株式市場の志向は、「方向性」の追求のように感じています。時代性を感じてある方向性に市場が舵を切ると、一斉にその方向性に走り出します。例えば…昨晩も会員レポートを書いていて、この相場の流れである「潮流」の話を展開しました。
皆さんには、昔…女王様に喩えられるARKインベストメント・マネージメントのキャシー・ウッドCEO の夢を語るビデオを見てもらいましたね。
彼女のテーマは一般の人にも分かりやすい話題です。実際にテスラのEVは実用化され、様々な未来機能が搭載されています。例えば駐車場に止まっている車に対し、自分が待っている所まで、車が自動運転でやって来ると言う実用化された未来の機能です。
何れ…どの車にも搭載されます。郊外のスーパーなどで買い物をして、車を呼べるのは非常に有意義なシステムに思えます。トヨタの車づくりにないコンセプトカー時代に突入しますから、こちらの彼女の意見も一理あると思い、彼女が運用するファンドに投資をする人も増えるでしょう。 彼女はテスラ株が3000ドルになると言います。
しかし…株価の現在の価値と未来価値のバランスをどう考えるか? これは非常に難しい話です。あまり先走ると…実際の未来が、そうなっても時間を待たされます。
先日は、このサイトを始めた当初の…初めての推奨株「日揮」の相場の話をしました。
あの推奨は一年間、早かったのです。推奨が時代を先取りし過ぎ…その為にイライラした時間を待たされて、本格的に上昇を株価が開始するときは、ようやく儲かると…「やれ、やれ」…と、僅かな儲けで株を売ったら、その途端に株価が2倍になるなんて言うケースを、皆さんは経験をしたことがありませんか? たぶん…何回も経験をしていると思います。
初めての推奨株の日揮が、そうでした。やはり1年もの「読み違い」の時間の間違いは、許されるものではありません。バフェットが「投資の利益の大半は、忍耐に対する対価の報酬だ」と言う言葉の重みが分かります。
テスラの株価がどんな…歴史的な時間の株価位置なのか?
こればかりは…未来にならないと真実は分かりません。昔は、カタルはPERが100倍を超えると限度だと考えてきました。しかし時代革新のスピードがどんどん速くなり…更にお金がジャンジャン流されている現代においては、詐欺集団にも、お金が流れていますから、やはり…今の評価は、かなりの「先取り」でも、許されるのかもしれません。市場にはPER200倍、300倍を評価する「PSR」(Price to Sales Ratio)と言う売上高総額の5倍、10倍と時価総額を評価する新指標も登場しています。 売り上げの成長力を評価するのです。
バブル期の「Qレシオ」を思い出します。この考え方は実際には売れませんが…時価の純資産価値を弾き出す指標でした。当時、日経新聞が三菱地所の一株当たりの実際の価値を株価に置き換えて…市場を煽ったのが始まりです。この後、銀座の一等地に土地を保有している松屋なども、名目時代が加速すると再評価する動きが広がる可能性もあります。
さて話を戻しましょう。あまり脱線をすると…本来の狙いがボケて行きます。
本日は何故、「船井電機」(6839)が買われ、何故、同様の感覚の「シンニッタン」(6319)の株価が人気になっているか? 最近、株価が急騰している「飯野海運」(9119)も同じですよ。その事例を掲げるとキリがありません。
基本的に皆さんは、「失われた時代」と言う「実質経済」に慣れきっています。30年も続きましたから、それが当たり前なのでしょう。しかし世界は違います。ずっと名目時代を歩んできました。
だから米国と日本の所得格差が拡大をしたのです。米国の住宅市況は一度も下げていません。リーマンショックの時に僅かに下げましたが…直ぐに回復しています。しかし日本は失われた時代を通じて1300兆円もの土地資産を失ったのです。国民一人当たりの金額はいくらでしょう。1034万円ですよ。
