カテゴリー:株式教室

ブレイナードに続く…パウエル発言

皆さんの多くは、昨晩のNY市場を観てガッカリしている事でしょう。カタルも「仕方ないかなぁ~」とも考えています。昨日は、短期の2分チャートを用い米国10年債が、「目先の流れが変わる」可能性を示唆しました。

だから「ネットフリックス」が、ロシアの影響で70万人ほど、減っているのに…全体の20万人減が大げさに報道されて…株価が大幅安しました。同時に…何故、マスク氏が、この時期に「ツイッター」社へのTOBを検討しているか…報じられています。

この3つの現象は「市場の整合性」で繋がっています。分かるかな? カタルの考えるシナリオの意図が?

ただし時間軸の関係が読めないのです。マスク氏の時間にすれば…ここから数年先を観ています。たぶん「ツイッター」を買収する機会は、今しかない…と思っているのでしょう。株で大損をしているときに、TOBにより、市場価格より高く売れるなら…既存株主は賛同します。

逆に「ネットフリックス」の大幅安は、既にコロナ禍の特需が消えて…普通の評価になった株価まで下がったのでしょう。このような株価位置で買うなら…大きなリスクはありません。

ARKKの週足推移

事実、キャシーウッド氏が率いる「ARKK」のETFも、既にコロナ前の水準です。この50ドル前後は、その株価位置です。つまりマザーズ関連は、「大底圏」に届きつつあるのでしょう。しかし…ここから直ぐに上がるわけではありませんが…。どっちにしても…長い時間軸では「お買い得」の株価位置に来ているのでしょう。

問題は反転するタイミングです。

2017年からの米国10寧債利回り推移

ここで注目しているのが、2017年から始まった緩やかなQTです。しかし今回はバイデン政権の意向を踏まえ…中間選挙は既に間に合いませんが、再来年の本選挙で株高を演出するために、政策当局のFRBは、急いで…ブレーキを踏みます。

カタルが、何度も「オーバーキル」と述べている…最も悪いシナリオは、日本のバブル期同様に…株価が大幅安しているのに…「株価は関係ない」と言って、強引に「利上げを強行した」三重野元日銀総裁の失敗です。同様の失敗がないとは言えません。

過剰に引き締めた結果、我が国の土地本位制度が崩壊しました。そうして銀行には、山のような「不良債権」が生まれ…この後遺症に苦しんだのです。ここに…村社会価格が崩壊してグローバリゼーションの波が来たので、日本は空洞化が重なり…未曽有の金融不況に陥り、銀行は統合により整理を強行されました。

基本的に、市場経済は車の両輪です。実体経済(日々の経済活動で稼ぐ…商売による所得)と金融経済(資産インフレの増加による所得)により、成長が支えられています。この二つのエンジンで経済成長は支えられているのです。

基本は「資産価格」を下げては…駄目なのです。緩やかな上昇か…、高い上昇か…。その間にコントロールしないと金融システムは崩壊します。丁度…ビットコインの相場が上がり続ける仕組みの原理は、高い電力料金やサーバー代金を稼ぐためには、価格の上昇しか…このシステムを維持できない「仕組み」に似ています。

今回は既にフランスの大統領選もマクロンとルペンとの…接戦が伝えられているように、EUの大国のフランスさえ…物価高が選挙の争点になっています。スリランカやトルコ、ベル―などの暴動が起きている国々の話だけでは、ありません。ドルと言う基軸通貨の政策は自国のみならず、世界全体を観て…政策を決めねばなりません。

原油価格の推移

原油相場は、最近…中国の「ゼロ・コロナ政策」の影響もあり…落ち着いています。今の状態なら、秋頃に前年の原油価格は85ドル台ですから…物価高は前年比で、比べますから、比較対象にする数字が高いから…この増加率は物理的に減ります。

既に自動車の中古価格は下落し…住宅市場もMBSの金利が上昇して減速しています。これを承知で…FRBのパウエル氏は「強硬発言」をしましたから、市場は過剰に反応をしています。

今回のパウエル発言は、4月5日の「ブレイナード理事」に次ぐ…強硬発言です。しかし…この報道の「22日の市場で5年先5年物ブレークイーブンレートは上昇」を掲げていますが、現実の相場は、こんなグラフです。この相場のサイトは此方です。

T5YIE の推移

カタルは金利上昇が「一服する可能性」も考えていますが…僅かな時間軸のズレまでは読めません。だからカタルは、初めてじゃ…ないかな? 

