山本七平の「空気」を引用し、東京都の組織論を演じた小池さんは、何処で手打ちにするのでしょう。行政の継続性も大切です。村組織は、過去、誰が挑んでも、改善はごく僅かです。官僚はメディアを動かし、江戸の仇は長崎で…と反撃してきます。彼らの処世術は巧妙で、とてもとても…正攻法で挑んでも攻略はなかなか出来ません。しかし官僚組織も意見が割れていますからね。どれだけ改革派を増やすか、どうかなのでしょう。
先日、紹介した「『言ったよね?』 初めて聞いた でも言えず」と言う川柳は、この村論理の「空気」を、上手く表現しています。日本の組織論は面白いですね。上手くいっている時は、全体主義で…円滑に組織は回転しますが、今のような局面になると、抵抗勢力に変化します。敵対しても、上手く自分の思う方向性を、実現できませんからね。敵対するのが良いとは限りません。
その点、田中角栄は実に巧みに…官僚を使いこなしていました。記憶力が抜群で、一度インプットした情報を、フル回転させます。「おい、君の息子は、今年、大学受験じゃなかったか?」とか…「お母さんの病気は、その後、どうだい?」とか…。個人の領域に踏み込み、一気に距離感を縮めていました。堪らない人間臭さを感じさせます。この男の為なら、最善を尽くそう…と、誰もが感じます。
小池さんは、アドバルーンを上げ、どう収めるのか? 敵対し力関係を強調させるのは、誰にでも出来ますが、「所詮、女だ…」と、馬鹿にされますからね。小池さんの主張は正しいのです。情報公開をするのが当たり前で、都民ファーストも当たり前です。でもそれで、果たして…最終目的を達成させるために組織が動くかどうか…。
もしこの手法が通るなら…総理大臣にも、抜擢したいぐらいですが…、メディア受けだけの宣伝効果しかありません。選挙とは違いますからね。組織を本当に動かし、活用できるかどうかは…やはり、疑問を感じます。
日本軍の敗退は、どうして、生まれたのか? 司馬遼太郎も自分がロシア軍と戦い、精神論だけを強要され、日本の軍官僚の馬鹿らしさは、何処から生まれたのか? 晩年、彼は盛んに研究していましたが、その成果を、最後は、描きませんでした。この国と形は…神風特攻の精神論だけなのでしょうか?
カタルはバブル期に希望に燃えて上京し、本当に頑張りました。毎日100枚から200枚名刺を配り、夜も土曜日も日曜日も…一生懸命に働きました。でも買ったら最後の株ばかり、下がり続ける株を観て、何故、この国は、こんなバカな選択ばかりするのか?…と、悲観にくれて…転職しかないと思ったのです。
「失われた時代」は、まだ続いています。来年、失業率2%台が定着し、ようやく名目世界への準備が整います。世界景気の反転と相まって、米国も新大統領が誕生し、円滑に運ぶと思っています。最近、習近平も反省度合いを持ち始めている様で…李克強首相などのグローバル派が、巻き返していると言います。シンガポールのリ・シェンロン首相の主張のように、中国もTPPに参加すれば、一気に日本の活躍期を迎えることになるかもしれません。現状は全く期待感がありませんが…先は、分かりませんからね。
目先、NY市場大幅な振幅は、やはり気になる材料です。金融規制克服論を展開していますが、希望的な見方かも知れず…実現性が、どの程度か? 現時点では、時が経過しないと変動要因が大きすぎて…まだ、とても先が、見通せません。12月に入れば…ある程度、見えやすくなるのでしょう。
市場はドイツ銀行の動向に、右往左往していますが、こんなもんは、表面化している時が華で…処理は、既に決まっています。市場で表面化しているという事は、先が知れているという事ですね。問題は表面化してない部分が、どの程度、潜んでいるか? 一般化されてないリスクは、限りなく存在するのでしょう。
でも…2015年の米国民の可処分所得は、近年では大きなの伸び率で、今年初めに懸念された中国経済も、円滑に処理が進んでいます。サウジなどの中東の火種も、なんとか事が収まる方向性に見えます。イタリアなどの不良債権問題も、IOT時代に移行する事で、遅れますが徐々に解決されるのでしょう。
やはり現時点では…あまり死角がないように見えますね。爆弾があるとすれば、米国の大統領選かな?トランプ氏は劣勢を挽回するために、破れかぶれの主張を展開する可能性もありますね。北朝鮮がこの間隙を縫って、一気の仕掛けで混乱するかもしれません。やはり乱高下するNY市場が、カタルの心理に影響している可能性が高いですね。一気に新高値を更新すれば…カタルの霧も晴れますが…現実はどうなのでしょう。ただナスダックは既に高値を更新していますね。
やはり一気にIoT時代の幕開けをイメージして、果敢に攻めるのが…正解なのかもしれません。貧乏人だから…きっと真坂、まさかの展開ばかり気にするのでしょう。やはり投資はユトリが、必要ですね。それでは…また明日。