確認作業

世の中はCOVID-19の話題で、メディアは連日その成り行きを報道しています。でも川本産業は既に天井を付け、相場としては終わっているのでしょう。ただ、まだ天井確認はされていません。なんでもそうですが…株の場合は、必ず、確認作業が必要のようです。

四季報数字の推移2集、3集、現時点のもの

此処では事例は違いますが…確認作業の様子を千代化のケースで見てみましょう。四季報の2集は会社側の当初発表数字です。そうして実際に損失が増える…最近のものは配当予想が2円から4円になっています。でも利益余剰金の赤字を資本準備金などで補わないと復配は出来ません。ホンマかいな?

千代化の相場はカタルが考えていたように…商事の支援決定で相場は確定しています。何故なら、前期の損失予想1281億51百万円から2149億48百万円に膨らんだからです。この5月9日発表の決算書を見ると…分かりますよ。

5月9日発表の本決算数字

負債の部の工事損失引当金が32億88百万円から、いきなり676億37百万円に大きく増えています。この理由は商事が監査して…将来のプロジェクトの損失を過分に見積もって計上したのでしょう。

つまり未来の損失に備えて、事前に準備したためです。その為に1281億円の損失から2149億円に1000億円近くも損失が膨らんだのです。他にも色んなマジックが、この時点で用意されたのでしょう。これは、その中の一例に過ぎません。

そもそも…千代化もそんな赤字案件を受注するものですかね? 千代化だって馬鹿じゃありません。不慮の事態がなにか発生したのでしょう。つまり一時的な損失の筈です。

その後、キャメロン側と再交渉し…「インセンティブ」が加えられたのでしょう。この案件は日本の物産など…三菱商事も絡んで出資しています。

何故なら…世界で、この手の工事を出来る所は限られます。あまり酷い条件を付けて…工事を中断されたらキャメロンも困ります。こんな事は常識です。先日、破産したMDRの状態が唯一の問題でした。でもこのMDR、カタル自身も…こんな「隠れ債務」のようなものがあるとは、昨年、5月に買った時点では、知らなかったのです。

千代化の日足推移

その後…7月末の段階で、初めてMDRの事を知ります。だから7月23日に374円を付けますが、7月31日に、このMDRが発覚して…千代化も大幅安します。でも1月22日の相場で、MDRの破産が明らかになり、千代化の相場が開始されています。

この日は269-279-268-279=3320900でした。カタルはこの日のレポートで、1000株だけ寄り付きで買った…と皆さんに報告しています。これで長年の懸念材料が解決して、二番底と言うか…確認作業を完了します。

そもそもMDRは、世界トップの会社じゃないかな? そんなおかしな会社ではなく…同業関連の建設会社を買収して、それで資金繰りが悪化したようなのです。だから子会社などの売却が上手く纏まれば…正常な形に戻る可能性もあった筈です。

問題は、その間のゴタゴタで…千代化とのジョイントに影響が出ることです。工事が遅れると損失が膨らみます。でも7月から1月までMDRも準備期間があり、工事に影響が出ないように事前準備をしたのでしょう。更に…キャメロンの案件は「インセンティブ」がもらえるはずです。これが目先の人参になり、MDR内でもキャメロンの案件は、優先されるのでしょう。この考え方は重要ですよ。

相場は大きく急騰したように見えます、確かに269円が420円ですから56%も株価は上がりました。しかし…カタルは最初に千代化を買ったのは、5月7日の寄り値の364円ですね。この行動の切っ掛けは5月6日の日経新聞で商事の支援が報道されたからです。だから364円で買った株が、420円になっただけに過ぎません。つまり、まだ15%しか上昇をしてないことになります。

如何に、ブツブツ投資が大切か…この事でも分かります。カタルの買い値は300円を下回っていたのです。今でも、現物に変えた千代化の平均買値は、この水準です。でも信用では420円の上値も買っています。金曜日も寄り値から随時、合計で5000株を買いました。

チャートを見ると…株価が急騰したように感じますが、その感覚は間違いと言うか、一般的ではありません。ようやく…相場は開始されると言う感覚が正しいのでしょう。長い期間のチャートを見ると、この水準から上は真空地帯です。ざっと株価を見ると…800円まで売り物の壁はありません。400円が800円ですよ。やはり…魅力的です。

全体相場の感覚は、コロナウィルス騒ぎで…主力株を大きく買えるような状態ではありません。半導体は良いのですが…やはり回復度合いが鈍るでしょう。つまり世の中の環境は「仕手系株の物色」を支持しています。だから米国では…テスラの物色です。故に、千代化やロコンドが、市場から応援されるのでしょう。「個別材料株物色」と言う流れです。

少し前の相場環境なら、日本株は、間違いなく全面安です。しかし「実質時代」から「名目時代」に移行しつつある現在、ようやく日銀の量的緩和などが効果を発揮し始めており、日本は積極化し始めています。だからトヨタのスマートシティー建設や商事の7000億円投資が決まったのです。この事は、つまり…463兆円にのぼるお金が動き出す事を示しています。

ケネディクス株の上昇は、なにも偶然ではありません。ようやく…日本全体が「流動性の罠」から抜け出すのです。だから…つぶさに市場を観察すると、PER10倍以下の不動産株が、どれも…上昇を始めています。カタルが358円で買った新日本建物(8893)が、割安銘柄として上昇しています。何も新日本建物だけでなく…みんなそうですよ。自分で調べれば分かります。

このような現象は、日本がようやく…「流動性の罠」から抜け出す事を意味しています。だからケネディクスも、この低迷から抜け出します。外部環境は更に改善します。

今まで…ジャブジャブにしていたお金が、ようやく活動をします。トヨタや三菱地所が動くと言う事はそういう事です。463兆円のお金が動き出すのです。だから東芝もホンダもTOBをしているでしょう。日立だけではありませんよ。このような一連の流れは始まったばかりです。辛抱強く耐えた…日銀の勝利です。

皆さんは、もっと良く「市場の整合性」を勉強して下さい。東京地検のゴーンの逮捕の影響など…の本当の意味を考えないとなりません。本日はこんな話題があります。この話も相場に影響を与えます。「桜を見る会」や「森・加計問題」の延長線上に流れている話題です。

政策の決定は、ある意味で…内部抗争でもあります。決して日本国民の為に進められているのではなく…当事者同士の利害関係が政策に大きく影響します。国会で、この人事問題が取り上げられるのは…派閥闘争でもあります。メディアを利用して権力争いを演じます。馬鹿らしい限りですが…これも人間社会だから、仕方ありません。幼稚なレベルの情報の接し方では、相場で利益をあげ続けられない…事が、この事例からも分かります。

何故、カタルは「市場の整合性」を理解しろ!…と述べているか? 非常に重要な点です。

千代化の続報は、何れ…書きます。でも千代化より、相場的にはロコンドの方が面白いのです。この感覚が分かるようになると良いのですが…勿論、ロコンドが、必ず、株価が騰がるとは限りません。でも田中君の経営スタイルには惹かれます。本当に…ひょっとすれば、ひょっとします。10年程、この株を持ち続けるだけで100万円が31倍です。3000株なら1億円ですよ。でも千代化は、目先は有望ですが…残念ながらこの夢はありません。

もう少し千代化を解説しようと思いましたが…今日はヒントだけにして置きましょう。

昨日、発表されている「質疑」に、そのヒントが隠されています。何故、千代化がこの事をIRしたのか? その背景の心理を、自分が広報担当になったつもりで考えましょう。それでは…また明日。

本日は、これから会員向けレポートを書きます。会員の方は、明日にでも…お読みください。



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