本日は市場原理主義の2回目です。日本の「失われた時代」を通じ…カタルは様々な問題を考え続けてきました。最初は、カタルの努力不足で、自分が悪いから…「相場に負ける」のだと思っていました。そうして…カタルは自分の知識を補うために、「証券アナリスト」の試験を受けることにしました。
ここで…こちらのサイトを読んでください。この「無意識の思い込み」は、皆さんの多くに言える現象です。カタルもそうです。一度、此方のレポートを読んでから、自分を見つめ直しましょう。話を…戻します。
ところが記憶力の悪いカタルは、確か…3年もかかったのです。その間、土曜日や日曜日を利用して…TACという資格専門の学校に通い、知識を補いました。最初の一次試験は3科目のうち…財務などの2科目に合格し、証券分析だったかな? それを落としました。すぐに2次試験を受けられないためです。最初の3科目に合格すると…2次試験を受けられます。だから3年かけて合格しました。
でも資格試験は、ある意味で官僚の天下り機関の「受け皿組織」でしょう。毎年、協会に収める会費は、いくらだったかな? 大きな金額ではありませんが…3万円程度の金額を払い込み、毎月、最近の話題などが書かれた資料が送られてきます。でも多くのお金は、組織維持の人件費に消えるのでしょう。
このような組織は、どの業界にもあるのでしょう。そのために官僚は資格がないと、その職業につけない「縛り」を設けます。弁護士や医師資格のようなものです。その簡単バージョンが薬剤師や不動産の売買などの宅建資格などが、すべての産業であります。証券界でも、3つや4つぐらいの資格試験があります。外務員資格やファイナンシャルプランナーなど…です。でも実践では…全く役立ちません。
最初は自分が悪いから、「株で食えない」のだと思ったのです。でも株の買いだけでは絶対に儲かりませんでした。ブツブツのように、賢く…「空売り」をするということをせずに、カタルは「証券マンは、お金を市場に投入する」のが「自分の務め」だという自負があった為に、拘りがあったのです。
そもそも「歩合セールス」になったときに、俺が、この世界で食えなければ…「証券会社がつぶれる時代だ」と思っていました。実際に、和光証券の副社長であった小川さんに1992年夏に面会し、彼は「カタル君、残念だけれど…今はダメだ。今回は証券不況の時より酷く、顧客を紹介できない。また良くなったら、いくらでもお客を紹介するが…今は銀行がダメだから、当面、市場は回復しないから、諦めて田舎に帰りなさい」と諭されたのです。
彼は証券不況の時に、山一証券に対し日銀の特別融資を決めた時に、当時、小川さんは、その噂を聞き…田中角栄大蔵大臣に直談判をして、その仲間に入れてもらって、和光証券の前身の大井証券を救った「立役者」で人脈が豊富でした。
小川さんは、カタルが面会した時は、和光不動産の社長でした。業界をよく知っているから不良債権の問題に気づいていました。1992年ですよ。でもカタルは(このくそ爺、俺が食えない時代になるなら…証券会社がつぶれるわ)…と、心の中で毒づいたのです。
でも実際は、彼の予言通り…それから5年が経過し1997年の暮れに、山一証券などが倒産をします。そうして、すべてが片付くのが…2003年だったのです。この話を書くと長くなるので…この辺で打ち切りますが、要するに「市場原理主義」と言うのは、市場がすべて正しいのです。市場で評価を得られない現象(政策)は、間違っているという考え方です。
でも市場は、わがままで…短期的には、いろんな間違った評価を下します。今のソフトバンクのような評価でしょう。ソフトバンクの「理念」は、素晴らしく…応援するのが「証券マンの務め」です。応援するということは株を買うことです。でも…あのアマゾンも106ドル前後で評価された後、33ドル台に株価が下がるのです。昨日、紹介したジェフ・ベゾスはバフェットのお気に入りだそうです。此方は、なかなか面白いですね。
カタルは年初からテーパリングが必要だと思ってきました。昨年の6月に下げ続けるスミダコーポを観て、何れ自動車生産は回復すると思い、コイルは重要なので良いだろうと思っており…6月の会員レポートで紹介しました。しかしこれが早かった。
カタルは、何度も買って投げ…買って投げを繰り返してタイミングを測って来ました。しかし現実の本格上昇は9月でしたね。でも実際は昨年の5月には、自動車生産は戻って居たのです。中国の販売の話を当時のレポートで綴っています。でもこの時の自動車業界はまだ落ち込むと思っていたようです。このタイムラグが自動車業界の半導体不足問題に一役買っています。
自動車の完成メーカーは傲慢ですよ。なんでも…下請け企業が、自分のいう事を聞くと思っています。今回のトヨタの担当重役の発言を聞けば分かります。章夫さんの発言ではありませんが…トヨタの公式な見解は…『こうした日本製鉄による提訴に対して、トヨタは「弊社が訴えられたことについては、大変遺憾に感じている」とした上で、「弊社では、さまざまな材料メーカーとの取引にあたり、その都度、特許抵触がないことを材料メーカーに確認するプロセスを丁寧に踏んでおります」と発言しています。
