M&Aを考える

最近の市場は大きく変化しているように感じています。やはり日立が総資産経営からROE経営に移行したように…日本製鉄も効率化の道を歩み始めました。

基本的に、ようやく日本経済は「普通の社会」への模索を始めた段階なのでしょう。カタルの頭のなかは、かなり先の世界を語っているケースが多いのです。所謂、願望が強い人間です。故に、自分の考え方が正しいと思って…皆さんに、カタル自身の願望を押し付けています。しかし…未だに「こちら側の世界」に居る訳です。

生活するために四苦八苦して…ようやく「借金生活」からの脱出が終わったばかりです。故に株式投資の原資もあまりないです。株式投資は元金が必要です。カタルは200万円からの実験をして、どうにか…10倍程度まで来ましたが、今年も失敗のようです。

所詮、多くの事を望まれてもカタル自身が「能力のない人間」ですから、無理な注文と言う訳です。故に、自分自身が様々な選択肢の中から、自分が選択して…カタルの意見を鵜呑みにしないことです。この原稿は「玉石」が混合されているのでしょう。

実は会員向けレポートか…何かで「ベネッセ」(9783)の事を取り上げた記憶があるのですが…。今、調べたら、カタルは、実際の売買はなかったようです。「MBO」だと言います。同じように…「シダックス」(4837)もMBOを実施して「オイシックス」(3182)の傘下に入るようです。

なにも…「ニデック」(6594)の、「TAKISAWA」(6121)の敵対的買収からの発展が、異質の事例ではなく一般的になるのでしょう。「M&A」の効果について…本日は、語ろうかな?

何故、M&Aが大切か? 

「ルネサスエレク」(6723)の成功事例もそうです。他にも…たくさんの事例があります。カタルは「ジェイドG」(3558)の田中君を大きく買っている理由の一つに、この「M&A」による買収があります。千趣会から「モバコレ」を2019年に…2020年はワールドから「ファッションウォーカー」を…。

そうして最近では、伊藤忠商事と「Reebok」ブランド商品に関するサブライセンス・販売特約店契約書を締結。「Reebok」の靴に関して、オンライン、オフラインで独占的に販売する権利、「Reebok」ブランドを冠したライセンス商品(靴)を生産できる権利も獲得しました。この戦略を高く評価しています。

基本的にM&Aを上手く活用すると、時間軸の節約になります。ですが、失敗するケースも多々あります。2006年に「東芝」(6502)は米国の原子炉大手ウエスチングハウス(WH)を6000億円で買収しました。

このWHは東芝にとって過去最大の買収案件ですが…ご存じのように、この損失(1兆4000億円)が元で、今回の一連の「東芝のゴタゴタ」が続き、とうとう…上場廃止になります。でも最近になって…この会社はカナダのウラン採掘大手カメコが1兆1600億円(負債込)で買収したのです。損失だけを東芝が被った形です。

「日本郵政」(6178)も2015年にオーストラリアの物流大手トール・ホールディングスを約6,000億円で買収しましたが…昨年4000億円の巨額の損失を計上しています。必ず、M&Aが成功するわけではありませんが、上手く利用すると…「時間を買って」会社を大きく成長させることが出来ます。

最近、パチンコ屋のガイアの経営に参加すると表明した「Jトラスト」(8508)も、このタイプで、立て続けでM&Aを実施して成長を続けています。

でも日本の市場関係者は、あまり…今のところは、このM&Aによる成長の評価は高くないようです。

KPPG(7274)を観ても…そう感じています。しかしカタルは、市場評価は、何れ…「時間軸の経過」で変わると思っています。自前主義が一番でしょうが、開発には時間が掛かります。それより…買収の方が時間軸を節約できます。良い「素質」を持っているのに、経営者が悪いから、駄目になって「売り」に出されるケースも多いのです。

最近、見ていた会社で…「三精テクノロジー」(6357)と言う会社がリストアップされて…その背景を調べたら…この会社は2012年に米国の遊戯機械製造大手であるS&S Worldwide(エスアンドエス)を買収しました。また、2018年3月にはオランダの遊戯機械メーカーであるVEKOMA(ベコマ)を買収しています。それにより、世界的な販売網を確立させて…上手く成長を続けているようです。

折角、低金利なので…それを活用して「M&Aによる成長」も考えるべきでしょう。

冒頭に掲げたベネッセは構造改革をすると言います。外部資金を活用してドラスティックな変化を目指すのでしょう。最近の市場は「物を言う株主」により「厳しい要求をする」ようになり、内部留保の蓄積を認めません。

基本的にPBR1倍以下で…割安株の部類の株は、大きな変革が求められます。上場企業はハイクラスの競争を強いられるエリートの集まりの筈ですが、まだ経営者は株価意識が鈍いですね。3年の猶予を与え…PBR1倍以下の会社は上場廃止にすれば良いのです。カタルが東証の理事長なら、間違いなく…そのような「誰もが分かる」客観基準を設けます。

今の日本株は、非常におかしな株価形成の会社がゴロゴロしていますが、なかなか正当な評価になりません。ただ大きな会社は、流石に市場にお金が流入してきたので…徐々に株価水準は改善されています。しかし小さな会社は、まだ…駄目ですね。

