カテゴリー:コラム

007ことユビキタスの決算を考える

007ことユビキタス(3858)との付き合いは長く、まもなく5年になります。2010年1月にカタルは証券マンとして勤務しており、ベンチャーリンクの損失を取り戻すために、何かいい銘柄はないか…と探していた時に、突如、浮上してきた銘柄でした。全体相場は下落の連続で…かなり市況は悪い状態でした。その中で、何故か、強い銘柄がユビキタスでした。当時は、まだ10万円に乗ってなかったのです。つまり今の株価では1000円と言うことに成りますね。この2月~5月までの急騰相場を演じた背景は、QBの評価でした。

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カタルは全ての家電製品にはコンピュタ機能が組み込まれおり、プログラムを起動させるためには時間が掛かるのに不満を感じていました。 所謂、パソコンの起動です。パソコンも電源を入れてから、直ぐに立ち上がらず、スリープ状態にすることがあります。たぶん、今の携帯電話も同じ仕組みだと思います。故に、このQBが全ての家電に応用できると考えていました。世の中、たくさん存在しますね。エアコン、キャッシュデスペンサー、コピー機、テレビもそうでしょうし…何もパソコンだけでなく、多くの家電に応用できるから大変な市場があると思ったのです。一台あたり1円としても、100億台なら100億円、10円なら1億台ペースで10億円ずつ売り上げが増えると考えました。その為に夢を抱き、思いを託したのです。

実際にユビキタスが選んだのはカーナビです。確かにカーナビは車のエンジンをかけてから直ぐに起動せずに待たされる時間があり、イライラさせられていました。故にこの分野の開発を先行させたのでしょう。ところが発表から応用まで開発に時間が掛かり、2年程度、要したようです。諦めかけていたところにJVCKWへの採用が決まり、眉唾ではなかったんだと思いました。丁度この頃、村田へ自社株割り当てが決まります。世界の村田が資本参加するなんて…きっとやはりユビキタスのソフト技術力は大きな評価を受けていると考えた訳です。そうして村田はWiFiモジュールを量産します。カタルは1台あたり1円なら企業業績は激変すると考えました。しかしこの発想も空振りに終わります。おそらくアップルに採用されないまでも、小米など新興の携帯電話会社に採用が進んでいる筈です。それにも拘らず売上変化はありません。

カーナビから発展するIVIへの応用は、既に確定しているようです。通常、車の開発は5年程度先を見込み開発が進みます。そうしてルネサスエレクトロニクスが世界トップの車のマイコンのシェアを持っています。最近ではルネサスの評価が高まって来ましたが、大震災でルネサスの操業が停止し、トヨタが応援して復興したように…ルネサスが世界トップと言う認識が、当時の市場ではなかったのです。一部、外国人だけの評価は高かったのですが…ルネサスの評価は低かったですね。車は安全が命なだけに、参入障壁は非常に高いのです。しかし一度、組み込まれれば、次々に継続取引になり共同開発が進みます。現状のユビキタスは、その段階ですね。ただIVIなどが商品化されても売り上げが大きくは伸びずに、これだけでは、黒字化が達成される程度かと推測しています。

電力の見える化など…折角の外部環境の好転も上手く利用できず、経営能力はかなり劣っていますね。経営トップがコロコロ変わる辺りを見ても、人材がいないことが証明されています。今回、佐野さんはどうかな? 今回は野村から幹事を変えての増資です。これが成功できるかどうかは、大きな岐路だろうと思っています。何故なら、この増資資金はM&Aに利用されるような印象を持ってみています。もし実現しないと未来の夢が剥落しますからね。この資金の使い道は、今の所は具体的に公開されていません。野村から幹事を変えて、わざわざやるからには、通常は裏取引が出来ているとみるのが普通ですが…いずれ佐野さんの力量が分かりますね。

小さな会社は、特にそうですが…経営者の力量がものを言います。2010年からの株価下落は、任天堂に切られた影響が非常に大きいのでしょうね。その為にその落ち込み分を補うために四苦八苦している有様です。どんな背景があったのか分かりませんが…任天堂にとっては僅かな金額ですからね。しかし、ようやくQBも市場投入され、更にIVIへの継続搭載もほぼ決まっている様で、楽しみなものを持っています。もともと社名からも明らかなように…今の時代環境のクラウド化、所謂、いつでもどこでも繋がるインターネットを利用するために、生まれたような会社ですから…様々な成長分野に参画していますね。