ユニクロはウイグル地区で生産された綿を使っただけで、制裁をされる世の中です。全く…この発言を聴いただけで、トヨタの社内と一般社会常識が温度差を疑います。村田製作所の中島規巨社長は生産子会社の金津村田製作所(福井県あわら市)で使う電力を同年11月1日から全て再生可能エネルギーにすると発表したのです。
中国は「知的財産権」を守らずに。大量のブランド品の模造品を作っています。それなのに…「今回の無方向性電磁鋼板についても、宝山鋼鉄と取引締結前に、特許侵害がないことを確認しており、また日本製鉄からの指摘を受けて、改めて宝山鋼鉄に特許侵害について確認したが、特許侵害の問題はないとの見解をもらっている、と説明している。」と発言をしているのです。
あのトヨタですよ。皆さんが、日本で一番だと思っている会社のモラル感です。この背景は、「適正利潤」の考え方や、村社会の方向転換に影響を与えます。見えない糸の部分であり、「市場の整合性」の話です。この辺りの感覚は、皆さんには…難しいかな?
昨日からの展開で、市場原理主義と言うのは、新しい時代を創るアイテムだとの理解が進むと思っています。
時代考察を続け、関連する銘柄の株価動向をみるのですが…未だにカタルは時間軸が分からない…と、述べています。必ず、時間経過でカタルが事前に述べている現象が、株式市場で起こります。
7月の終わりの商船三井の決算を見て…カタルは「驚愕」しました。こんなに利益が出るなら…株価はもっと上がると思ったのです。同時に…何故、こんな不可解な現象に、今まで気づかなかったのか? カタルは自分の手落ちを嘆きました。
実は、ずっと…前に、ある読者から「日本郵船はどうか?」と聞かれていました。しかしカタルは船株相場を知っていますから、所詮、「一過性」で、株価は大きくは伸びず、相場は短命だと思って、良く調べずに…回答していました。でも日経新聞を開いたときの…「驚き」といったら…本当にそんな数字があるのかな? …と二度見をしたほどです。
だから…一気に、8月から「船祭り」を展開しました。そうして8月、9月…カタルの想定以上の相場展開になりウハウハでしたが、同時に乖離問題を気にしており、警戒していました。だから一般論として、9月の配当を取らずに利食いをするのが、一般的な仮説で、乖離が消え…しばらくしたら、又買う展開を述べていました。
でも実際の運用は、短期口座は、この可能性に賭け続け…持ち株を膨らましていました。この業績を観れば…調整も軽く済み、株価は大きく下がらずに、時間調整になるだろうと思っていたのです。でも村上ファンドから株を借りたヘッジファンドは、強烈に株を売って来ました。カタルは、此処まで大きく落ち込む事態を、事前に考えてなかったのです。
あまりに大きな下落率を見て、考え方を変えたのがクリスマス復活説です。
この仮説の背景は「市場の認識」が、間違っていると言うものです。事前に一過性の利益で長続きをしない…と言っていました。でも色々調べる過程で、別の見方が生まれました。
市場原理主義は、その現象が「生まれる背景」を考えていきます。今回は船運賃が上がる現象ですね。何故、このような不可解な相場が誕生するか? その背景を考えるのです。
一つの現象は、沢山の要因で生まれます。よく世間では「殺人事件」などが起こりますが、その切っ掛けは、些細な事が「引き金」になって起こります。でも人間の感情が、その直接的な原因が、影響して行動をするのではなく…その前段階で、耐えられない「屈辱」を何度も受けて、その不満が蓄積して、何かの拍子に…その感情が爆発してから事件に発展します。これと同じです。株価も…。
事前に布石があるのです。囲碁をする人は分かると思いますが、相手の意図が見えない手を打たれることがあります。その石が、後の展開で…活きてくるのです。分かるかなぁ~。
根底には、その現象が生まれる背景が…事前に存在しています。しかし一般の素人は、そのような「前兆」を見逃しており…気付きません。でも熟練度が高まると、一般の人が見落とす手が、実は…大切な必勝手になるのです。
「市場の整合性」の…「見えない糸」の話をしています。
今回の海運相場が、これほどの運賃が誕生した時代的な背景があるのです。ところが…馬鹿は、一過性の運賃の上昇と勘違いをします。しかし…時代が大きく動く背景では、今までの常識が通じなくなります。カタルは8月からのウハウハ相場で膨らみ利益を観て、これは「一世一代の大勝負」の場面ではないか?…と考えました。
だから短期運用は「買い増し」の雪だるま投資を採用して…4000万円の利益を飛ばしました。 考えてごらんなさい。1300万円~始まった今年の短期運用の資金が5000万になり6000万になるのです。
こんなバカなことがあるのか? 通常の常識では、当然の話ですが、こんなうまい話を疑います。だから「一過性の利益」が誇張されます。
