本日の東京は「快晴」で、青空が広がっています。久しぶりかな? このところは曇り空が続き、雨もパラパラ降っていました。既に「ソメイヨシノ」は散りましたが、カタルが住んでいる前の公園には「八重桜」だと思いますが…満開です。同時に街路樹では「ハナミズキ」が咲き始めています。最近になって、この花の名前は、何かな?…とか気になるようになりました。たぶん…人間は自然に包まれるのが「癒し」になるのでしょう。
株式相場なんか…気にしていても仕方がなく、あまり「あれこれ」…と、分からないことを考えないことです。その内、いくらでもチャンスがやって来ます。
カタルは現在の処、「原稿を書く」のが商売のようなものです。そうして、これが嫌いではありません。事前に可能性のあるシナリオを提示して、自分でも果敢に、「挑戦」を続けており、辛うじて損はしていません。でも失敗も多いことも事実です。
大概は「市場要因」の影響です。「個別株」の失敗と言うより、市場全体の影響を強く受けます。だから全体相場が上がるときは、必ず、かなりの利益をあげています。でも逆風下では、なかなか…成果が出ませんね。
この個別株要因と市場要因の事を、会員レポートでも綴っていましたが、皆さんの認識は今一つのようです。
多くの方は「自分の買値」を基準にして、相場観を考えます。でも市場はそんなに単純ではありません。市場がつけた「安値」や「高値」が基準となって、相場は形成されています。だから…カタルは一度に買わない、一度に売らない「ブツブツ投資」を推奨していますが、皆さんのこの理解度は、今一つのようです。今のように、多くの株価は200日線より、下に位置しています。
でも…コロナ禍から脱出した銘柄も、かなり存在することも事実です。
本日、話題にする「ルネサスエレク」(6723)などは、その一つです。考えてみれば…トヨタにマイコンの「買値」を叩かれ…設備投資も出来なかった会社なのに…。今の社長は、意欲的な手法に変化しています。2021年に「公募増資」を実施して、その資金をイギリスの「ダイアログ・セミコンダクター」の買収に充てています。
近年は、17年米インターシル、19年米IDT、21年英ダイアログ・セミコンダクターで…この買収金額は、合計で約1兆6400億円を使っています。最近も、この勢いは、落ちずに…2023年3月22日、NFC(Near-Field Communication:近距離無線通信)チップセットやソフトウェアなどを手掛けるオーストリアのPanthronicsを買収すると発表しました。
この柴田と言う社長は、面白い経歴です。1972年生まれ。95年東京大学工学部卒、JR東海入社。「新幹線」の運転も出来るそうです。米ハーバード・ビジネス・スクールでMBA(経営学修士号)を取得。MKSパートナーズ、メリルリンチ日本証券を経て2009年9月に産業革新機構入社。13年10月からルネサスエレクトロニクス取締役。そうして今は社長です。
カタルは「産業革新機構」などの「官の関与」は嫌いですが、こんな成功事例もあるのですね。たいしたものです。
彼は2022年比(2兆4000億円程度)で…2030年に株式時価総額を6倍に引き上げる目標を掲げています。ルネサスエレクは、万年、「低収益」だったのです。自動車のマイコンでは「世界一」だったのに…何故か、国内評価は低く…、海外からの評価は高かった会社です。最近の買収を観ていると、自動車だけではなく「IoT」全般です。
車は「繋がる車」としての機能が加わり、スマフォの技術が必要になります。今回、買収したNFC技術はスマフォとの連結を可能にします。最近、カタルは自分が住んでいるマンション内に「タイムズのレンタカー」が駐車している関係で、利用を始めました。
貧乏をして…佃から東陽町に引っ越すときに、車を売ったのです。でも驚きましたね。カードが送られてきましたが、最近はスマフォで、予約から車の「施錠する」にも便利なのです。つまり世の中は、段々…「スマフォ」一台で、全ての事象が片付く時代になって来ました。この為に、この「NFC技術」の習得が必要だったのでしょう。
