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米国は、久しぶりの下げ相場でした。何しろ…金利打ち止め説の浸透により、株価は「急騰劇」を演じ…その主因である米国金利は、FRB議長談話により、過度の「金利引き下げ」期待を戒めました。同時に…米国債の30年物などの入札が不調に終わったと言いますが…中国のシステムトラブルなどの影響度合いもあるのかもしれません。面白いのは、この9月に…日本はこの円安局面でも米国債の購入を増やしたことです。

一方、報道されているように…「およそ160兆円の資産を運用するアメリカの大手「ヌビーン」が記者会見を開き、日本での運用を拡大する方針を示しました。」と報じられています。岸田さんが、「日本への投資」をNYで語りましたが、その成果の一つでしょう。やはり政策の指導者が語る言葉には、それなりの「重み」があるのでしょう。それも日本で運用方針の会議を開いたと言います。このインパクトは大きいのです。

通常の常識では、来年の日本市場は、ようやく…「普通の国」になる可能性があります。

つまり「名目時代の確立」です。そうなると…当然のことですが、日本国内の金利も上がりますから、「金利平価説」を信じるなら、来年は米国は金利引き下げで…日本は金利の引き上げですから、為替は円高に向かうはずです。

まぁ金利平価説など…「絵に描いた餅」程度の概念ですが、常識では、そういう仮説になりますから…「為替」と「株高」のダブルで…「儲かる日本株の投資」が、増えるのが当たり前です。この「ヌビーン」というファンド名は、初めて聞きましたが、世界は中国からの撤退で…日本の地位は、総体的に上がります。故に「野村証券」(8604)に軍配が上がる筈です。まぁこんな仮説は、誰もが考える程度の常識です。

昨日の「レーザーテック」(6920)は、「三菱モルガンの和田木哲哉シニアアナリストは8日付リポートで、EUV(極端紫外線)露光装置向けのフォトマスク検査装置「ACTIS」の成長を見込み、2027年6月期の業績予想を上方修正した。1株利益(EPS)は1691円70銭と、23年6月期実績(511円89銭)の3倍強に増える見通し。これに伴い、目標株価は従来予想の3万2800円から3万3800円に見直した。」と報じられていました。

この2027年もの「先」を語るのはどうか…と思います。まぁカタルも同じようなものですが、でも仮に、この1691円がピークなら…今のPERは17倍ですからね。目先も分からないのに…面白いことを言います。やはりレーザーテックの株価は高いと思っています。でもそう述べ続けても、半導体の「底入れ期待」から…株価は上がっています。

でも…ね。なんでも良いのです。カタルは基本的に「前向きな話題の提供」は賛成です。今の市場環境を観ると非常にネガティブな評価が多いですからね。かなり「いい業績数字」ですら…株価はネガティブな反応を示しています。株価の上げ波動が、なかなか続きません。カタル同様に…あまり皆さんは、儲かってないのでしょう。基本は此処です。

人間は基本的に「自己中心的」な発想をします。誰もが自分が正しく…他人は間違っていると思いがちです。しかし自分が正しいなら、「株式投資」で損をするわけがありません。でも現実はどうでしょう。つまり自分の考えは、何処か…「おかしい」と思うしかありません。カタルは、この性格ですから、非常に「リスキーな選択」も、平気でやります。

でもここ2年、いや3年になるのかな? 失敗続きです。

米国のGDPの推移

今年は、この「金利の読み方」が難しかったのです。やはりみんなが「低金利」に慣れていたのでしょう。昨日、ある報道を観ていたら…この米国のGDPの話を聞きました。この話は納得できます。米国の「潜在成長率」を、FRBも市場も低く見積もっています。しかし…そもそも米国のGDPの成長率は3%台だと言うのです。だから…今回の9月からの金利上昇は「タームプレミアム」が上乗せされたと解説されたのですが…至極、普通の状態に戻った可能性があります。

「エヌビディア」(NVDA)の 日足推移

市場では「ソフトレンディング」説が、一般化する可能性もあるのです。「エヌビディア」(NVDA)の株価は、昨日の株安でも高かったのです。一時、10月12日の高値476ドルを超えて…482ドルまでありました。

前の高値を抜けることはチャート上では、非常に重要な事です。通常、好業績を背景に大きな株価上昇になると…高値圏を維持して、次のステージに行くためには、「これまでの利食い」をこなさなくてはなりません。この高値もみ合いで、日本株の多くは苦しんでいます。「ジェイドG」(3558)も同じことです。「ルネサスエレク」(6723)もそうです。

名目時代と言うのは基本的に、一度、株価水準が上がると…そこを起点として利食いをこなすと…再び、株価は「次のステージ」に向かうのです。故に「循環買い物色」が狙い目になります。