基本概念が「間違っている」ように感じています。

多くの企業の一般常識は、売上高と時価総額が同じ程度の評価が正しいのでしょう。この基準は売上高利益率が10%程度で10年分の利益の評価です。基本的に日本は潜在成長率が近年は大きく落ちています。故に市場の株価評価も低いようで…PER10倍割れの株価も多いのです。しかも成長しているのに、その評価なのです。

でも全体のパイ(GDP)が広がっている米国は、名目時代が確立されており…近年の賃金上昇率は10%を超える所も多くあり、物価の上昇分を上回っています。つまり実質賃金がプラス圏で高いのです。

最近は「AI革命」の恩恵か…。それとも「だぶつくお金」の成果か…? この議論が割れますが、米国経済はこの金利水準でも、なかなか…「腰折れ」をしません。この辺りの評価が今の「市場の焦点」です。時代のスピードがドンドン…速くなっていますから、ノンビリと自前開発をするのが、正しい選択か…意見が割れます。

ようやくトヨタは章男社長から佐藤 恒治さんの「EVファースト」になり…この動きは注目されます。ここに来て…EVよりHVの選択になっており、トヨタ時間が正しいとの見方も出てきています。コロナ禍で、蓄積された「在庫受注」の成果で足元は好調な数字です。テスラやBYDとの時間軸が縮まっています。面白いものです。米国は思わぬ金利高…中国は思わぬ経済成長の減速です。しかしこの間隙を縫ってBYDの輸出戦略がアジア圏中心に席巻しています。

カタルの気持ちは、章男社長に偏っています。嫌いではないのです。車は好きだし…良い人間でしょう。しかし…大会社の社長の器かどうか…「マルチパスウェイ(全方位戦略)」のアプローチや、静岡県裾野市に「ウーブン・シティ(Woven City)」と呼ばれる、実験都市を開発するプロジェクトをスタートさせるほど…トヨタはユトリのある会社ではありません。トヨタの借金は32兆円もあります。自己資本比率は37.9%ですが、ホンダ(7267)は45.3%でスズキ(7269)は47.3%ですね。

やはり…実験都市を開発するユトリが在るのかどうか…。

でもここでトヨタには「神風の時間」がやって来ました。米国のインフラ法案を活用してEVからHVの時間軸になり、財務上のユトリが生まれています。ここでも…コロナ禍は、日本経済にとって「プラスに働いている」ようです。「時間軸」の流れって…面白いものです。

今日は細部に踏み込んでいませんが、個別株の動向を調べるのは、大変な「労力」です。グラフを作るのも…やったものでないと分からない「苦しみ」があります。データが簡単に見つかるものではないのです。データの解釈も難しいですからね。

その為に、あらゆる市場の反応を観て、そのデータの裏付けを検証するのが「市場の整合性」の考え方です。

昨晩の米国株は、奇妙な動きでした。注目している米国2年債は、また5%台に乗っており、雇用統計を受けて…直ぐに「利下げへの期待」が増す展開ではありません。

しかし米国市場は「テック株」中心に大きく上がっています。

「エヌビディア」(NVDA)の 日足推移

注目している「エヌビディア」(NVDA)の株価は、新高値を目指し始めています。これまでの高値は502ドルですが…昨晩は483ドルですよ。このチャートの凄い所は、コロナ禍の高値(346ドル)を遥かに凌駕している水準で、この動きなのです。アップルもコロナ禍の高値(182ドル)を、今回は198ドルで抜いています。

アップル (AAPL)の日足推移

でも…多くの株は。コロナ禍の高値を超えていません。この意味が重要なのです。金利高を乗り越える経済成長を遂げることが出来るのか…。それとも金利高により淘汰されるのか? 

テスラ(TSLA) の日足推移

因みに…テスラ(TSLA)は、コロナ禍の高値が414ドルですが…今回の高値は299ドルで抜けてないのです。でもチャットGPTの「マイクロソフト」(MSFT)は、昨日の369ドルが高値なのですよ。コロナ禍の高値は349ドルです。

「マイクロソフト」(MSFT) の日足推移

このような「株価同士の繋がり」を観て、AI革命は金利高を凌駕する成長を示している面もあるのです。Googleも最近「AI検索」を開始しました。故に「ソフトランディング」との見方が正しいのかもしれません。

日本は「周回遅れ」などと言うレベルではないのです。人口面で劣るドイツにGDPがIMFの見通しで抜かれると言われています。日本は2023年の名目GDPは4兆2308億ドルで…ドイツは4兆4298億ドル見通しなのです。

日本の人口は1億2570万人で、ドイツは8240万人なのです。つまり日本人は、相当「劣っている」のです。これは基本政策の間違いです。株価を上げる政策が正しい政策です。もう…いい加減に、他人の足を引っ張るような排他的な感覚を捨て、みんなで頑張る奴を応援する社会にすべきでしょう。本日テーマにしたM&Aは、その時間軸を早める積極的な行動なのです。だからMBOやTOBが盛んになる社会が正しいのでしょう。それでは本日はこの辺で…また明日。

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