船株は、どれも一緒ですが…解説上、川崎汽船の話をします。何故なら、カタルは常々…変化率を買うのが「株式投資」だと述べています。良い会社を買う事ではなく…変化の大きな会社の株を買うのが、株式投資なのです。そう考えると…赤字からいきなり利益が膨らむ川船が船株の中で一番の候補です。
だって従来の一株利益を基準に、株価を判断する…長く信じられてきた尺度のPERでは、船株の中で赤字から、一気に…商船三井も、日本郵船も抜き、一番…「一株利益」が膨らむのは川船です。「日本郵船」(9101)ではありません。
でも不思議な…現実の株価を見て、カタルは自説の方向転換を迫られました。その結果、無理やりに…弾き出した考え方が、臨時の会員レポートのONEの実際の配当説です。会員の方へは、事前にこの考え方の説明をしています。
故に、解説するのは面倒ですから省きます。この実際の配当実績から考えると、一定の理解が得られます。強引にカタルは市場株価を見て、本来、持っている自分の価値観を捻じ曲げました。しかし違和感を抱えたままの…「モヤモヤ」感が、なかなか消えません。だから心の中では、この「わだかまり」を抱えたまま…時を過ごしていました。
この木曜日から金曜日の2日間の市場の動向を観ると…一番値上がりをしているのが、川船で…配当性向の改善を述べた商船三井、そうして日本郵船の値戻しです。3社の比較をすると分かります。
でも、これまでの戻りは…カタルが臨時レポートで解説した日本郵船が一番強かったのです。日本郵船の高値と今回の下げと「戻り相場」の関係を船株3社で比較します。
先ずは日本郵船ですが、高値は9月27日に付けた11300円です。そうして…10月5日に付けたbの安値は7000円です。この下落率は30%を超えて38.05%です。通常は相場がある場合の下落率は…30%を超えることはないのです。一般的な「調整の限度」は20%程度が常識なのです。だから…既に「相場が終わった」可能性も残っていました。
しかし…同時に、こんな業績数字で、このまま相場が終わるわけがないとも思っており、相場の違和感である「わだかまり」を抱えたまま…時間の経過を待ちました。ITバブル期のソフトバンクの相場を、今回の船株に当て嵌めて…カタルは前から考えています。
今回の日本郵船の下落率は38%です。そうして戻り相場が8940円ですから…「戻り率」は45.1%の戻りです。同様に商船三井と川船を観ていきます。
商船三井は日本郵船と株価波動が、少し違います。最初の6180円基準なら下落率は38.6%です。しかし…その後の安値の6120円を基準にすると39.1%になります。戻り率は37.9%です。この戻り率は通常は1/3戻しと言いますから…33%が常識的な基準になります。戻る相場は3割までで…「半値戻しは、全値戻し」と言い、半値を抜けると…新高値を目指せると言う格言が古くからあります。
日本郵船は、まだ先の高値8940円を抜けていませんが…商船三井は先の高値の7650円を抜き7700円を付けました。そうして川船です。
川船の高値は8770円で、最初の4660円基準だと…下落率は、実に46.9%もの下落です。そうして戻りは5920円までで…この戻り率は30.7%です。3割に届いていません。
商船三井も川船も、日本郵船とは株価波動が少し違いますが…相場が残っているように感じています。理由は時間の概念です。
カタルの「クリスマス説」が生まれた背景は「市場の整合性」から考えた相場で、不可解なわだかまりが改善されるストリーです。もともと…あまりに急に企業業績が急回復したので…市場が、その激動について行けず、一時、大相場の片鱗を見せましたが、あまりに大きな乖離の為に、2か月間の強制調整を強いられたのでしょう。
こう考えると…臨時レポートの「配当仮説」の矛盾は消えます。株価同士の釣り合いは配当仮説で説明が付きますが…元からある「低PERの謎」は残ったままです。このわだかまりを消し始めたのが…木曜日から金曜日にかけての…船株相場です。
カタルは、「株式投資は、良い会社を買うものではなく…変化率を買うものだ」と述べています。そうして…その観点から見て、カタルは川船を選択しました。この2日間の相場を観ると…川船が選択されており、2番は配当性向の商船三井、そうして日本郵船です。
もともと…一株利益を計算すると川船の株価が一番、高くなっていい筈なのです。そうして変化率の話です。FRB議長の一過性の物価上昇の撤回と新たな変異ウイルスのオミクロン株の登場など…一連の市場の整合性が一致するのが船株の相場です。しかも…カタルが基準に打ち出しているPER5倍説なら…川船は株価が2万円台になります。来年の米国の港湾労働者のストライキ問題、米国の賃上げのストライキは多発しており、尚且つ、こちらのニュースがあります。既に無人運航の実験がスタートしました。
何故、船株相場が生まれるか? 何故、こんな馬鹿運賃が現実化するか?