此処で…みずほ銀行とLINEの失敗を、想い出しましょう。
自前の開発を最近、断念しました。経営の基本は此処にあります。ルネサスエレクは、一から自前開発に拘るのではなく…買収で「近道を選択」しています。この買収一つ見ても…ルネサスエレクの柴田社長と言うのは、なかなかの器です。
公募を利用して資金を集め、同時に「自社株買い」も実施しており株主にも対応し…証券マンの「心配り」をしています。買収は「時間を買った」経営戦略です。株価は正直です。
今回のコロナ禍からの…自動車メーカーと、部品メーカーの「地位の逆転」も、時代背景に流れ…マイコンの価格交渉もスムーズだったのでしょう。サプライチェーンの混乱は、何も悪い事ばかりではなく…こんな効用も残しています。日本製鉄との関係も同時に連想できます。同じようなタイミングで、株価が動いてきました。
しかし…今はかなりの乖離が開いています。故に株を買ったとしても100株の打診買いで、「時間軸を待つ」ことになるのでしょう。たぶん…。
でも日本の産業の一角を占める器です。カタルは…「産業革新機構」などクズの寄せ集めか…と思っていましたが、この認識を改めなくてはなりません。ゴメンね。「産業革新機構」さん、素晴らしい経営です。パチパチパチ…。
東芝問題でも分かるように…日本の課題は「時間軸の課題」です。
村社会はみんなが納得する地点まで、粘り強く待ちます。だから事前の「根回し」が必要とされ…日産のゴーンは、「ルノーとの合併を画策」して、支配権の問題で反撃に遭ったのでしょう。この時間軸の課題が克服できるなら、株価はドンドン…上がる成功事例が続く可能性があります。
カタルは、ルネサスエレクを今は、買いませんが…「機関投資家」なら、やはり組み込むべき会社の一つかもしれません。この柴田社長はあまり知りませんでしたが、なかなかの器ですね。
なにも…「一発狙い」の投資でなくとも、色んなやり方があるのです。
良い会社(資質の在る)の株価の値動きを、自分のものにすれば…気に入った株価の習性があるので…その特徴を掴むことです。このルネサスエレクなどは、一つの候補株になります。ロコンドも田中社長も、なかなかな…なのです。「企業は人なり」です。だから経営者を長く応援する投資もあります。株価の変動に合わせて、その変動幅を、何度も、何度も、その鞘を抜けば良いのでしょう。
基本的に、成長株が生まれる確率は低く…日本では、あまり…ありません。
まだ市場原理が根付いてない為に…会社を私物化します。ですが、近年は市場原理に沿った「ROE経営」が主眼になり始めています。東証のPBR改革などは、経営者にとって、「ノルマ」のようなものです。いち早く…「時代の変遷」に気づいて、行動した者が、勝利者になります。このルネサスエレクの柴田社長は、今後も注目されるでしょう。
株式投資と言うのは色んなやり方があるのです。カタルの先輩はダイフク、HOYAそれに村田など日本の優れたキラリと光る会社を、長く…保持しました。ダイフクなどは、株価が500円のときに買っており、既に10年以上も持ち続け、株数も株式分割で増え続けています。いつの間にか…「億円単位」の資産家になっています。そのような会社が下値になった時に1000株、2000株と…ポチポチ株を拾い、株価が2倍になったら半分を売り、後の半分は売らずにとっておきます。
そのような投資を繰り返すだけでも数億円の資産になるでしょう。なにもカタルのような「短期投資」が正しいわけではなく…色んなやり方がありますから、自分の性格に合った銘柄と投資をすべきでしょう。
低位株が下値になったら、丹念に買い集める投資もあります。このやり方が一番大きなお金を残せるかな? 何人か…証券マン人生で、経験しています。でも彼らはみんな「尋常ではない精神力」の持ち主です。2年や3年は、遊びの時間感覚です。常人の時間軸と異次元の時間軸です。バフェットもそうです。
時間と言うのは面白いものです。そんな訳で、本日は「とりとめのない」レポートになりました。この辺で、「お終い」にします。
会員の方は新しい原稿をあげたので…是非お読みください。