどうかで、経済活動の全般の体温を決めるのでしょう。たぶん…内閣府が発表したこのGDP統計を観て、5月の指数買いに続き…海外投資家の「実弾投資」が開始されたと言う認識が、カタルの新しい相場観を修正しています。

野村証券株を先日、買った株価は530円台だったように思います。あの時に1万株、そうして続いて…もう1万株を買いました。ジェイドGを外して余った枠で買ったのです。

カタルは非常にオープンな人間です。たぶん…時価軸はズレましたが…始まるのでしょう。カタルの「頭に描く」時間軸は、とっても…長い期間をイメージしています。その構想を理解する為には、日足では、なかなか…カタルのイメージが伝わりませんから、週足も駄目なので月足でチャートを表示しておきます。

野村証券(8604)の月足推移

1000円以下の株価は、「何処でも…買い場」なのでしょう。2021年年初から始めた相場が約2年半、3年近い時間軸の「遅れ」です。でも今回、このGDPデフレーターの推移を観るなら、カタルの説明も納得をするでしょう。何度も…何度も…「名目成長時代」入りの事を綴っています。この方針は一貫して、ブレていません。

始まった「循環買い」物色と言うは、どんな株も…また今年付けた高値をまた更新します。カラ売りなんか…考えるやつは馬鹿なのです。だって全体の株が「追い風」になりますから、先駆した株の後を追って…PERの12倍とか15倍は、やがて米国株のアップルようにPER30倍台になるのです。これが名目経済の元気な姿なのです。それでは…また明日。

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