「ルネサスエレク」(6723) の日足推移

しかし期待した「ルネサスエレク」は、一度、200日線を割れました。最初は75日の移動平均線で止まると思っていましたが、駄目でした。結局、200日線を割れた所が買い場になりました。今の基準値が2250円前後なのでしょう。この基準値はカタルが実際に株を売り買いした感覚の株価です。9月の金利上昇が株価の行方を阻みました。

この会社は「INCJ」(旧産業革新機構)の成功事例です。2012年に政府系ファンドの産業革新機構が1383億5000万円を出資して69.16%の筆頭株主になった会社です。120円で新株を発行したのです。あれから…10年以上が経過しましたが、今回、全ての株を売却したと言います。

世間の「追い風」に恵まれたとは言え…大変な成功事例です。車の半導体需要は此処から増えます。この売り物が、株価の頭を押さえた可能性もあります。ルネサスはM&Aを繰り返して、その技術力を補填しています。トヨタは資金力が婀娜になり、「自前主義」に拘っていますが…時間軸の考え方の違いです。世界のトップ企業は、自前開発より、買収をしてどんどん大きくなっています。

この感覚の違いが生まれたのは、日本の国民性の問題か…、それとも遥か前に…報道されたNHKの「ハゲタカ・ファンド」の悪しきイメージが、日本人に定着したのかどうか…。M&Aでの成長は、経営の効率化を促進させて…社会の「新陳代謝」を促進させます。

「時間」をお金で買うのです。

悪戯に…否定をするのは「メディアの報道の仕方」が間違っています。だから最高裁の判事が「ブルドックソース」(2804)や「東京機械」(6335)のような間違った判断をします。でも…今回の「セブン&アイ・ホールディングス」(3382)のように、曲がりなりにも「反対報道」が多い中で、池袋の西武百貨店は買収が決まりました。なぜ、メディアは否定的な見方で報道をするのでしょう。

カタルのように…34年もの「時間を待たされている」人間が、いることを知らないのでしょうか? 

カタルは上京してから、一貫して…日本の未来を信じて「名目時代の考え方」で、実際の行動をしています。根底にある常識のなさが、メディアの世界に在ることが露呈したのが、今回の「ジャニーズ問題」でしょう。もう完全に狂った倫理観です。その視点で報道を繰り返すから…悪戯に時間を浪費したのです。

海外投資家動向の推移

何故、これほどの好環境なのに…海外投資家は、僅かな金利上昇で日本株を売るのでしょう。この9月の売買を観ると…大量に日本株を売っていました。

実際の…海外投資家が先物と現物を合わせた売買動向

カタルの感覚は。アメリカの大手運用会社の「ヌビーン」の感覚です。この辺りの僅かな時間軸の読みが外れたので…今の苦境が在るのでしょう。早速、「ヌビーン」は野村証券を買い始めたのでしょうか? 朝方は株価が安かったのですが、600円台を回復してきました。そもそも…600円を割れることが、おかしな市場です。

本当に…日本人の知識と言うか、今の市場参加者のレベルを疑う株価が、他にも多くあります。目先ばかりを気にしている投資環境は、識者にとって、良い買い場になるのでしょう。たまには…「独歩高」しないものかな? みんな…根性がありませんね。いつまでも他人の後を追随する「金魚の糞」では、情けない限りです。

日本株は非常に「恵まれた条件」に在るのですから…米国離れをして、どんどん…株価が「正常化」に向かうのが、当然なのでしょう。

日経平均株価の日足動向

ただ日経平均株価を観ると…年末年始から、来年の相場は「期待感」に溢れています。チャートの形は、まだ鮮明な上昇過程に移行していませんが、3つの移動平均線より、頭(株価)が雲の上に出ていますから、安心感と期待感があります。ようやく…2023年5月の指数相場の高値を更新できる可能性が見て取れます。あの時は指数だけでしたが、その先物からの先行買いが消化されて…現物株に変わった時間ですね。たぶん…相場は徐々に力強くなって行くのでしょう。

アメリカン・エキスプレス・カード」(AXP)の 日足推移

冒頭のパウエルFRB議長の「市場の過度の期待感への戒め」の発言は「当然の帰結」です。でも実態はどんどん…クレジットの「延滞率」は高まっています。この辺りの動向を観るには経済指標と共に、「アメリカン・エキスプレス・カード」(AXP)の株価を参考にすると良いのでしょう。

仮に「ソフトランディング説」が正しいなら…アメックスの株価は200日線を回復するのでしょう。逆に株価がどんどん…下がるようなら…「景気後退の可能性」が高まります。このような「市場の整合性」を観て…未来図を判断をします。今日はこの辺で…また明日。



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