常に、目一杯の30%担保で「ガチガチの勝負」をしてきましたが…今回は60%台まで高め…ポジションを落としてきました。しかし木曜日…金曜日の下げを買い始めています。でも株価の下げ方を観ると、やはり早かったですね。同時に「オーバーキル」の可能性も、市場は疑っているのでしょう。

2019年より株価上昇(S&P500)

2018年9月末に米国金利は天井を打ち、金利が下げ始めていますが…実際の株価の上昇は2019年に入ってからでした。今の5年物ブレークイーブンレート(T5YIE)は3.37%です。この金利水準は、10年債が5.316%を付けた2007年のリーマン前より…高いのですよ。面白い現象です。あの当時の金利は5%台なのです。しかし…当時の「T5YIE」の利回りは2.5%程度です。

その時分の2005年の…T5YIE 金利は2.87%が高値でした。だから…今は異常に高いインフレ圧力とも言えますが…逆説的には、既に10年債は、5%台の金利水準までインフレ圧力が先行しているとも考えられます。

今の市場は、あまりに…目先のインフレ数字に怯えているように思えます。適度のインフレは「進化の報酬」なのです。つまり頑張る奴の所得は、上昇を続けます。基本的に人件費まで物価高が反映されるなら問題はありません。

まぁ、バブル崩壊を、作為的に実行した…元日銀総裁の三重野のような馬鹿をやるか…。本物人間が集まる米国は、正しい政策を実行するか? FRBへの信認の問題です。

しかし…バイデン大統領は、「ロシアの侵攻」を許すような馬鹿です。困った問題です。この後、政策が失敗をして…最悪は、ドルと言う「基軸通貨システムの崩壊」もないとは、言えませんからね。ロシアルーブルの相場は、その暗示かもしれません。

要するに、次の焦点は5月のFOMC(3日~4日)です。そうして…QTの開始と続きます。でも今回の一連のゴタゴタは、ある意味で…当初、パウエルなどが述べていた…コロナ禍の異常な現象が引き起こした「一時的な物価上昇」と言う面もあるのです。

マンハイム指数 の推移

実際に既に中古自動車市場は減速しています。例えばマンハイム指数(中古車市場)は、こんな感じです。サイトは此方

要するに、まだ減速が鮮明になっていませんが…踊り場に来ている印象です。この現象は原油価格動向から10月には変わると思っています。しかし…株価は実態数字より…6か月間先行すると言われています。だからこの4月から5月、6月が山場かも知れません。

際どい際を、狙うか…。安全策を採用するか?

カタル自身は「2018年のトラウマ」が続いています。木曜日…金曜日とマザーズ銘柄中心に株を買っていますが…早かったかな?…とも考えています。やはり最低でも5月のFOMCの結果を観てから…かな? 

でも同時に、「メルカリ」(4385)などの出来高推移を観ると…今が大底なのかもしれません。だから金曜日は大引けでも…500株を追加で買っています。

それに日銀は無制限の指値オペを実施しており、此方の報道によれば…22日は4277億円を、市中に日銀券をばら撒き…この政策の狙いは此方の報道でしょう。だから「キャノン」(7751)の株価が、この環境下でも…強い動きをしています。

要するに…マクロの米国経済による影響度合いと…日銀の戦いです。

しかし株価を観るとS君こと「住友化学」(4005)のPERは、大幅な増収増益ですが…6.39倍でPBRは0.89倍、利回りは4.31%です。同じような株式は…市場にゴロゴロしています。「鹿島建設」(1812)はPER8.08倍、PBRは0.83倍で配当利回りは3.71%です。「帝人」(341)もPERは8.19倍、PBR0.64倍で配当利回りは4.0%ですね。他に数え上げれば…キリがありませんよ。何故、1092兆円もある…個人の現預金残が動かないのでしょう。不思議でしょう。定期預金金利は0.2%なのです。

だからこそ…このような下げ相場は、逆に買い場でしょう。配当利回り投資なら、恐くはありません。基本的に、どの株も日本株は超割安です。何故、黒田さんが無制限にお金をばら撒いているか? その狙いが分かります。

この「回帰現象」は、日本にお金が実際に落ちます。設備投資は至る所で始まっています。なにもTSMCだけではなく…京セラは此方です。ソニーもみんなそうですよ。もっと日本人は自信をもって、自分の頭で考えた行動を取るべきでしょう。メディアに洗脳されず…自分で調べて…自分で考える…そうして賢い投資家になりましょう。

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