米国経済の話し

今日は「米国経済」の事を書きます。基本的に金利が上昇すると…全ての経済活動が鈍ります。先日、7.5%の30年の住宅ローン金利が10年で2.06倍になり…現在のプライムレートが8.5%の現実と…その価値は10年で2.26倍になる経済活動に匹敵すると述べました。海外預金をする為替リスクはありますが、9%台の金利も付く時代です。

金利とPERの関係

この金利水準になると…変動する株価に投資をする意味が、薄れてきます。その理由はPERが20倍~23倍の企業の株を買っても、金利水準と同程度なら、リスクを冒す必要が消えます。この金利を払って…尚且つ、それより「高い成長をする企業」は多くないのです。

日本は、低金利でも元本も返せない「ゾンビ企業」を延命する必要はありません。

そもそも…「総資産経営」は雇用を守る為が、唯一の利点です。その為に日立は必要のない産業まで…手を広げました。これが戦後、我が国が成長を続けて来た総資産経営です。全体のパイが大きく「膨らむ時」は、その欠点が見えません。

その概念に「利益率の高い企業」は、競争力が強いと言う…当たり前の感覚が、なかったのです。それより規模の拡大が主眼でした。その象徴的な社会現象が1992年初めに起きた「パイオニア」の「指名解雇」事件です。企業は利益を守るために、先ずは「合理化」に着手をしますが…最後は「人件費と言う聖域」にも、コスト意識が働きます。

でもあの時は、まちがった概念が蔓延っており、メディアは終身雇用、年功序列を守ろうと一斉にパイオニア「叩き」を始めました。

あれほど超優良企業だったパイオニアは、この時間闘争に敗れて…市場から消えます。そもそも1992年より、もっと前の1980年代前半に…日本は「構造改革」に着手すべきだったのですが、「プラザ合意の痛み」を軽減するために、禁じ手のバブルを発生させました。日銀は不動産への…過剰な銀行貸し出しを容認して、資産価値の増加による…仮需に支えられた「嘘の経済活動」で延命策を謀ったのです。今の中国は、その「咎め」を、もろに受けています。

1984年12月に就任した澄田智元日銀総裁は、その元凶を作った張本人です。こいつはその後、ユニセフ協会の会長になっています。ITバブルの時かな? 最初にカタルが10万円の寄付をした時に、その領収書に澄田の名前が在ったことを知り…それ以降はユニセフには、いっさい寄付をしていません。如何にも日本的な仕組みです。澄田がバブルを創って…それを崩壊させたのが、三重野です。何故、この程度の奴が、「要職」につける仕組みなのでしょう。おかしな「日本村」です。

基本的に株式市場は、経済活動の「鏡」です。株価を観ていれば、色んなことが、自ずと分かります。だから株式投資は面白く…奥が深いのです。世界中の識者が競っているのが株式投資です。自分の知識が確りしているなら、必ず、株式投資で儲かる筈です。故に経済学者様は、みんなお金持ちの筈です。

それでも…ノーベル賞をもらった学者様でも、失敗するのが株式市場なのです。「ロングタームキャピタルマネジメント」は金融工学で、ノーベル賞をもらったマイロン・ショールズが運用していましたが、アジア通貨危機で、敢え無く…破綻の憂き目に合っています。たった4年間しか…持ちませんでした。論理的に正しくても、人間には、機械に理解できない心理、「未知への恐怖」などが、時々…爆発をします。

今の市場は、あまりに大きな…目先の「アルゴを利用したシステム売買」に影響を受けており、カタルは規制をすべきだと思っていますが、なかなか…そのような意見が出てきません。売買高に対する制限をかけるべきでしょう。だから…どうしても株価の振幅が増大します。何度か…そのような不慮の事態が在ったのです。

今の市場は、ある意味で…異常な動きをしています。

急上昇をする米国10年債の利回り推移

この乖離率を観て…何も感じないなら…、もう政策担当者の地位ではないのです。時間を掛けるべきでしょう。急ぎ過ぎると市場に「歪」が生まれ…それを消化できない限界地点が、何処かで…来ます。プレートに「歪」のエネルギーが溜まり…地震が発生するメカニズムに似ています。

リバースレポの取引推移

カタルが前から気にしていた「リバースレポ」は、急速にその取引額は減っています。溢れるお金の量を、このグラフは示していると考えて、カタルは、その事は1年以上前から指摘しています。

ピーク時は2兆5537億ドルですから…今の為替を150円とすると…383兆円です。非常に大きな金額を余剰資金としてFRBが吸い上げていました。今は「QT政策」により、急速に市場からその資金が消えています。

9月に入る前は…1兆6510兆ドル在ったのですが、その辺りから…急速に米国10年債の利回りが上昇していますから、やはり…このQT政策が実質的な金利上昇を招いているのでしょうが…なかなか、カタルの観測通りのニュースがまだ見られません。

ようやく似た意見が登場してきました。此方です。

今回は実質的な金利が勝手にFRBの意識を、先読みして「オーバー現象」が生じていると考えています。あと1回の利上げがあるのか、ないのか…カタルには分かりませんが、このまま金利がピークアウトすると思っていましたが、ここに来て「ハマス」が勝手な行動に動き…原油価格の読みが複雑化しています。しかし…銅などの価格は既に大きく下がっており、中国の「上海総合株価指数」は節目の3000ポイントを割れて来ました。


