「野村証券」(8604)の月足の株価を観ると…カタルが述べている「35年間の悲哀」と言う…「失われた時代」が、どんなものだったのか? その一端を認識できます。
希望に燃えてサラリーマンを辞めて、歩合生活に身を置いて…本当に苦難の連続を味わってきたのです。年収120万円の世界がどんなものか…実際に、味わったものでないとその苦しみは分かりません。
その野村証券が、ようやく…昨年来高値を更新しました。カタルの人生を物語っている値動きです。証券マンは、いつも最善と思われるシナリオを語り、「未来の夢」を売る商売だと今も思っています。苦しくても…カタルは「空売り」をしませんでした。ブツブツは賢く…両刀使いです。しかし不器用なカタルは「一本気」気質です。
「失われた時代」は、みんなが「貧乏して」行く時代です。
仕方なく…日本を離れる奴も出てきます。「就職氷河期」と言う言葉があるように…多くの人がこの時代の落伍者に転落して…悲惨な人生を歩みました。安倍首相を殺害した山上被告の年齢は42歳です。京都のアニメーションスタジオに放火した青葉被告の年齢は45歳です。いずれも…生活環境はきっと、よくないのでしょう。通常の社会なら、きっと自分の不幸を、他人や社会の責任に転嫁をしないでしょう。しかしカタルは、散々…「社会体制」批判をしています。
そもそも…の「間違い」は、何処にあったのか?
浮かれていた…ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた1980年代前半の時代に「政策転換」をすべきだったのです。前川レポートは中曽根首相の時代の1986年ですが、このレポートのたたき台として…参考にされたのが、日銀総裁の佐々木さんが1983年に書いた「世界国家への自覚と行動」だと言われています。当時のカタルはペイペイで詳しく分かりませんが…「内需拡大」、「市場開放」、「金融の自由化」の3つから構成され…世界経済の調和ある発展という観点を訴えたとされています。
日本は戦後、「米国の庇護」のもとで…経済発展を続けてきました。対共産勢力との対立である「東西冷戦」(米ソ対立)のお陰です。「失われた時代」は、誤った政策運営です。バブルを創った責任、そのバブルを崩壊させた責任…それらすべてを「失われた時代」と言う…「時間闘争」により解消してきました。
野村証券の奥田さんの経営の仕方も、日本的な「村社会論」です。トヨタ自動車もそうですね。しかし…東証のPBR改革からROE経営はグローバル論理の導入です。
確りした…時代背景の認識がないと、「相場観の基礎」に位置する「根幹」が歪むのです。官僚も、メディアも、みんな「村社会論」です。黒田さんの私の履歴書を観れば…キャリア官僚の人生が分かります。民間ではあり得ませんが、超エリートは、初めから…路線が違うのです。
今でも政治資金問題などの事件は、地検と言う村社会論が、どの程度…日本に根付いているか…その「バロメター」になっています。最高裁の判決もそうです。
しかし時代が変化すると…本日の日経新聞に書かれているように「コンビニ」は世界に出ています。何故、「西武百貨店」の売却で揉めたのか? 働く従業員にスポットを充ててメディアは、悲壮感を訴えていました。しかし…セブン&アイの選択は、ものを言う株主の米投資ファンド、バリューアクト・キャピタル・マネジメントの主張が「正しかった」ことが、証明される世の中の流れです。
これは、カタルが「株価は全てを語る」と言っている一つの事例です。
日本人は1992年に起きたパイオニアの指名解雇の時にも、同じ反応を示し…弱者救済の間違った観点で、年功序列と終身雇用を守るために…時間闘争である「成田闘争」を選択したのです。これが「失われた時代」の正体です。
変化や改革を畏れて…時間軸で、その痛みを共有したのです。みんなで…仲良く貧乏になる道を選んだ結果、人口が8320万人のドイツに…1億2570万人の日本のGDPは負けるのです。通常、1.5倍になるのが普通の状態です。これは…あの1992年に決定した道を歩んだ結果です。
だから…日本の産業界は、当時、希望があった「鄧小平」の「富める者から先に豊かなれ」と言った「南巡講話」に乗って…国内産業の「空洞化の道」を歩んだのです。
しかし…習近平政権が誕生して「戦狼外交」のようなものです。「一帯一路」も…全て、北京に遷都した永楽帝が行った大航海時代の「鄭和への憧れ」からの野望なのでしょう。今でも…この路線は継続されています。故に、米国は戦略を大きく変えて…資金の引き上げが続き「米中対立」が…昔の「東西冷戦」と同じ効果を発揮しています。
だから「安川電機」は、米国で新工場を立ち上げるのでしょう。この流れは既に定着しています。前FRB議長で、現在の財務長官のイエレン氏は、既に…「ソフトランディング」時代だと述べています。実際に今回の雇用統計も強いですね。金利上昇の副作用がある筈ですが…それを克服して…「実質賃金」の上昇により、この成長は、眉唾ではなく…持続が可能なのでしょう。そう考えた方が…自然です。
やはり金融政策の副作用を緩和した…2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)が、かなり…効いています。米国は、長い間、ドルと言う「基軸通貨」を利用した…恩恵の為、アップルに代表されるように「ファブレス」化してきており…EMS(製造受託)を活用しています。
この解説が必要かな? アップルはTSMCやフォックスコンなどを利用して、スマフォを生産しています。米国には「生産工場」がないのです。
基本的に…半導体のCHIPS法などの考え方は、台湾有事に備えた中国離れで…米中対立が基点になっています。今回のコロナで「サプライチェーン問題」が起きましたが…中国依存の危険度を認識して、その対応をしているのです。
このような「時代背景」の「正しい認識」が確立されてないと…カタルが述べている銘柄の…推奨理由は理解できません。
しかし…野村証券のアルケゴスからの3年遅れの時間軸の横ずれは…経営者の選択です。奥田さんと言う人間の「資質」の問題です。カタルなら期を跨がずに…リストラ経費もみんな…アルケゴスの損失が発覚した時に、一気に、経費を押し込んで…大幅赤字も覚悟します。しかし奥田さんは、「時間軸の緩和」を選択したのです。ここまで…あの時は認識していません。故に、三菱UFJとの株価の差が生まれたのです。
今回は「新ニーサ」など…国家戦略の追い風もあり、東証のPBR改革から…端を発してMBOやTOBの嵐の「追い風」になっています。だから、奥田さんは環境に恵まれています。どんな馬鹿が、経営しても株価は上がります。何しろ、時代は実質経済から資産効果が発揮される名目時代への移行期なのです。
これから…会員レポートを作成します。会員の方は明日にでもお読みください。