この金額を補うために「失われた時代」が必要だったとも言えます。年功序列、終身雇用の制度は消え…非正規社員化が進みました。社会からユトリが消え、他人を騙す文化である、振り込め詐欺などの卑劣な犯罪が増えました。皆さん、国民が選択した結果です。馬鹿政治家を野放しにして…嘘の間違った方向性に誘導するメディアを信じて来た国民の間違った選択の結果です。
2010年に日産自動車が小型車マーチの生産拠点をタイに移転させました。ここが空洞化現象のピークアウトです。そうして2012年に日本は安倍政権の誕生で、「方向転換」が始まりました。しかしメディアは地検の「検事総長」人事を巡り…黒川さんを叩きました。
村社会派閥の勝利です。仮に黒川さんが残っていたなら…時代の進化と言うか、変遷のスピードはもっと速まっている可能性があります。基本的に日本には「村論理社会」派閥と「グローバル論理」派閥の戦いの構図が存在します。
しかし…株式市場の展開を観れば…今後の動向は明らかです。
村論理派閥の実質経済成長論者は消えつつあります。逆にカタルのようなグローバル論理派閥の名目成長期待派閥が活躍できる時代に移行します。30年間も虐げられていた連中の逆襲です。
この戦いが、日産のゴーン事件や今回のコロナ対策や、日本医師会の反対を押し切ったオンライン診療などの認可です。この動向を市場は感じて来たので…ようやく「流動性の罠」を抜けたのです。
昨年末にデフレの出口の27270円を突破しました。
だからPBR1倍以下の…今まで「虐げられた企業の株価」が上昇を開始したのです。船井電機の株価を詳しく見てください。ここでは同時に日経平均株価を観ると良いですね。
そうして今回は日銀の総括です。みんな「見えない糸」で繋がっています。だから船井電機は、一株当たりの現預金残高が3Q現在で318億円もあります。一株あたりは…発行済み株式総数は3613万株ですから、880円もあります。しかし自己株が約5.5%もあり、この201万株を引くと一株あたりは932円になります。
しかし…時価株価は724円ですから、まだ200円以上も株価が上がって良い筈です。現預金残高だけの話ですよ。他の資産もあり一株当たりの純資産は1465円です。何故、カタルが2014年の高値1623円のチャー上の壁を取り上げたか? その理由がお分かり頂けるでしょう。
シンニッタンも同じです。現預金残は92億4109万円もあります。発行済み株式総数は…55000万株ですが、こちらは自己株が多く33.1%もあり1825万株を持っています。つまり…実際の流通株は、僅か5500-1825=3675万株ですから、一株当たり251円の現預金があり、一株当たりの純資産価値は622円なのです。
株価が上がるが「当然の帰結」です。しかも船井電機は無配ですが、シンニッタンは、間もなく…10円も配当をするのです。
皆さんは、日本株の「潮流」をしっかり認めないとなりません。三菱UFJや野村証券株が何故、上がり始めているか?
株価が上がる論理的な背景が存在します。テスラ株の認知より、誰もが納得する未来図です。
カタルは言うから…ではなく、カタルはこう考えているから「率先隊長」宣言し、自らが先頭を走っています。皆さんは、誰かが言ったからではなく…「自分の頭」でカタルのシナリオを、自分なりに吟味をして行動をしてください。
自分が考えて納得できるなら…共闘すれば良いでしょう。納得できない、違うと思う方は、シンニッタンは現物株で、一般の人は「空売り」が出来ませんが、船井電機は貸借株ですから、ジャンジャン「空売り」をして、カタルに対抗すればいいのです。
市場は常に売りと買いの戦いが繰り広げられ…何れ、未来が、その勝ち負けを決めます。だから株式市場は面白いのです。自分の意見を株価で戦わせるのです。未来図は果たしてどう流れるか? その「読み」なのです。…という訳で、最近の株式市場の攻防を解説しました。
会員の方は、新しい原稿をアップしましたから…お読みください。それでは…また明日。