2015年の相場展望

みなさん、あけましておめでとうございます。
昨年の成績は振るわず、読者の皆さんも、あまり良くなかったと推察しております。ゴメンね。主力株が振るわず低迷していました。今年は多くのレポートが日本株2万円の大台を掲げていますが…、果たして、どうでしょう。カタルは、どうしても米国の「出口戦略」と言うのかな? 金融緩和の停止から引き締めへの過程ですが…、(具体的にはマネタリーベースの縮小を示します。)この動きが最大の懸念材料です。

メディアの解説を読むと、既に景気回復=金融引き締めと言う発想が、根底から間違っているのではないか…と感じています。基本的に世界経済は、東西冷戦の崩壊から、新規の市場経済参入者(BRICs)などの市場経済への参入により、安い労働力などを梃子に生産量が増え、需給バランスが崩れている訳です。だから日本化現象と言うデフレの現象が世界で蔓延し、流動性の罠に嵌っているのですね。日本だけでなく、ドイツの金利も…マイナスだそうです。米国の金融機関の動きは、非常に鈍いですね。株価をみれば分かります。米国株は新高値を更新していますが、金融株は脆弱な動きです。

一方、PM2.5などの副産物を抱える中国の動向が非常に重要です。シャドーバンキング問題も不動産バブル問題も…未解決ですね。中国は非常に大きくシステム転換には長い時間を要するのでしょう。共産党一党支配の利点もありますが、弊害も同時に存在します。最も恐れているのが粛清への反発ですね。行き過ぎた粛清は、大きな混乱を招きます。転換するためには時間をかけるしかないのでしょう。この中国の転換がエネルギー問題にも現れていますね。最近は増え続けるエネリギーの代替えに、シェールガスが開発され市場に投入されました。この構造調整は昨年、始まったばかりですね。

この所の世界経済は、米国の正常化を受けた景気回復だけなのですね。でも非常に弱いのです。失業率が改善されたと言っても、過去の水準からみれば、好況からは程遠いのが実情でしょう。オバマレガシーの動向は、米国の矛盾を指摘しています。共和党の揺り戻しは大きく混乱が予想されます。基本的に市場経済下では、この矛盾を正常化させねばなりませんからね。一つ事例を掲げると…米国の根底を支えている移民問題の弊害が、きっと表面化するのでしょう。

年初から、おめでたい気持ちに水を差すわけじゃ、ありませんが…、市場経済下では、必ず矛盾は消化され、改善策が求められるのですね。日本を観ると分かりますね。村論理故、臭いものに蓋をして…みんなが妥協して生きてきたわけです。でもバブルと言う副産物の処理の為に、途方もない時間が掛かったわけです。ようやく誰の目にも明らかに、農業問題などが表面化したわけです。TPP交渉は非常に重要なポイントです。選挙結果を受けJAなどの反対勢力の主張は軽減されましたが、果たして実績となるかどうか…などは、今年の大きな見所です。

日本企業の多くは、未だに真の市場原理の経営に目覚めていません。ROEの世界水準は20%前後ですね。ところが日本は8%台だと思います。おそらく出光の昭和シェル買収などが年末に話題になりましたが…、村論理ゆえ、共存を優先して真の競争原理が働かないのですね。りそなの存命は、良い事例でしょう。JALの復活でも良いですよ。事例はいくらでも存在しますね。雇用問題がネックになっているのでしょう。正社員が善で、契約社員が悪なんて論理は、一体、誰が決めたのでしょう。今でも金融界の信用調査では、勤続年数や正社員かどうかを、必ず聞かれますね。

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ネットでROEのデータを探したら…こんな感じです。つまり株価が2万円、3万円、更に5万、10万となるためには、まだまだ構造改革の努力が足りないのです。日立さん、頑張ってね。東レさん、頑張ってくださいね。この辺りの改善は、経営者の考え方が変わらないと…どうしようもないですね。資本の効率化を進めないとなりません。少子高齢化を迎え、これからは限られた資本の奪い合いが始まります。だから正しい金利裁定機能が、日本経済の活性化に、どうしても必要不可欠なのです。「流動性の罠」、つまり「デフレ脱却」が、キーワードなのですね。悲観的な見方を提示してきましたが…ここさえ改善されれば、日経平均株価は、一気に水準訂正が始まります。

今年は円安の恩恵企業が、メインではありませんね。年初の経営者の注目企業はトヨタでしたが…トヨタで注目するのは、稼いだお金の使い道だけです。世界経済に共通課題ですが…スマートコミュニティーへの転換が世界の注目点です。だから、早くキャッシュレス社会に、すればいいのですね。日本にはスイカやイコカなどの電子マネーが存在します。お財布携帯があるのに…何故、日銀券を、いつまでも使っているのでしょう。お金の流れが追えるので、振り込め詐欺など含め、犯罪の発生率は劇的に減りますね。電子マネー以外に交通手段がない訳で…直ぐに犯人が逮捕されます。脱税なども事実上不可能になります。早く、早く、スマートコミュニティーへ移行させましょう。またアップルやグーグルに負けちゃうよ。

つまり少子高齢化の日本が、逆に「強み」を発揮できるのですね。電子カルテの整備でも遺伝子情報を集められるし…、お薬手帳のクラウド化など…、クラウド上で管理すれば、無駄な診察の待ち時間も減らせます。時間の有効活用が始まり、文化が一気に開花しますね。年を取っても教育を受ける社会に変化します。趣味は多彩に広がる筈です。安倍政権の課題は、此処ですね。その為に、先ずは「流動性の罠」を抜け出し、正しい金利裁定が働くような社会構造の確立が望まれるのです。2015年のテーマは、デフレ脱却ですね。これが実現し、1654兆円の個人金融資産や企業の現預金残233兆円、更に当座預金に眠っている170兆円などのお金が動き出すと…。あら大変。株価は2万処ではなく3万円台へ、一気に株価は駆け抜けるかもしれません。

何度も言いますが、日本の焦点は「デフレ脱却」なのですね。

さて新年、最初のレポートでした。実は、この休みに、テクニカルデータのお勉強をしていました。その成果を少し解説したので…、そのレポートも株式教室で同時公開しておきます。投資は、あくまで自分自身の考えで、無理をしない資金で、投資して下さいね。本年も、よろしくお願いいたします。  かたる



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