カタルは2017年の海運相場からの整合性を見ていました。此方の記事を紹介しています。「海運業界では2017年2月に韓進(ハンジン)海運の破産決定が現在のような事態を招いたとの批判が出ている。破産直前に韓進海運はコンテナ船101隻、ばら積み船44隻などの145隻を持つ韓国1位、世界7位の海運会社だった。だが破産後に韓国系海運会社のコンテナ積載能力は106万TEUから51万TEUに半分以上減った。」これは今回の船株相場が始まる布石ですよ。
このような背景があったところに、コロナ問題が生まれ…サプライチェーンの話、そうして世界の中央銀行が発行したマネタリベースは約2倍になったのです。カタルはインフレが起こって「当然の帰結」だと前から考えていました。こんなものではない筈です。常識で物事を考えると分かります。ここに…アジア圏の躍進が加わります。来年の相場は凄いことになると思っています。
今日は長くなっていますね。素人に説明をするのは大変です。これでも…背景が理解できない人が大勢いるでしょう。ざっと…インフレの部分は、話の端を折りました。話を「端折る」と言うのかな? 簡潔にまとめましたね。ゴメンね。
昨日の市場原理主義から…船株に強引に結びつけていると思われると、心外ですが…時代の流れを観ると…時代を象徴する現象が事件となって生まれます。
その現象が何故、生まれるか?…という事を考えていき、今の時代の流れを探るのです。電通の高橋さんの自殺は、母子家庭で、苦労をしてお母さんが自分の娘を育てたはずです。その娘さんが東大に入学して…きっと喜ばれた筈です。そうして娘は期待に応え、就職最難関の電通に入社しました。ところが…世間の風は冷たく…電通まで「村社会の矛盾」が到達していたのです。だから…あの現象を「切っ掛け」にして、ヤマト運輸の労働条件の改善が輸送コストの上昇になって…社会が変化しました。
分かりますよね。船運賃も同様の時代背景があります。新しい時代に転換するから…そのようなこれまでの常識を覆るパラダイムショック=つまり枠組みの転換が起こっています。これまでの常識が、これからの時代では通用しない時代へ、変化をしています。だから…トヨタが「お仲間企業」の村社会の覇者だった日本製鉄から訴えられたのです。大きなパラダイムショックを皆さんは感じてください。
「株主還元」相場が生まれる背景があり、それを実現するのが…正しい日本の選択の筈です。配当性向は最低30%~50%に上がります。通信のソフトバンクが80%台の理由はグローバル企業基準で、行動をしているからです。デンソーが方針転換したのは、グローバル基準に目覚めたのです。つまり早く構造転換をした企業は、この世界競争に勝てます。
この話を突き詰めていくと…川船は来年2万円台の株価実現となる可能性が非常に高いと考えています。だからカタルは、クリスマス説を前倒しで実行し始めます。
「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば他人は動かじ…」いつも有言実行のカタル君、また月曜日は、船株を買うのでしょう。長くなり…そうして原稿のアップが遅れたことを陳謝します。どうしても…説明をしようと思うと、こんな感じになります。難しいから…簡単に概略を感じてもらえれば良いのでしょう。また明日。