オープンソースのリナックスは、多くの家電が採用しているソフト技術です。QBはそれに加えアンドロイド端末での応用も進んでいます。SQLと言うソフト技術もかなりの高評価です。HEMS関連のクラウド化など、気象観測情報のソラテナなども…IOTへの流れは確定しており、手掛ける夢の広がりが大きく、カタルのピカ一評価に変わりはありません。ただ現状の稼ぐ力が見られないようでは…絵に描いた餅でしかありませんね。残念ながら、現状の決算数字を見る限り、大きく追加で買う事は困難です。カタルが着手した銘柄の中でこれほど長く時間が掛かっているケースは稀ですが…組み込みソフトは次世代の日本の成長分野であり、ホトニクスと同様に長く応援するつもりです。

実は浜松ホトニクスも芽が出るまで、ずいぶん時間が掛かりました。カタルは関心を持ったのはトヨタがホトニクスに増資をするきっかけを雑誌で読んでからですから、既に非常に長い時間が掛かっています。でも今では研究開発型のホトニクスも稼ぐ力を有し、株価も大きく上昇してきました。何故か…ホトニクスを連想させるユビキタスなのです。晝馬さんは、光に未来を託し儲からない医療機器なども開発に着手していました。でも今では光と言えばホトニクスと…世界の評価は、高水準に保たれていますね。ユビキタスもきっとそうなると信じて応援しています。

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現状の黒字化が見える売上ラインは、四半期ペースで2億5千万ほどでしょう。今回の決算数字では、前期に比較して赤字が減って改善されている様に見えますが、小さな会社は、先ずは、利益水準より、売り上げの水準がものを言います。若干の改善している様子も見えなくはありませんが、明確ではありません。故に何も株を安値で売ることはありませんが、新たに買い増しをするような内容ではありませんね。この会社の当面の見所は、今回行われている増資が成功するかどうか…、そうして、その増資資金をどう使うのか? 当面の見所は、そこに尽きるでしょう。でもスケベなカタル君は、そこに夢を感じ、ユトリが出来れば、きっと買い増しをするのでしょう。この手の株は、数字で売り買いをするのものではなく、夢で売り買いをするのですね。だから高値になる前にストックの蓄積が必要になります。この意味が解るでしょうか?

高値に放り上げられ、企業業績が改善する事もあるのですね。小さいがゆえに激変する事があるのです。だからもし高値で株が下がらないと…赤字故に買うのを躊躇います。そうすると…さらに上昇波動に入った場合、折角のチャンスを逸するのですね。カタルがなかなか高値で売却できないのは、在庫のストックが少ないからです。もしたくさんの在庫があれば…売り上がることが出来ますね。常に種玉を残し…観察する事が出来ます。種玉しかないと…折角、動いたチャンスを、何度も利用する事が出来ませんね。夢の大きな赤字企業の場合、赤字でも株価は上がり続け、そのまま株価が下がらずに黒字転換して大きな利益を生むことがあります。そうすると長く手掛けて来たのに…折角のチャンスを逸することになります。故に安値圏で在庫を貯めておきたいのです。ただしユトリがあれば…の話です。

J・TEC同様に、カタルは赤字の段階から株に取り組みます。そうして黒字転換した時に変化率が大きくなり、市場は多大な評価をしますね。とくに007やJ・TECのような未来型の夢の大きな会社の場合、PERは100倍以上の評価をするのが一般的です。怖いから買えないのですね。株は買えないから上がり続けるのです。ところが企業業績に見合って、割安になって買うと…しかし企業業績は悪化し、株価が下がるのが通例です。株価は全てを知っているのです。基本は割高銘柄を買うから儲かるのですね。これは株式投資の鉄則です。何故なら、株式投資は常にババ抜きなのですね。未来の夢に投資するのが市場経済の基本なのです。時代を買え!



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