「上海総合株価指数」 の動き

最近は、車を購入するローン金利も高くなっており、EVの購入も減っています。テスラの苦境は何も競争力が劣ると言うより、金利の上昇による影響も大きいのでしょう。目先は、車の業績は、かなりいい数字です。コロナ禍で発生した半導体不足は改善をして、溜まった高水準の在庫がある為に、その消化作業が円滑になっている為です。しかし…その先は、かなり悲惨な段階を迎えます。EV時代は車の生産の技術的なハードルが下がりますから…何れ車も、安価な車の登場です。EVでも200万円前後になるのでしょう。車の自動運転化は加速します。

経済の基本と言うか…家と車は人間の2大消費財です。その二つは金利動向に大きな影響を受けます。ドルは基軸通貨ですから…世界経済全般が大きく影響を受けます。この辺りの読みが日本株にも大きな影響を与えます。

米国の株式益利回りと10年債金利の推移

幸い日本はバブル崩壊の後始末を終えて…ここから「資産投資」再開に向けた準備段階で、「金利裁定」が効く程の好環境です。先日は、米国の「益利回り」の話をしました。

その事が此方のロイター報道に繋がります。実質的な金利が7から8%になるという事が、どういう世界なのか? 今3Qも米国企業の業績は保たれるようです。

「ネットフリックス」なんか…を観ると「コロナ禍の反動」を乗り越え始めました。この意味は、非常に…「意味深い」現象なのですよ。

カタルは「メルカリ」の相場や「BASE」の相場に影響を与えると思っています。特に「ジェイドG」は「おかわりの自社株買い」です。ただ自社株買いだけでは、「ソフトバンク」を観ても分かりますが、新高値をどんどん更新するようにはなりません。

ソフトバンクの日足推移

でも…200日線より上に株価を保っています。ARMの上場ぐらいでは、「ソフトバンク」の株価が、高値をどんどん…更新しません。しかし…もう直ぐ出番が来るのでしょう。ネットフリックスの好決算は、その事を伝えている可能性が高いのです。

ようやく…コロナ禍の「フロック(まぐれ=一時的)による需要」を超えた…実需になった可能性を感じています。地に足を付けた成長です。そんな事をネットフリックスの業績数字は語っている可能性があります。

でもテスラは金利の影響を強く受け、中国での競争もBYDの後塵です。EVは…一気に進む前のスポット?(落とし穴=空白地帯)に入った可能性もあります。でも、カタルは昨日の金曜日に、狙っていた…「ニデック」(6594)を、たぶん初めてかな? 2回目かどうか…忘れましたが、6720円で200株だけ買ってみました。電動アスクルの覇者になる可能性を秘めていますが、この時間軸は読めません。でも2回目の200日線割れの実験の方が、カタルの「心の中で」勝ったのです。

基本的な戦略は難しいのです。

カタルは今のFRBは、間違っているという立場です。近いうちに…何らかの動きが起きると推察をしながら…市場を観察しています。だからロイターのような報道が出てくると…直ぐに「ピン」と反応をします。

普段から…色んなことを考えて市場を観察してないと…その現象が、市場で生まれても気づかずに見逃すのです。キャノンを打診買いした意味も、ニデックを同じように打診買いした意味も…実際に自分が行動をしないと、市場の理解は進みません。

あの時に…たった300株しか実験をしなかった「ルネサスエレク」ですが…1900円台を自分で買ったので、相場の意味を、指数相場の意味などを理解できるのです。

皆さんの多くは…まだ実践派の行動がどんなものか分からないでしょう。カタルは証券マンでしたから…常に市場の最先端の動きを把握することに務めてきました。だから本当は自分が嫌いでも…人気株は、必ず「手掛けるべき」なのです。

トップセールスになる為には、大変な努力が必要です。MLB(Major League Baseball)で活躍する大谷 翔平君も「陰の努力」が在るから…トップスターに成れるのでしょう。

NBA(National Basketball Association)の渡辺 雄太君は小さいころ…電柱に向かってボールを当てていたそうですね。電柱は、丸いから…ちゃんとヒットしないと、正確にボールが返って来ません。みんな…「目に見えない努力」が在り、神様が認めた人だけが成功者になるのでしょう。

なかなか…凡人の阿呆が勝てるほど、甘くないのが株式市場です。

何しろ…ノーベル賞学者も負ける世界です。まもなく…潮目が変わると思いますが、その時期を正確に予測は出来ません。でも潮目の変化は、一般的に、人々の気持ちを動揺させるものです。今は難しい「読み」の場面ですから…無理をしないノンビリ投資をしましょう。株なんか…「新高値」を買っても良いのです。難しい時に…素人が挑むのはどうかな?

今の市場の焦点を、最近はずっと「同じこと」を語っています。バージョンを変えているだけの話です。読者の皆様に、上手く伝わると良いのですが…それでは、また明日。



amazon.co.jp 全品に拡大 無料配送キャンペーン実施中!詳細はこちらをクリック。

IRNET

本サイトは、「今日の市況」(月~金)、「株式教室」(土)、「コラム」(日、祝)をほぼ毎日発信しています。

2024年11月
« 10月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

過去のIRNET

広告

株式投資関連の本



連絡先

kataru at irnet.co.jp
(at をアットマークに変えて送ってください。)