アーカイブ:2016年2月

日経が世論を作る

気になる日経新聞の記事を自分なりの研究してみました。誰でも出来ることなので…自分自身の目で実際に確かめると良いですね。ネット上のデータを拾い、グラフ化して自分で考えると良いと思います。いつも思うのです。新聞記者の主観は間違っているんじゃないか? 例えば…昨日の日経新聞の17面「堅調REIT くすぶる懸念」と言う記事で築浅物件の空室率が上昇し始めていると…解説して、これからの商業ビルの市況が悪化の兆しになっています。

果たして、この観測記事は正しいのでしょうか? 本当かな? もし、この記事を信じるならREITの指数を空売り、更にケネディクスやイチゴなども空売りの対象になります。加えて、本日の日経新聞の「不動産融資26年ぶりに最高」となっていますが、此方の記事もカタルにイメージとは違うな…と思いデータを調べてみました。

ただ両方の記事とも、何処にデータが存在するのか分かりませんでした。昨日のREITの記事なんか…僅か2年程の推移を見ており、サッパリポンです。基本的にデータと言うのは観測期間が長いほど信頼性が高まります。一時的な動きはイレジュラーの場合が多くトレンドを反映していませんからね。株価の推移と同じです。

大規模商業ビルの賃料と空室率推移(三幸エステート調べ)

大規模商業ビルの賃料と空室率推移(三幸エステート調べ)

築浅と言えば…大規模ビルを連想しますから、三幸エステートでは、200坪以上のビルをそう区分けしている様で、そのデータがあったのでグラフ化しておきますね。賃料の基本は空室率ですが…大規模ビルでは空室率は上がっていませんが、ここに来て賃料は僅かに下落しているようです。このデータは東京5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のものです。三幸エステートでは他に23区と3区のものを発表しています。このグラフを見て、皆さんは、どんな感想を持つのでしょうか? 日経新聞と比較して下さいね。

不動産向け融資残高と変化率推移

不動産向け融資残高と変化率(前年比)推移

もう一つが不動産向け融資の話ですが、カタルの用いたものは日銀の時系列統計データから、不動産向け融資残高と不動産向け設備投資の融資残高を合わせたものを用いました。不動産業向け融資残は1970年3月からデータが存在しますが、設備投資が新たに加わったのは1977年3月からです。その後、不動産流動化等を目的とするSPCと設備投資が2009年6月より新たなデータに加わっていますが、此方が除外しました。

経済と言うのは融資残高の「タガ」ではないのですね。変化率なのです。人間の感情は、全て変化に感動を覚えるのです。毎日、高級料亭の料理を食べていれば、家庭の味の「肉じゃが」を食べたくなるものです。ラーメンも、食いたくなったりしますからね。常に変化が一番重要なのです。この辺りを多くの人が、株の場合も勘違いします。優良株と言えばトヨタを連想しますが…変化率が高い株が、市場でもて囃されます。とくに赤字から黒字に転換するフュートレックなどは、その口ですね。更にこの会社の良い所は…構造改革を行ったことです。M&Aを用いてスマートコミュニティーへの変身を成し遂げている所が、魅力なのですね。分かりますかね?

同じことで不動産融資も、日経新聞の記者は融資残高を持ち出していますね。これは間違った解説です。昨日より明日に希望を抱くから、社会が躍動し行動するのです。こんな3流記事を書いているから、いつまでも「失われた時代」のままなのです。でも緩和マネー動くとなっており、狙いは良いのですね。だから他の馬鹿記者と比較すれば数段上です。おそらく記者の狙いは、マイナス金利の影響の流れを追いたかったのでしょう。でもまだ早急ですね。実際の動きが出てくるのは、これからですね。昨日の商業ビルの市況悪化の記事を読めば、地銀担当者は二の足を踏みます。記者のペンが、日本国民の気持ちを動かすのです。カタルは失われた時代を創ったのは、メディアの責任だと述べています。その理由を噛みしめながら、レポートを読んでいただければ幸いです。

さて不動産向け融資残の変化率を見ると分かりますが、80年代後半は澄田総裁が、この資産バブルを見逃し円高だけを見て、金利平価説を頼りに緩和姿勢を貫きました。問題は過剰融資にあったのですが…何故、こんな単純な事を見逃したのでしょう。本当に日銀総裁の器なのかどうか…呆れます。しかしグラフを見ると分かるように…、確かに不動産向け融資は伸びていますが…変化率の観点では、まだ低いままですね。だから先日の金融庁の銀行への不動産向け融資のヒヤリングは、間違った政策です。ノルマを掛けるなら分かりますが、内容を精査すれば、当然、金融機関は委縮します。この辺りがチグハグですね。日銀自らが、危険資産のリートやETFを買い、土地や株を上げようと資産価格の上昇を狙っているのに…金融庁が邪魔をしています。馬鹿ですね。

本日のような日経新聞の記事が、政策に影響を与えます。カタルのグラフを用いて…何故、経済が低迷しているか? 解説すれば、分かりますね。常に昨日が基準になり、人間の感情は動くのです。株価を考えれば分かります。一番大切なことは「変化」なのですね。

昨日はNHKで出生率の話をしていました。子供が生まれたら第一子に100万円、第二子に300万円、第三子に500万円を配ればいいのです。財源?そんなものは、どうでもなります。国債をバンバン発行してインフレを加速させればいい、日銀が買い取ればいいのです。既に財政ファイナンス状態なのです。出生率は重要な話です。政府の取り組み方が足りませんね。介護問題も待ったなしですが…それ以上に重要な話です。

議員の資質問題にした揚げ足取りなどの…くだらん議論をするより、少子化などの政策論議を加速させるべきです。肝心要のポイントさえ押さえておけば…株式投資も分かりやすくなります。実は、カタルの集めているデータでは、企業の業績見通しが減額されているので…今の株価でも、高いのかも知れません。微妙ですね。

ソフトバンクのような自社株買いの動きが、今後も増えるかどうか…注目されます。きっとソフトバンクも、上がりますよ。ただ大型企業なので…それほどビックリするほどの変化はありません。この辺りから買い下がり、5000円を割れれば…馬鹿になって買っていいのでしょう。もし下がり続けるなら、当然のことですがMBOもあり得ますね。もともとソフトバンクはMBOを検討していたのです。

読者の人も誤解があるようで…カタルは何も不動産バブルなど臨んでいません。今の不動産市況はバブルではなく適性ですね。何故なら、収益還元法価格で論理的に説明がつくからです。日本には不動産だけでなく…適性なインフレが必要なのです。この意味は、全ての価格を上昇させるのです。土地や株を始め、食料品から更に賃金と…いつでも実質賃金が問題になりますが間違っています。名目の賃金上昇率、この変化率こそが、人間の明日への希望に繋がるのです。名目GDP600兆円に向け、歩まねばなりません。

簡単な事ですね。全ての価格を1~2割上昇させれば…実現します。物価目標を2%などと言わずに、5%目標にすればいいのです。その為には不動産融資も10%以上の伸びが必要になりますね。ノルマをガンガンとかければいいのです。その為のマイナス金利適用なのです。当座預金に眠る210兆円が動けば…正常化に向けた社会構造になるでしょう。



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